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 各話のタイトルの意味がまるでわからないとお嘆きの方のご理解の一助となれば幸いです。
タイトル解説
タイトル解説~1-10話~
 タイトルが意味不明と周りからよく言われます。おそらく大半どころかすべての方がそうだと思いますので、蛇足とは思いますが、タイトルの解説をいたします。

 まず、タイトルですが、私が独自に考えたものではなく、クトゥルフ神話に登場する魔道書から名前をいただいています。クトゥルフ神話とはアメリカのホラー作家H・P・ラブクラフトに始まる神格、魔道書などを共有した作品群からなる創作神話です。複数の作家が世界観を貸借し合いながら独自に固有名詞を作り出したため、神話中に登場するクリーチャー、地名、人名は膨大。魔道書にいたっては50話予定のタイトルに使っても余りあるほどあります。

 なお、クトゥルフ神話の世界は人に優しくはありません。神格は人に対して悪意こそ確認されないことが大半とはいえ、その性質は邪悪にした害悪。ただ存在しているというだけで人には有害なものばかりです。よって、そんな世界の魔道書に書き記された内容も必ずしも人を救うものではありません。


第1話「太古の恐怖」
筆者                      年代
 フォン・ケンネンベルク伯爵         19世紀

解説
 すべての文化の神話様式をたどり、その起源について記した論文。ケンネンベルグ伯爵がムランドスと呼んだ存在の投影こそが起源であると論文中に断言されている。ただし、ムランドスが何者、あるいは何かであるのかは明らかにせず、学会の反応は冷淡であった。

作者備考
 記念すべき第1話です。ここでは始まりの話として、つい舞台説明に1話丸ごと使ってしまうという自分でも大胆と思える試みに挑戦しました。同時に必要なことであったとも考えています。コーディネーターが誕生し、それがどのように世界に受け入れられ、そして拒まれてきたのか。言うなればBlumenGartenの起源とも言える内容です。また、ジョージ・グレンを生み出した組織に対する言及がなく、ブルー・コスモスの成立過程を単なる歴史上の事実として追っているだけと情報を伏せている面も多々あります。

 起源への言及がありながら、それが決して明らかでない。そんな話のタイトルとして、『太古の恐怖』と命名しました。



第2話「ユッギャ賛歌」
筆者                      年代
 不明                      不明

解説
 研究者の間で存在すると噂されている魔道書。人類学者ヘンリー・ハドリー・コープランドが写本を購入したとされているが、彼の死後、その蔵書の中から発見されることがなかった。そのため存在自体が明らかでない。

作者備考
 人物の紹介に力を注いだ回でした。実質的な第1話として、若干方向性にぶれがあります。まだ自分自身それぞれの人物のキャラクター性を掴みきれておらず、迷走してしまった部分があるように思われます。少年少女の日常を描きたかったというのが主目的でした。

 もしこの日、この場所にさえいなければ中立国オーブの市民である若者が戦争に巻き込まれることはなかった。戦争は噂話の中だけで語られる存在であったはずであることを含意するため、『ユッギャ賛歌』と命名しました。



第3話「無名祭祀書」
筆者                        年代
 フリードリッヒ・ヴィルハイム・フォン・ユンツト   19世紀

解説
 探検家フォン・ユンツトによって書かれた、世界各地の崇拝様式について記載されている書物。1983年にドイツ語で出版されたが、購入者の多くは筆者の凄惨な運命を知った後、この本を放棄してしまった。フォン・ユンツトはこの本を執筆後、モンゴルへの旅を終え新たな原稿の執筆作業に当たっていた。ところがある日、密室の中で絞め殺され、覚書が引き裂かれた状態で発見された。フォン・ユンツトの友人であるアレクシス・ラドーは損傷した覚書の修復を試みたのだが、その内容を目にするなりそれを焼却した上で自らの喉を掻っ切ってしまった。その後もフランス語、英語で翻訳されたが、不完全なものも多く、稀少書物である。かの有名なミスカトニック大学図書館に保管されている。

作者備考
 戦争にいきなり放り出されたら人はどんな反応をするだろうか。結論として、逃げ惑うほかないと考えています。よほど訓練を受けた人間でなければ状況の認識さえできないでしょう。正に恐怖と未知への旅路です。

 別に場所を移ったわけではないのに、世界そのものが変わってしまった。それはある意味では旅と同義だと考えます。よってその未知と狂気の旅行記ともいえる『無名祭祀書』をタイトルに設定しました。



