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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

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ネット依存症

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「インターネット依存症が深刻化してるそうで」

「うわ、びっくりした。ネタ不足のあまり時事ネタにまで手を出し始めたの?」

「そんな話を耳にしたんですよ。たまにはいいでしょう? 真面目な話をふざけた感じに話すのも」

「ふざけた感じにするのはいつものことだろ」

「さておき、ネット依存症です。なんか基準があるみたいなんですが、当てはまりますかね?」

「どんなの?」

「『ネットの利用時間がコントロールできない』」

「早く寝なきゃいけないのに、ついつい延長しちゃったりか。最近は忙しいからそうでもないかな」

「『ネットのやり過ぎで日常生活に支障が出る』」

「それはないな。想像もできない」

「『インターネット接続への強い欲求がある』」

「なんだその言い回し。パソコン立ち上げると必ずブラウザ開いちゃったり?」

「そういうことでしょうね。ちなみに私はあなたに接続されたいです」

「ちなむな。他には?」

「『ネットを禁止にすると禁断症状が出る』」

「深刻すぎる。ネットしないと痙攣したり幻覚見たりするのか」

「『ネットにハマりすぎて家族間の関係が壊れる』」

「これはあり得るね。食事中にケータイ弄ったりとかはやめてほしいかも」

「その点うちは大丈夫ですね」

「まず家族じゃないけどな」

「『ネット利用によって起こる奇異な行動がある』」

「これは何か別のものに依存してるんじゃなかろうか。思ったけどさ、ネット依存症って一口に言えない気がするんだよね」

「と言いますと?」

「ネットって使い道が一つじゃないだろ? ソーシャルだったり、オンラインゲームだったり、動画だったり、物書きだったりさ。だったらそれはネット依存症なんて包括的な名前じゃなくて、ソーシャル依存症、ゲーム依存症って分けて呼ぶべきじゃないかな?」

「うーん、一概にそうとも言えないでしょう。インターネットにおける共通項は多くの人と繋がることです。ソーシャルもオンラインゲームも動画も物書きも、現実ではあり得ない大人数と、距離や時間に関係なく情報や感情を共有している点では同じ。そう考えれば、ネット依存症というのも別に変なネーミングじゃありません。共有依存症と言ったほうがより正確かもしれませんが」

「……お、おう」

「それにしても、誰しも何かに依存して生きてるものなのに、それが社会や周囲のためにならないと病気として扱われてしまうとは……。フーコーさんはこういう事態を嘆いていたんですね」

「…………」

「あれ? どうしたんです? 私、何か変なこと言いました?」

「いや、軽いキャッチボールのつもりで発言したら豪速球が返ってきて受け止めきれなかったってだけ。え、君そういうインテリ系のキャラだったっけ?」

「失礼な。設定上では私のほうがあなたより頭よし子さんです」

「わりとガチでショックだ」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
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