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文明の濫觴  作者: 烏木
第1章 幕間
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幕間 第1話 狩りの話

僕の名前は榊原謙二

ごく普通の高校二年生だ。春休みが終われば三年生になる十七歳。

しかし、ごく普通の高校生だったというべきかも知れない。

幼馴染の男女六人で春キャンプを楽しんでいたら、雷というには変過ぎる現象に遭遇して、気が付くと周りは無人の野になっていて文明を築くよう言われたのだ。

色々不安でどうしたら良いんだよって思ったら「自分で考えて好きにしろ」って声が聞こえた。せめてチート能力とか魔法とかないのかよって思ったら「そんなものは無い」って聞こえてくる。何というか的確なツッコミありがとうって感じ?

自分達は何もできないでいたが、まわりを良く見ると、何かごっつい作業車みたいな車(伊達が「すげー汎用動力装置だ」と騒いでいた)に乗ってきていた若い男女の集団が規律を持って行動している。

六人で話し合ってあの集団に今後の事を相談をする事にしたのだが「ここは不毛の地でここにいたら死んでしまうから別の土地に行きましょう」と言われるとは思わなかった。

ただ、僕らにも分かりやすく丁寧に説明してくれたので彼らが嘘を言っているとは思えなかったし、食料とか生活もこの人数なら何とかなる手段も持っていそうだ。

僕らの少し年上でしかないのに凄い。この人達について行けば何とかなると思ってしまった。


■■■

「これからの食べ物とかってどうなるんでしょうか」

キャンプ場を出発して二日目の夜に不安で僕らは東雲さんに聞いてしまった。

これまでの食事は、基本的にはSCCの人達が持っていた食料が中心で、それもいつかは尽きてしまう筈なのだ。

「まぁ何とかなるよ。それなりに備蓄もあるし、君らも自分達でできる事をすればいいだけだよ。君らだって木の実を採ったり魚や貝を獲ったりした事ぐらいはあるだろ?それだって立派な食料確保だよ」

そりゃ釣りや潮干狩りぐらいならやった事はある。

「今はできない事はできるようになる迄はできる人にして貰うしかないから負い目に思わないでいいよ。まぁそれに甘えてやらなくていいと思われると困るけどね。……例えば今の君らではできないだろう事だけど猪や熊を殺した事はあるかい?」

そんな経験は当然ない。ブンブンと首を横に振る。

「まぁ日本だと余程特殊な例以外は無いだろうね。安心しな俺らはできる」

はぁ?……熊殺せるんですか?

「『市街地に熊が出没して地元の猟友会メンバーが駆除』とかニュースで聞いたことあるだろう?俺らは何回かやった事があるの」

「えっ?ハンターなんですか?」

思わず聞いてしまった。会社を持っていると言っていたから学生ベンチャーかと思っていたけど猟友会のメンバー?

「いやいや本職はただの学生だよ。それに猟友会の会員でも職業ハンターなんてほんの一握りだよ?俺らが所属している猟友会には一人もいなかったよ」

いやいや全然ただの学生じゃないですよね!?

「俺ら全員が狩猟免許を持っているってだけ。罠猟と第一種銃猟免許を全員が持っている。銃猟免許の第二種ってのは空気銃、エアガンとかエアライフルで、第一種は空気銃の他に火薬を使った本物っていうとあれだけど散弾銃とかの猟銃を使えるんだ……そもそもは、奈緒美のたっての希望で全員免許を取った。奈緒美の地元は山間部にあって害獣被害がかなりあるのよ。猪とか鹿とか猿とか稀に熊……昔は猟師が狩ってくれる事もあったらしいんだけど、もう幾ら頼んでも駆除してくれなくなってね。奈緒美は小さいころから害獣に悩まされて来たから自分で適正数まで間引きしたかったんだろうな。まぁ俺らは巻き添えとも言えるけど……そんでね。狩猟するには免許だけじゃ駄目で実質的には猟友会に正確には市町村などの単位である都道府県猟友会の支部に所属しないといけないんだよ。そうじゃないと保険に入れないから。俺らが登録に行ったらその支部の爺ちゃんらに気に入られてね。猟期の休日毎にがっつり仕込まれて色んな技を継承者扱いでバンバン教えてくれて春の猟期明けにはそれなりに獲れるようになっていた……ここで終わればあれだけど、気付いたら鳥獣被害対策実施隊員に任命されてたのよ。実施隊がある場合は猟友会の会員はほぼ全員が任命されるって言われた。一応非常勤の公務員なんだぜ。害獣が出たって時に呼び出されて駆除するのがお仕事。でね、そのときに『銃の威力が弱くて手負いにしてしまいました』なんて許されないからライフル銃を使うの。ライフル銃の所持と使用は普通なら十年以上従事しないと許可されないんだけど特例で許可されたの。別に俺らが特別って事じゃなくて隊員には特例として十年未満であってもライフル銃の許可を出す事が可能って法令にあるの。時限立法だったかもだけど。二十歳そこそこの若造にってのは異例とは言われたけど爺ちゃんらの猛プッシュがあったらしい。俺らがライフル持てばその分危険な駆除に召集される回数も減るし」