第4話「失われた帝国の遺跡」
筆者                      年代
 オットー・ドストマン              1809年

解説
 アジア地方のギリシア、ローマ時代の古代文明の遺跡について大部分が割かれている。だが、その中にはジンバブエに遺跡を築いたとされるあの世からの漁夫という宇宙から飛来したクリーチャーについても言及されている。あの世からの漁夫は一説には魔王アザトースに仕える巨大な怪鳥シャンタクではないかと言われている。シャンタクは時に乗り物として協力してくれる可能性もあるが、乗り主の意に反してアザトースの宮廷に連れ去ってしまうかもしれない危険な生物である。

作者備考
 ガンダムは、強くなくてはならない。そう考えて色々と暴れまわってもらった話でした。ともかくすごいものだと強調したかったため、ジンが完全なやられ役です。ただ同時に、ガンダムは高性能であるだけに、それにまつわる技術は後々様々な弊害や害悪をもたらす蓋然性があります。そんなガンダムの悪しき可能性をここではタイトルに込めました。

 有用でありながら致命的な危険性を有する存在であるシャンタクとガンダムとを重ね合わせて、シャンタクとも思われているあの世からの漁夫について記載されている『失われた定帝国の遺跡』をタイトルに設定しました。



第5話「イゴス記」
筆者                      年代
 イゴス                     不明

解説
 ムー大陸の魔術師イゴスによって書かれた手記。千の仔を孕みし森の黒山羊とも呼ばれる豊穣の神ショブ=ニグラスの神殿に保管されていたと記録されている。ただしそれ以後の記録は存在しない。現在ではその内容の一部が伝わっているのみである。

作者備考
 とにかくビームはモビル・スーツがもつには過ぎた兵器であると印象付けたい。そのためだけにヘリオポリスを破壊しました。ビームをはじめとするミノフスキー物理学はBlumenGartenにおいて大変重要なものです。きっと多くの方が読み飛ばしていると思いますが、本当に重要な設定です。もっとも、理解しておけばいいことは、3つくらいしかありません。ビームはとても威力が強力である、その代わりにエネルギー消費量が大きく、そしてどの勢力も量産化を急いでいるという3点だけです。

 ヘリオポリスの崩壊を最大の見せ場として設定しました。同時に、崩壊そのものは大して重要なことではなく、すぐに話題に上らなくなります。滅亡と忘却。滅びた大陸の書物であり、現存しない忘れられつつあるものであるという印象から、『イゴス記』をタイトルに設定しました。



第6話「魂の射出」
筆者                      年代
 不明                      1783年

解説
 かのセイレム市のオカルト団体の間で密かに出回った小冊子。作者完全に不明。現存する数がごくわずかであり、稀少本である。わずか8ページであるが、そのうちの7ページには曖昧で摩訶不思議な言葉が並べられている。だが、最後の8ページ目にはアストラル界と呼ばれる異次元への旅を可能とする呪文について記載されている。ただし、それはハイドラなる人の頭部と意識を奪い去る存在の領域であり、その旅は危険に満ちたものとなる。

作者備考
 アーク・エンジェルに乗り込んで、戦争という世界へと旅立った少年少女。原作ではあっさりと軍に協力してしまいましたが、実際はそんなあっさりと割り切れないだろうと考えたこと。それに加えて、キラとの温度差を強調したいため軍属になることを大変遅らせてしまいました。少年少女が巻き込まれた事態に納得していない。そんな印象にまとめておきたい回でした。

 戦争という異世界に誘うアーク・エンジェルという戦艦と、その先に待ち受ける大きな危険を暗示する。異世界へ旅する呪文が記載されておきながら、危険から身を守る術は書かれていないというこの書のあり方は彼らを連れ出しておきながら守れもしないアーク・エンジェルへの皮肉として、『魂の射出』をタイトルに設定しました。



第7話「悪の祭祀」
筆者                      年代
 フレデリック男爵                1598年

解説
 かの著名な『ネクロノミコン』の部分的な英訳。ただし、翻訳にした原本には原著のアラビア語版ではなく、ラテン語に翻訳されたものが使用されている再翻訳本である。『サセックス草稿』とも呼ばれる。

作者備考
 ともかく、ビームやらミノフスキーやら、これからのストーリーに関わる重要な事柄を説明しておきたかった回です。ガンダムの2次創作を書くなら、物理体系のでっち上げやその兵器転用の流れは設定しておかなければならないと余計な使命感を燃やしていた時期が私にもありました。活動報告など含めて何度目かのことになりますが、ビームなんて、とても強力で、どの勢力も量産化を急いでいるということくらい把握しておけば十分です。ただ、エネルギーの消費量が大きいことも記憶しておいてください。まあ、これだけ重要だ重要だと言っておきながら、まだ設定のすべてを開示したわけではありません。

