ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第十六話
「さて…何から話せば良いかな…」
青龍・朱雀・玄武を見て驚いている沢は、沙羅に支えられてやっと立っている状
態だった。
別に腰が抜けているわけではない。怪我だ。
純と和美は沙羅によって死にかけた五人の学生の状態を確認していた。
今、この武道館には沙羅達しかいない。
「玄武、やっぱりお前の言う通り神擬きに操られていた痕跡が残ってた」
純の報告に満足したように笑った。
「随分と霊力を使うのが上手くなったな」
「あったりめーだろ?ほら、俺天才だし?」
「阿保」
二人がふざけているのを無視して、朱雀が沙羅に言った。
「だ、そうです。回復の珠を教えるから治してちょうだい」
「はい…」
すると、和美は朱雀の袖を引っ張って言った。
「私には…出来ないんですか…?」
「和美様…」
朱雀は困ったように顔をしかめた。
「貴女は基本的に人を守る…つまり、結界を張る事に向いています。しかも、和
美の霊力はまだまだ発展途上です。今はそのお力を大事にしてください」
和美は俯いてしまったが、納得していた。
「行きましょう、沙羅様」
沙羅は右手の人差し指と中指だけを立て、印を結んだ。
「復唱願います」
『自然の理と壊れる理・紅の木々と碧の新緑。十七の珠・回復』
二本の指の間から放たれる暖かい光。
それは、春の日差しを思わせ…
また、母の温もりさえも与えるものだった。
「神もどきに操られてしまう人は、心に何等かの闇を抱えています。その隙間に
囚われてしまうのです」
未だに珠を結んでいた沙羅は複雑な思いで聞いていた。
その時白い閃光が走り、現実に引き戻された。
「白虎…」
治療を終えた沙羅は、沢の元に駆け寄った。
「沢…大丈夫?」
「ああ…頭が少し混乱しているが、大丈夫だ」
「そう…」
その言葉を聞いて安心した沙羅はニッコリと笑った。
「なあ…沢先輩と沙羅ってどういう関係?」
「え?…っと」
従兄弟いとこだ。問題でもあるか?」
「従兄弟ぉ!?」
「うん。昔はお兄ちゃんって呼んでたんだけどね。中学に入ってから、ややこし
いから変えたんだ」
「呼び方をな」
「うん!だって沢って呼べって言うから」
沙羅はふふ…と笑った。
すると、純は武道館の壁掛け時計を見た。
今はまだ9時だ。
「とりあえず学校に帰んねぇ…?忘れてたけど、今日って…」
純が青ざめる。
「し、終業式っ!?」
沙羅は青龍の方をキッと振り返った。
「何だ?」
「今すぐ学校に連れて帰って!!」
「仕方ない…」
青龍はパチンと指を鳴らした。
ふわりと足元が不安定になる。
「な…っ…」
正直、またかと思ったが体が慣れていないせいか、声が上がる。
「着いたぞ」
青龍はぶっきらぼうに言った。
「とりあえず行こ!!まだ間に合うっ」
「はい!!」





暗い洞窟の中で二人、主従関係の男女がいた。
「青の姫の能力が目覚めたな」
頭から深く布を被った男が言う。
「申し訳ありません…白のおうも殺し損ねました」
腰より長い銀の髪を揺らしながら、黒い着物を纏った女が言った。
「気にするな。三人が四人に増えた所でなにも変わりはしない」
男はくくっと喉を鳴らして笑った。
「しかし…青の姫君は少々厄介だな…亜桔あき、青の姫君をこちらの力にしたい。頼
まれてくれるな?」
亜桔と呼ばれた女は深く頭を垂れた。
「重々承知しております」
女は立ち上がり、洞窟を出た。
「亜桔。死ぬなよ」
「承知致しました」

神人な恋人ランキング
四神の詩〜箕夜のブログ〜

どんな小説を読みたいですか?


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。