第59話 提案の結果
「え〜・・・今日も金田、渡辺、中原の三人は休みだ。連絡はあるけどまあ、特に重要な話じゃなかったから終わり。」
先生はそう言って朝の連絡を終わらせた。
生徒達の噂などでにぎわう教室。
その中でも注目となっている話題があった。
「なあ、荒木燃って知ってるか?」
クラスメイトの一人が燃のフルネームを話題に持ち出す。
「ああ、知ってる知ってる。昨日ニュースで見た。でも何だっていきなり一年前の事件の犯人が指名手配なんだ?」
「なんでも、今まではっきりとした証拠がなかったから指名手配に出来なかったみたいなんだ。」
「じゃあ、証拠が出たのか?」
「いや、そこまでは知らない。でも恐いよな。町をいくつも全滅にした奴がまだ日本にいると考えるとよ・・・」
「確かに・・・早く捕まってくんねえかな・・・」
ほとんどの者がその意見に同意のようだ。
良平がちらりと倉田信吾の姿をした燃を見る。
心配なのだろう。
いくら自分から提案したとは言え、多少は傷ついているはずだ。
燃は落ち込んでいるのか、何も感じていないのか良くわからないが、ただただ頬杖をついて外を眺めているだけだ。
「あの・・・」
いつの間にか燃の目の前に女の子が立っていた。
その子は茶色がかった髪を縛らずに腰まで伸ばしていて、顔を見ると結構可愛い。
「えっと・・・石田由香里さん、だっけ・・・?何か用かな・・・?」
名前がすぐに出なかったのか、燃はしばらく悩んだ後に訊いた。
「うん、ちょっとここでは話せない・・・というか話したら君が困ると思うんだ。だから昼休みに屋上で話そ。」
男言葉に近い言葉づかいで由香里はそう言った。
「・・・・・・?」
燃は意味が分からないのか、眉にしわを寄せている。 |