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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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地雷

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「晩ごはんはお鍋ですか」

「うん、今日は寒かったからね。料理の中じゃかなり簡単だし、練習にはもってこいだ」

「え、何の練習を? 居合い抜き?」

「昨日君に料理教えるって言ったでしょ」

「えー……ヤムチャに界王拳教えるようなもんですよそれ」

「そこまで難易度高くないだろ。別に海原雄山唸らせたり味皇に波動砲打たせたりするレベルになる必要はないから。まずは包丁さばきをマスターしよう」

「そのくらい知ってます。猫の手ですよね」

「包丁持つほうじゃなくて押さえるほうな。明らかにおかしいだろその持ち方。わざとボケるな」

「知らないんですか? これこそ私必勝の構えうッ! 指切りました……」

「救いようのないバカがいる」

「ああ血が……これは深手です。今日はここまでにしましょう」

「まだ何もしてないのに。絆創膏貼って続けるぞ」

「スパルタですね」

「まだ何も教えてない」

「はい、切り終えました。火が通りにくいものから先に入れるんですよね」

「野菜はね。でもまず肉を入れる。コンロの火、つけて」

「……怖いです。爆発しませんか?」

「いらない心配するな。コンロも使えないとか深刻過ぎるぞ」

「はじけてまざれっ!」

「変な掛け声で着火するな。サイヤ人の王子か。アクが出てきたら掬って」

「そのアクってなんなんですか? 入ってると良くないみたいな扱いですけど」

「食材を煮ると出てくる苦味とか渋味を感じる成分だよ。植物性と動物性があって、植物性は健康にいいから取らない場合もある。動物性は基本取る」

「なるほど、勉強になりました」

「小学生でも知ってると思う。家庭科の授業とかどうしてたの? 調理実習とかあるよね?」

「実習のときはずっと見学してました。友達いなかったので交ぜてもらえなくて」

「あ、うん、ごめん、まじ」

「ほら、爆発したでしょう?」

「確かに地雷踏んだけども。……えっと、じゃあ野菜入れてください」

「突然よそよそしくならないでください。やりにくいです」

「君の声が冷ややかに聞こえる不思議」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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