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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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聖夜の更新2012 サンタ的システム

「本気でサンタクロースというシステムを実現するとしたらについて考えてみましょう」

「すごく不毛な気がするけど、夢はあるね」

「まずはサンタクロースの数です。世界中の子供たちにプレゼントを配るとして、一夜で配り終えるには何人必要でしょうか」

「それを考えるには出発地点とか、ソリを使った移動速度とか考えないといけないだろうね」

「出発地点はグリーンランド……と言うと時間が掛かりすぎるので、サンタたちは当日には現地に赴いているものとしましょう。ただし空からトナカイのひくソリで飛んでいく場合、国によっては撃墜されないよう細心の注意を払わなければなりません」

「一気に夢がなくなった。まあそんなものなんだろうけど。中東あたりの他宗教圏内は特に危ないな」

「移動速度は現実的にトナカイの最高速度である時速二十キロメートルとします」

「おっそ! 自転車のほうが速いわ!」

「そういった観点やトナカイの維持費などの問題から、若いサンタの間ではトラックによる配達が主流になってきています」

「もうただの宅配便じゃんか」

「この条件で考えると、必要なサンタクロースの数はざっと二百万人といったところでしょうか」

「ちょっと多くないか? どういう計算したんだ? そもそも普段何してるんだその二百万人は」

「各家々をまわる最短距離は巡回サンタクロース問題と呼ばれ、サンタ達はクリスマス以外の日はこの問題の研究に勤しんでいます」

「微妙なところでリアルだな」

「次は配達時において必要なアビリティです。サンタたるもの、人に見つからず家に忍び込む隠密能力は必須でしょう」

「そんな特殊部隊みたいなやつらが二百万人もいてたまるか」

「そこまでのものは不要です。窓ガラスをガスバーナーで融かし、穴から指を突っ込み鍵を開けて中へ侵入するのが常套手段でしょう」

「こそ泥以外の何者でもない……。別に子供に見つかっても問題ないだろ。サンタなんだから」

「夜遅くに子供を起こすわけにはいきません。お父さんお母さんは次を仕込むのに忙しいでしょうし」

「生々しい配慮やめろ」

「プレゼントの購入費用は難しい問題ですね。いっそ自分たちで工場を建設して、コピー製品を作ってしまうというのは」

「慈善事業で犯罪行為に手を染めるな」

「犯罪なんてさっきからずっとしてたでしょうが」

「開き直るな」

「これも子供たちに喜びを届けるため。こうして子供たちはサンタに憧れ、見習い、資本主義に反旗を翻すのです」

「話が変な方向に……」

「サンタが赤い服を着てるのは共産主義者だからです。髭を伸ばしてるのはカール・マルクスをリスペクトしているからに違いありません」

「君のアホみたいな妄想に付き合わせないでくれ」
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