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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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前後逆

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「今日一日下着が前後逆だったことにさっき気づきました」

「ああ、下着だと気づきにくいからね。でもどうせ見えないし、別にいいんじゃない?」

「ずっと肩甲骨にブラジャーをしてたなんて……」

「ないよ。よほど寝ぼけてなきゃそんな間違いしないよ。気づかないとしたらどんだけ貧乳だよ」

「まあそれは冗談で、逆だったのはむろんパンティです。お風呂に入ろうとして気づきました。一日中違和感はあったんですけどね。まるでパンティを前後逆に穿いているような違和感が」

「鈍感以前に馬鹿だったなんて。……あれ、でも気づいたのがさっきってことは、今日一日トイレに行ってなかったってこと?」

「う、ちょっと便秘気味でして……。そういうことは普通、思っても言わないのがマナーというものですよ。特に女性に対しては」

「ごめん、女だって意識自体なかった」

「……それも言わないのがマナーというものですよ。全くデリカシーのない人です」

「それだけ親しい間柄ってことだ」

「男の人はいいですよね。パンツが逆だったら穿いたままウンチできます」

「できないし君がその行為のどこに魅力を感じているのか全くわからない」

「なんだか男もののパンティ穿いてみたくなってきました」

「なんだ男もののパンティって。普通にパンツって言え」

「それだとズボンと区別つかないんですよ。男のパンティ、略してオパンティと呼ぶべきかと」

「なんか生ぬるいからやめろその呼び方」

「フランス語っぽいですよね。メルロ・パンティ」

「メルロ・ポンティに謝れ」

「ともかく今度あなたのパンツ貸してください。親しい間柄でしょう?」

「パンツ貸す間柄って親しいとかいうレベルじゃないぞ。なんか変態っぽい」

「代わりに私のを貸しますから」

「それ僕が穿いたら完全に変態だろ。そもそも下着って共有するもんじゃないし」

「別に身につけるだけが下着の用途じゃありません。知らないんですか?」

「ごめんそれ以外の使い方僕は知らないし知りたくもない」

「清純派ですね。あなたウンチとかするんですか?」

「アイドルがされる最低な質問ベスト3やめろ。誰だってすることだししないほうが問題だ」

「私はしませんよ」

「便秘だからね」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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