 大いなる力のほんの一端のみが示される。しかし、その解釈は必ずしも正しいものとは限らない。ミノフスキー物理学の概念はまだまだ不完全なものしか示されていないという暗喩として、『ネクロノミコン』の部分的な訳本に過ぎない『悪の祭祀』をタイトルに設定しました。



第8話「暗黒の儀式」
筆者                      年代
 ラヴェ=ケラフ                 エジプト第13王朝時代

解説
 エジプトの大神官ラヴェ=ケラフが記した巻物の一部。ケマイト神官文字で書かれたが、ギリシア語に翻訳されたともされているが判然としていない。ただ1つはっきりとしていることは、現在においては写本でさえ入手することは不可能に近いということである。書かれた内容はラヴェ大神官が崇拝する神格に関することが大半である。ただし、その中には外なる神の一柱にして、魔王アザトースの強壮なる使者ニャルラトテップの醜悪なる存在を警告するとともに、その化身であるとされる暗黒のファラオに対する警句が記載されている。

作者備考
 8話は、なんと言っても私の主要オリジナル・キャラクターの中で唯一の男性であるエインセル・ハンターの登場が最重要事項です。このキャラクターは美形で富豪でかわいらしい娘と美人秘書を侍らせるとんでもない人物であり、軍需産業ラタトスク社の代表まで務めるなど、BlumenGartenの中で重要な役割を演じるキャラクターです。しかし、性質は愉快犯。目的のためにはどのような犠牲も厭わない。大変な危険人物であることは、間違いありません。

 ニャルラトテップは外なる神の中で唯一人類への明確な悪意が確認できる神格であるとともに、自分の属する外なる神をも侮蔑しているかのような振る舞いをとります。その危険性、性質、有する力を鑑みた場合、エインセル・ハンターとはまさに強壮なる使者にもたとえられる存在であるとして、『暗黒の儀式』をタイトルに設定しました。



第9話「死者崇拝」
筆者                      年代
 イヴォル・ゴルシュタット            1702年

解説
 様々なカルトを明らかにする活動を行った人々、そのために多大な犠牲を払った人々を扱っている。そのページの多くは『ネクロノミコン』のアブドゥル・アルハザード、および『妖蛆の秘密』のルドウィク・プリンに割かれている。この両名の偉大さは衆目の一致するところである。しかし、アルハザードは重大な秘密を暴露したとして不可視の獣に生きながらにして喰らい尽くされ、プリンは異端審問にかけられた末に処刑されている。

作者備考
 ごく有り触れた少年少女が戦争に巻き込まれた。その結果はえてして悲惨なものです。戦争にあっさり順応して戦いぬくことなどできないでしょう。カズイ・バスカークの死はそんな戦争の側面を切り出すために必要と考えました。キラ・ヤマトが回りから浮き始めているという演出にも利用できたのではないかと考えています。ただ、カズイの消失は仲間たちに様々な影響をこれからも与え続けることでしょう。

 たとえ偉人でなくても、人の死とは周囲の人に何らかの影響を与えずにはいられないものです。カズイの死は仲間たちにやがては受け入れられ、彼らを推し進める原動力になってもらいたい。死してなお。そんな願いと決意を込めて、『死者崇拝』をタイトルに設定しました。



第10話「髑髏の黒き書」
筆者                      年代
 ユカック・イグラチアン             不明

解説
 はじめ、ギリシア語で書かれた初版は異端審問によってそのほとんどが焚書にされてしまった。その後、ラテン語に翻訳する試みが行われたが、翻訳者が一部の翻訳を拒否したため、不完全なものが伝わることとなった。さらに1920年代に英訳が行われたが、この本もまた部分的に不完全なものである。本の内容は筆者のオカルト実験の記録および、旧支配者との接触することへの警告が書かれている。

作者解説
 エインセル・ハンターは所有する会社の商品であるガンダムが自身の手の届かないところで運用されていることに関心を示しません。それは、ガンダムを使うのが大西洋連邦であろうと、ザフトであろうと得られる結果は変わらないからです。戦闘が繰り返され、ガンダムが戦果を上げるたびにラタトクス社の技術力の高さは証明されます。それは恰好の宣伝材料となります。大西洋連邦穏健派も、ザフト軍もエインセルの掌の上で無償で広告塔を演じながらもそのことに気づけないでいるのです。

 世界の影に潜みながら、その根幹に位置しながら多くの人にとって及びもつかない存在。それは旧支配者であり、ラタトスク社のような軍需産業です。知らずにその領域に踏み込んでいる両軍への皮肉として、『髑髏の黒き書』をタイトルに設定しました。
 はじめからありきたりなタイトルつけておけばこのような説明書く必要もありませんでしたけど、考えたもの何にでも意味をつけてしまおうとするのは私の悪癖のようです。


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