「ライフル銃と猟銃の区別がよく分かりません」

「あぁ猟銃は狩猟に使って良い銃の事で、猟銃を使った狩猟の免許を持てば使える猟銃ってのが散弾銃なのよ。近くは威力があるけど遠くになると威力が小さくなるのね。それに対してライフル銃ってのは分かりやすく言えば軍隊とか警察とかが持ってる狙撃銃と思ってくれれば大きな間違いはない。詳しくは色々違いとかもあるけど……こっちは散弾銃と違って遠くても五百メートルとか一キロメートルとか離れていても人を殺傷できる威力がある事が多いのよ。だから流れ弾での事故とかも起き易いから銃猟免許を持っているだけだと通常は所持許可が警察からおりないんだ。ライフル銃自身も猟銃にしていい規定があって全てのライフル銃を猟銃にできる訳ではないんだけどね。……つまり、猟銃というグループとライフル銃というグループはそれぞれ別の定義なんだけど、一部重なり合っている部分があるんだよ。銃猟免許とライフル銃所持許可を持っていれば重なり合っている部分のライフル銃を猟銃として使う事ができるっていう話……まぁライフルは威力があり過ぎて肉が滅茶苦茶になって売り物にならなくなる事も多いから、誰かの生命財産が危ないといった緊急時にしか使わないけどね。あっ熊には使うか。怖いから。いのちだいじにだね」

えっと……威力が高い銃がライフルっていう感じですね。それにしても売り物とかもうプロハンターを名乗ってもいいのでは?あと熊はやっぱり怖いんだ。

「ライフルは何を使っていたんですか」

伊達はミリオタだから気になるのかな?

「レミントンM700と豊和M1500で弾は両方とも.308ウィンチェスターって言っても分かんないか」

「七.六二ミリNATO弾のボルトアクションライフルですね」

「よく知ってるね。そうだよ。まぁ民生用のソフトポイントだから戦争で使ったらハーグ陸戦協定違反だけどね。本当はPSG1とかに興味があったんだけど交換弾倉と例えセミでもオートマチックは難色を示されてね。固定弾倉のボルトアクション一択だった」

「PSG1ってG3をベースにした狙撃銃ですよね」

二人が何を話しているのかチンプンカンプン……


暫く銃談義に花が咲いていたが話が戻ってきた。

「うちらの大学って山奥にあるのよ。奈緒美の地元だけど……それでキャンパスに猪が出た熊が出たって稀にあるのね。そうすると事務局長が『どこそこに何々が出た。学生と教職員は直ちに避難しなさい。資格持ちは直ちに駆除しなさい』なんて全校放送するのよ。俺らは大急ぎで猟銃取ってきて駆除するんだけど正規の出動じゃないから手当ても付かないし、肉とか毛皮とかの売り物になるところは教授たちが分捕っていくからほとんど持ち出しだよ。一応『単位やる』とか言ってくれるけど別に俺ら普通に単位取れてるし……まぁ中にはやれ可哀想だなんだと苦情を言ってくる奴もいるんだ。生じる被害をそいつが全額補填するってんなら納得もするが、そういう奴らは得てして自分が被害者になると『何でもっと早く駆除しない。お前ら責任取れ』とか言ってくるんだ」

あぁやっぱりそういう人はいるんだ。

「普段使うのは空気銃が一番多いかな?……狩猟ってさぁ銃を持って狩場で獲物を探したり待ち伏せしたりして撃つなんて、鳥撃ち以外はあんまりやらないんだ」

えっ?そうなの?

「俺らは害獣駆除が第一義だから大半は罠で捕まえる。罠を見回る途中で見つけたら狩る事もあるけど銃の主用途は罠に掛かった獲物に止めを刺すのに使うのよ……罠に掛かった獲物はすっげぇー暴れるしそれで大怪我するなんて珍しい話じゃないから銃や槍などで止めを刺すの」

何かハンターのイメージがぼやける。

「でだ、蜘蛛の糸号のガンロッカーにライフル銃もショットガンもエアライフルもあるし、装弾ロッカーに実包も積んである。括り罠も相当ある。駄目元で毎晩仕掛けてるし」

何ですとぉ!銃持ってるって何なんですか!?

これまでおくびにも出していなかったけど……僕らに言っていいんですかねぇ?

