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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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趣味

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「今週の日曜日も終わってしまいました」

「まだ六時間くらい残ってるけどね」

「六時間なんてカップ麺百二十個作ったら終わりじゃないですか」

「十分過ぎるよ。その換算に何の意味があるんだよ」

「こう漫然と日々を過ごしていると、ダメ人間になってしまいそうです」

「休日は街に出かけるとか前に言ってたじゃん」

「寒くてそんな気分じゃないです。あなたと一緒にいるほうが楽しいですし」

「突然ののろけとか気恥ずかしいからやめて」

「しかし何か趣味と呼べるものがほしいですねー。二人でできる趣味ってありませんか?」

「別に二人でする必要はないんじゃない? 趣味って自分の世界を作るためのものだと思ってたけど」

「私だけの世界なんて今さらつまらないですよ。私とあなただけの世界を作りたいです」

「それじゃいつもと変わらないだろ。っていうかさっきから言動が痒いよ。デレ期なの?」

「私はいつだってデレデレなつもりです。あなたはいつだって気取ってる中学生みたいにツンツンですけどね」

「うっさい。趣味の話はどうした」

「そうでしたね。せっかくですから、何か価値になることをしたいです。となると外国語とか資格試験の勉強なんかがいいんでしょうか?」

「どうだろう。趣味って価値だとか役に立つとか考えないで、純粋にやりたいことやるのがいいと思うけど。下手に目的を作ると義務になっちゃって、ストレス発散にならないから」

「なるほど、一理ありますね。ではあなたとの交尾を趣味に」

「欲望に忠実になれと言ったんじゃない」

「今度から週末は一日中ベッドの中でイチャコラして過ごすことにしましょう」

「貴重な休日に疲労蓄積してどうする」

「そういうあなたは趣味とかありますか?」

「うーん……強いていうなら、料理かな。手間かければそれなりに美味しくなるし、君に喜んでもらえるし」

「わはぁデレました!? 今デレましたね!?」

「うざっ。なんで目ぇ輝かせてるんだよ」

「ふふ。じゃあ私もあなたに喜ばれることで、かつ私自身のストレス発散にもなることをしましょう」

「下ネタはいい加減やめてくれよ?」

「セッ……あなたがされて嬉しいことってなんですか?」

「何か言いかけたような気がしたけど何も聞かなかったことにしとく。嬉しいことねぇ、料理してくれたら」

「却下で」

「早いよ諦めるのが」

「既にできる人がいることに挑戦しても面白くありません」

「ほんと無駄にプライド高いよね。もうスタントマンとか意味のわからないギネス記録に挑戦する人になればいいんじゃないかな? 世界まる見えとかで紹介される感じの」

「一週間くらい使っていくつか試してみましょうか。きっと新しい私が見つかるはずです」

「いつの間にか自己啓発になってる」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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