第十話〜お願い〜
〜車の中〜
千代は運転しながら、コナンを確認した。
「お願いがあるの」
千代は前をみたままコナンに話しかけた。コナンは何も言わず千代の方を向いた。
「今から飲んで欲しい物があるの」
車を傍らに寄せてポケットから小さな袋を出した。
「睡眠薬?」
コナンは思い当たる薬の名前を口に出した。
「ええ、そうよ。お願い口あけてくれる?」
「でも、なんで?」
「あなたはそこまで知らなくていいのよ。別に殺したりしないから」
「それって誰を?」
コナンは千代を睨む。殺されないのは解りきっていた。今までの行動をみればコナンを殺す気など全くないのだから。しかしコナンがきいたのはキッドのこと。コナン自身を殺しはしないけどキッドは違う。千代はキッドを恨んでるコナンはそう確信した。
「誰ってあなたに決まってるじゃない」
「そっか。でも、こっちからもお願い聞いてくれる?」
驚く千代に不適にわらうコナン。
「千代さんに従うかわりにキッドを殺さないでくれる? 千代さんキッドを殺そうとしてるでしょ?」
「あ、あなたには関係ないことよ」
焦る千代をみてもまだコナンは不適に笑う。主導権が少しづつコナンに向いていった。
「ふーん。千代さんがOK言うまで俺は飲まないし、このままだと予定時間すぎちまうぜ? それにキッドを殺せば監獄行きだ。今から千代さんがやろうとしてることはもう俺にはどうにもならねぇこと。でも殺さなかったら千代さんはそのままこの世界で生きていける。俺が監禁されてることは俺らと灰原しかしらねぇから別に世間ではさわがれてねぇんだ」
「でも、彼女が警察に言ったら」
「言わねぇよ。あいつ約束守る奴だし。だから俺にしたことはいいから、キッドを殺すな」
「わ、わかったわよ。殺さなきゃいいんでしょ? 殺さないからこのとこ誰にも言わないで」
「大丈夫だから。千代さんが守ればの話だけど」
少し沈黙が続いた。コナンの顔は真剣そのものだった。
「わかったわ。誰も殺さない。だから」
「……わあったよ」
千代は睡眠薬をコナンの口へと入れて水を注ぎ入れた。
〜数十分後〜
コナンは徐々に意識が朦朧としはしめてきた。必死で睡魔と戦う。しかし、勝てるわけでもなく最後に千代にぎりぎり届くような声を絞り出した。
「絶対……守れよ……」
そこでコナンは眠りについた。
「大丈夫だから。貴方ほんとに小学生なの?」
眠りに就いたコナンの頭を撫でて、
千代はそのまま倉庫へと向かった。
|