「キャンプ場の奴らに渡した肉、ボタンとモミジな。あれ俺らが仕留めた猪と鹿の肉なの。百キログラムの猪一頭から四十キログラムほど肉が取れるんだ。仮に少な目に三十キログラムとしてもカロリーベースで考えると三十人日になるんだ……栄養バランスもあるから一頭獲れたらここの全員が一日半生きていけるっていうと語弊があるけどそうそう飢える何て事態にはしないしさせないから」

頼もしい。うん。頼もしいで良いんだよね?

「だから当面の間は怪我とかしない範囲でできる事をしようとしてくれれば結果の如何に関わらず俺らは文句ないわけ。はじめからできる人はいないんだから別に失敗してもいいのさ。何が駄目だったのかが分かるってのも立派な成果だから」

おんぶに抱っこじゃあれだもんな。僕らで何ができるか考えていこう。

「そのうち獲物の見つけ方とか罠の仕掛け方とかエアライフルの使い方とか解体の仕方とかを覚えて貰うかも知れないけど、懇切丁寧に教えるから心配しなさんな」

へ?僕らにハンターになれと?えっと……ステップバイステップでお願いします。

覚えられるかなぁ?出来るかなぁ?


■■■

翌早朝、東雲さんに起こされた僕ら男子三人は寝惚け眼のまま着替えを済まして野営地の外に出る。東雲さんと天馬さんと楠本さんの三人が待っていたので慌てて駆け寄り(まだ早朝なので)少し小声で挨拶する。

「おはようございます」

「朝早くにごめんね。獲物が掛かってたから見学してもらおうかと思って」

「どんな物なのか百聞は一見に如かず」

東雲さんと天馬さんが主旨説明をしてくれた。

「じゃぁ行って来ます」と楠本さんに声をかけて林に分け入っていく。

東雲さんはソリを引いていて、僕達は渡された防刃手袋を付けてついていく。


「あれが罠に掛かった猪」

一メートルほどの猪がいる。でけぇ!テレビとか写真とかでしか見たことがなかったけど、実物はこんななんだ。それにすっげぇ暴れて地面が抉れてる。

「ぼちぼちと言ったところ。だいたい七十キログラムぐらいだな」

これでぼちぼちって……大物はもっとでかいのかよぉ……

「それじゃぁ危ないからちょっと離れて見ててね」

棒先にワイヤーを付けながら東雲さんが言うので少し離れる。

東雲さんがワイヤーの輪を前足に引っ掛けて猪を拘束するとすかさず天馬さんが槍を突き立て、首筋あたりを突かれた猪が倒れこむ。

倒れた猪の喉をナイフで切り裂いて後ろ足をワイヤーで縛り滑車を使って吊り上げると地面に血が滴り落ちていく。思わず目を逸らしそうになったが昨晩の話を思い出して、強張った顔で見続けていたら「別に目を逸らして良いんだよ。慣れないとグロいからね」と言ってくれたが僕らは誰も目を逸らさなかった。

血抜きの終わった猪をロープで縛ってソリに載せた東雲さんが「それじゃ残りの罠を回収してくるから」と獣道に入っていったが、暫くすると慌てて帰ってきた。

「最後のに掛かってた。掛かりたてだな。佐智恵バックアップ頼む。すまんが君らはここで待っててくれ」

血溜りを埋めたり滑車やワイヤーなどを回収していた天馬さんが頷くと、鍵付きケースからそれぞれ銃を取り出して点検をはじめる二人。さっきも真剣だと思ったけど空気が違う。

「大物で危ない掛かり方だから銃で仕留める。罠が外れる可能性もあるからあなた達はここで待っていて」と天馬さんが言い二人は獣道に入っていく。

ん?東雲さんはそんな事一言も言っていませんがどうして分かるんですか?


―――

後で聞いたら「浮かれていたから大物が掛かったのは分かる。何でもできる義教が一人だと危険だけど私が付けば大丈夫な程度のリスクで、あなた達が傍に居ると危険度があがる事態となるとかなり限定される。本格的に危なければ応援を呼ぶはずだけど、バックアップしろだからそこまで危なくは無い。ちゃんと掛かっていたならあなた達も連れて行くはずなので、罠が外れる可能性がある状態ぐらいしか当て嵌まらない」と一応論理的に説明してくれたけど……何か引っかかる。

そうか。銃を使うって一言も言っていないのに同時に銃の準備を始めた事。それとあの時の東雲さんって浮かれていました?すると「伊達に二十年以上付き合っていない」との事。生まれた時からずっと一緒ってだけで分かるんですか?

