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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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スケッチ

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「お絵描きが楽しくてスケッチブックがもう終わりそうです」

「良かったじゃん、打ち込める趣味が見つかって」

「あなたは何か探さないんですか? マッサージ師を目指すとか言ってませんでしたっけ?」

「記憶を自分に都合よく書き換えるな。趣味なら料理がそうかな。あとは君と話すこととか」

「ははぁ、知らず知らずのうちに、私はあなたのストレスの捌け口になっていたわけですか」

「その言い方やめろ」

「もっとぶちまけてもらっていいんですよ? 世の中への不満とか」

「うーん、気持ちは嬉しいけどそういうのはいいや。君とは楽しく話がしたい」

「溜まった性欲とか」

「そういうのもいいや。そんな溜まってないし」

「ということは料理にぶちまけていると?」

「料理で性欲を発散ってどうするんだよ。想像できないんだけど」

「ゴーヤをそんな風に使うなんて……」

「僕の想像をかきたてようとするな」

「最低ですね」

「君がな。馬鹿言ってないでそろそろ夕飯にしよう。今夜はラーメンだからね」

「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ」

「コールするな。なんちゃって二郎系にしてもいいけど君そんな量絶対食えないだろ」

「おお、これは美味しそうなラーメンです。せっかくなのでスケッチしましょう」

「のびるのびる」

「ストップ! 次は右手を左足のつま先につけて首を左右に曲げる運動!」

「ストレッチマンとか懐かしいものを。首を左右に曲げる意味はなんだよ。右手と左足関係ないだろ」

「んー確かに絵なんて描いてたら麺がのびちゃいますね」

「ボケっぱなしやめて。つっこんだ僕が寂しいから」

「かと言ってまさにラーメンとしか形容できない、ラーメンのイデアとでも言うべきこの料理をみすみす胃袋におさめてしまうのはもったいない」

「そんなことで悩むな。写真撮っといて後で描けばいいだけの話だ」

「それだと立体感や香りがモデルから消えてしまいます」

「プロか。そういうのは描けるようになってから言え」

「描けました」

「早いなおい! ……って、なにそれ? ラーメンどんぶりの上に昨日の生ゴミ描いただけ――」

「『ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ』です」

「怒られるぞ」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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