「新一、ねぇ新一ってばぁ!!」
「何だよ蘭」
まだ、小学1年生の2人が公園のベンチに座って、お話しをしていた
「あのね、もうすぐ蘭がスッゴク、楽しみにしてたことをやるんだよ♪」
「なんだよ、その楽しみなことって?」
「なんだと思う?」
蘭はニッコリ笑って楽しそうにしゃべっていく
新一は、そんな蘭を見てドキッとする
「え、えっと……3月だから誕生日でもないし、クリスマスは12月だし、お正月でもないし……」
新一は顔を赤らめながら、手をあごにつけて考え始めた
このポーズは、小学1年生の頃からやっているたみたいだ
「んっと……えっとぉ……!!明日やる音楽のことだなぁ!!俺にそんなことを思い出させようとして、イヤミかよ!?」
「え、えぇー!?そんなんじゃないよぉ」
蘭は少し、顔を下に傾けた
新一は、そんな蘭をじと目でずっと見つめていた
「………じゃあ、なんだよ」
新一の問いかけに、蘭は嬉しそうにニッコリと笑った
「お・ひ・な・ま・つ・り♪」
笑顔で言う蘭とは逆に、新一は不思議そうな顔をしていた
「なんだ?そのぉ〜……お、お、おひなまつりって?」
「えぇー!!新一、おひなまつり知らないの?クラスのみんな知ってるよ!」
蘭は目を大きく見開いた
「し、知らないんだから…………しょうがないじゃん」
新一はまた、顔を赤らめる
「おひなまつりっていうのはね、えっと………お、女の子だけが祝う日なの!おひな様とおだいり様を飾ってね、他にもご、五人囃子?とかいう人達もいてね♪」
蘭は身振り手振りで楽しそうに説明した
「と・に・か・く、すっごく楽しみなの♪」
蘭は、目をキラキラと輝かせた
「ふーん、とにかく女の子だけが祝う日なんだろ?男の俺には関係ねーやっ!!」
新一は、口調からしても興味なそうに、ブスッとした顔で答えた
「ちゃんと、おひなまつりの歌もあるんだよ」
蘭は、自分の顔を新一の顔に近づけた
「わわっ……う、歌なんて嫌いだ……」
蘭がいきなり顔を近づけてきたため、新一の顔は真っ赤になっていた
「もー!!せっかくおひなまつりのことについて、教えてあげたのに……」
新一は一瞬苦笑いを浮かべ、ニコッと笑って言った
「じゃあさ蘭、その歌何番まで歌詞あるんだ?」
蘭は、その言葉を待っていたように「うん!」と笑顔で答えた
「えっとねぇ、確か4番位まであったよ♪」
「へぇースゲー!4番まであるんだ」
「うん!全部の歌詞、覚えたいなぁ♪」
蘭は嬉しそうにキャッキャと飛び跳ねた
そんな蘭を見て、自然と新一の顔にも笑顔が浮かんだ
☆おひなまつり☆ 当日
「新一〜♪」
「ん?」
今日も最高のスマイルを持って、新一の元にやって来る
「今日は3月3日、蘭がすっごく楽しみにしてた おひなまつり の日だよ!!」
蘭の顔に浮かんだ笑顔は絶えることなく、ずっと浮かんでいる
「な、なぁ………蘭」
「何?新一」
スマイルを保ちながらも、蘭はしっかりと新一の目を見る
だが新一は、その目を下に右に左にとグルグル、グルグルと泳がせる
「あ、あのな……蘭、渡したいもんがあるんだけど」
新一は、ズボンのポケットに手をつっこんだ
そこから出てきたのは、可愛くリボンで結ばれた小さな袋だった
「はい、コレ」
そう言って、顔を真っ赤に赤らめながら蘭に渡す
「ありがとう!!開けても良い?」
新一は何もいわずに頷いた
蘭は、ていねいにリボンを取る
そしてゆっくりと、袋を開けた
そのとたんに、蘭の瞳は今までにも増してキラキラと輝いていく
そして、満面の笑みが浮かんだ
「可愛い♪新一、ありがとう!!すっごく嬉しいよ」
新一が渡した袋の中には、可愛い白いうさぎがついたヘアゴムが入っていた
「ら、蘭って………いつも髪の毛おろしてるからさ、たまには結んだらどうかなって………か、か、可愛いと思うよ」
新一の顔はみるみる内に赤くなっていく
「うん!ありがとう♪さっそく、後でお母さんに結んでもらうネ」
蘭は、白いうさぎがついたヘアゴムを、スカートのポケットの中に大切そうにしまった
「でも、どうしてプレゼントをくれたの?今日は蘭の誕生日でも何でもないよ?」
蘭は首を傾げる
新一は、恥ずかしそうに顔を下に向けながら話した
「か、母さんに聞いたら今日がおひなまつりの日って言ってて…………だから、そのプレゼントは………おひなまつりだから、俺からのプレゼント」
新一は、真っ赤になった自分の顔を隠すようにそっぽを向いた
「蘭のために……嬉しい♪ありがとう!!新一」
蘭は、頬っぺたにピンク色のチークを塗ったように頬っぺたを染めていた
新一は、そっぽに向けていた顔を元に戻し、蘭の顔を見る
するとまた、顔を赤らめてそっぽを向いた
☆次の日☆
「新一〜見て見て♪」
蘭が新一の元に駆け寄っていき、服の袖を掴んだ
新一がクルッと後ろを振り向く
「なんだよ、蘭…………あっ」
新一の顔が一瞬にして変化した
つまんなそうな顔から、明るい顔にパッと変わる
蘭の髪の毛は、白いうさぎがついたヘアゴムを左右につけて、可愛く2つ結びをしている
「ねぇ、新一どう?」
蘭がピョンピョン飛び跳ねる
その度に、2つ結びの髪の毛も一緒にピョンピョン飛び跳ねる
「え、えっとぉ〜」
「どう?」
新一は、決心したようにしっかりと蘭の目を見た
「か、か、か……」
「可愛いよ……とっても」
「ありがとう、新一♪」
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