―――


三分もしないうちに東雲さんは帰ってきた。銃声も聞こえなかったから逃げられたんだと思ったが「エアライフルだからそんなに音はしないよ」って……もう仕留めたんですか?さっきは十分近く掛かってた気が……僕達に見せるためゆっくりやってたんだ。

大物でした。二周りほど大きくて親子ほど差があるように見える。

「百二十ぐらいあるかも。載せるの手伝って」

否やはありません。東雲さんと四人掛りでソリに載せ、ソリは僕達が引かせてもらった。

帰り道で東雲さんが空振りした罠を使って僕らに罠の解説をしながら回収し、棒で足跡などの痕跡を指してそこから読み取れる事とか色々教わりながら帰ってきた。


野営地に戻ってきたら楠本さんが川原に水路を掘ってくれていたので猪を横たえてブラシで洗っていく。泥だらけだから必要なのか?二人は血抜きと洗浄と冷却って言っていた。


朝食後に川原で吊り三脚で吊って解体するのだが、切っちゃいけないところを切ったりすると肉が駄目になるのでもう少し余裕がでてきたらやってもらうからと言われてSCCの皆さんが解体するのを見学していただけだった。僕らがやったのは使わない部位を捨てる穴を掘るぐらいだ。楠本さんが掘り方の見本を見せてくれたけど、あっという間に一メートル近い深さまで掘ってしまった。男三人で見よう見まねで掘ったけど三倍の時間をかけて半分も掘れなかった。


天馬さんと南部さんが取り出した内臓を点検している。

何をしているか聞いたらはじめに病気に掛かってないか等を点検して、全処分を含めた処分範囲と処分方法を決めて解体を進めるのだそうだ。

今回は問題なかったので使わない部位や今は使えない部位は全て埋立処分すると言っていた。

今は使えないってのは、毛皮とか靭帯など加工すれば利用できるけど、今は加工する手段がないので使えない部位などで、取って置いても加工できるようになるまでに腐ってしまうから捨てるのだそうだ。薬や資源などに使えて処理できたり腐らない部分、例えば骨とか牙とかは持っていくと言っていた。

今晩はボタン鍋かと思っていたけど、寝かせるので明後日ぐらいって言われた。


■■■

出端屋敷が落成してからしばらく経ったある日、僕が仕掛けた括り罠に猪が掛かっていた。美野里姉さんに報告したら、箍を編んでいた東雲さんをさらって来て東雲さん指導の下で僕が仕留める事になった。

「幾つか方法があるから聞いてね」

「一つ目は撲殺。棍棒とかで頭を殴りつけて殺す。原始的に思えるかも知れないけど現役の技術でもあるんだよ。利点は血を撒き散らさない事と心臓が動いている状態で血抜きできるなどで、欠点は上手く急所を叩かないと中々気絶したり死なない事かな?」

「二つ目は槍やナイフなどの刃物で刺し殺す。狙う場所は首や心臓が定番。分かってるとは思うけど滅多刺しは論外だからね。心臓の方が動きが小さいから狙いやすいし早く死ぬ。首は動き回るし力が反らされ易いので難易度は高いが毛皮とか肉の価値が棄損しにくい」

「三つ目は銃殺。至近距離なら空気銃でも十分な威力があるので頭部を打ち抜く」

「後はここでは使わないというか使えないが、水槽に沈めて溺死させたり冷凍庫に入れて凍死させたりという方法もあるにはある。主な対象は鼠とかだけど」

「それで榊原くん。撲殺か刺殺かを選んで欲しい。銃殺が駄目なのは銃の取り扱いを教えていないし生き物を殺す忌避感が乏しいから……俺らは状況が許す限りは撲殺か刺殺してきた。状況次第では銃殺もするが自分達が生きるために殺すんだから忌避感も含めて受け止めるべきだと勝手に思っている。だからはじめては自分の意思で自分の手で実行して欲しい。もちろん『いやだ』ってのもありだ。できる事とできない事はあるからね」

これまで東雲さんから聞いた話や東雲さんと佐智恵姉さんの狩りを見学した時の事などを思い出してしばらく自問自答していたが、決心が付いた。

「……槍を貸してください。首を狙います」

やってる最中も色々アドバイスをくれたけど、へっぴり腰で中々刺さらず結果的には滅多刺しに近くなってしまったが何とか仕留めることができた。

こんな大きな生き物を殺したのは初めてだ。この猪が僕に直接何かをした訳ではないけど僕らが生きるための糧として僕が明確な意思の下で殺した。

「お初にしては上出来だよ。俺らはもっと酷かった」

お世辞だって丸分かりですよ。

「そうだよねぇノリさんは刺さった槍の穂先を取られてたもんね」

「うるせぇよ!お前は尻餅ついてキャーキャー喚いてたじゃねぇか」

「……お互い黒歴史の暴露合戦はやめようよ」

「……そうだな」

えっと……僕はマシな方だったんだろうか?

でももっと冷静にやらなきゃな。後で復習しよう。


その日の晩に東雲さんから解体した猪の牙を渡された。

「お守りと思って持っていな。初心を忘れない為にもね」

僕はこの日を生涯忘れない。


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