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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

67/1814

コン

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「明日の洗濯当番は私でしたね」

「君がそういうこと覚えてるなんて珍しいね。明日は大雪か」

「失敬な。一つ屋根の下に住んでいるのです。私だってたまにはしっかりやりますよ」

「じゃ、今のうちに洗濯機回しといて。明日の朝だと僕がやるはめになるだろうから。ポケットの中とかちゃんと確かめてね」

「はいはい。…………」

「あれ、どうしたの? 顔赤くして」

「あなたのジーパンのポケットをまさぐってたらコンドームが出てきました。つまりいつでも準備オッケーということですか?」

「いや、期待を裏切るようで悪いけど、それはこないだ街で配ってたやつ。世界エイズデーだとかなんとか」

「なるほど。クリスマスに先駆けて」

「その発想はなかったけどたぶん違う」

「クリスマスには穴の空いたコンドームを配るんでしたっけ?」

「どっから仕入れてきたんだその知識。タチの悪い悪戯だろ」

「それともコンドームをベッドのわきに吊るしておくと、翌朝プレゼントが入ってるんでしたっけ?」

「靴下より無理があるよ」

「プレゼントを開けると赤ちゃんが入っているという」

「何かの隠喩?」

「コンドームと言えば、私ずっとコンビーフの親戚だと思ってました」

「コンビーフのコンは塩漬けって意味だ」

「コンドームは人名らしいですね。ラテン語とかイタリア語って説もあるみたいですが。性関連の名称に自分の名前をつける人って、一体どういう意図があってそんなことするんでしょう?」

「知るか。星や新種の生物の名前なんかより一般に定着しやすいからじゃないの?」

「なるほど。知名度もとい、痴名度狙いというわけで」

「うまくないよ」

「まあせっかく頂いたわけですし、早速今夜――」

「使わない」

「えー、さすがにそれはいけませんよ。物事には順番というものがありますから」

「そういう意味で言ったんじゃない」

「袋から出してみてもいいですか?」

「勝手にどうぞ。ちゃんと捨てといてね」

「おー、実物は初めて見ました。この先端の突起部分に傷をつけて使うんですよね?」

「それは使い方として根本的に間違ってるから。世の中にはそういう悪い人もいるけども」

「ふー! ふー! なかなか膨らみますね」

「風船扱いするな」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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