挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

同棲編

55/1656

勤労感謝の日

 コタツの中で足を温め、窓の向こうの夕焼けと街の灯りを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「今日は勤労感謝の日ですね」

「そうだね。感謝してくれ」

「え、あなた働いてたんですか?」

「昨日までの描写だとそんな感じじゃん。君はずっと家でゴロゴロしてるみたいだけど」

「そんなことないです。あなたより早く帰宅してるってだけでしょう。それか在宅ワークしてるんですよ」

「その辺りの設定は固まってないんだ……。在宅ワークってどんなの?」

「テープ起こしとか」

「会議とか対談とかの内容を文章にするやつ? 実際はそんなに需要ないみたいだから、詐欺を疑ったほうがいいぞ」

「在宅ワークを紹介する在宅ワークとか」

「おかしな入れ子構造を作るな。こんなおいしい在宅ワークがあるんですけどって電話で持ちかけるのか」

「この在宅ワークを紹介する在宅ワークを他の方に紹介することで利益の一割を受けとることができるんです」

「ねずみ講じゃないか。どこから利益がうまれるんだ、それは」

「他にはスズムシの養殖とか」

「家の中がうるさくなりそうだな」

「成人男性の調教とか」

「え、身の危険を感じるべきなの?」

「この会話のネタを考えるとか」

「それはただのニートだ」

「む、ネタの捻出を馬鹿にしてもらっては困りますね。一つ考えるのに何分かかってると」

「分単位の時点でたいしたことない」

「いや、実際かかるときは二時間近くかかってたりもしますよ?」

「その時間を使えばもっと有益なことをできるだろうに」

「そういうあなたはどんなお仕事を?」

「残業が頻繁にある仕事だよたぶん。その日のうちに帰れるだけマシだけど」

「私に内緒でいったいどんな男性とお近づきに……」

「なんでそこで男なんだ」

「少なくともあなたには感謝せねばならないということですか。では日頃のお礼に、今日は私からプレゼントがあります」

「え、ありがとう。肩たたき券とかでも嬉しいよ」

「ケツたたき券を」

「なんで!?」

「私といつでもベッドインできる券とかもいいかと思ったんですが、そういう関係は嫌だなって」

「ケツたたきの関係も嫌だよ。勤労に感謝する気ないだろ」

「明日からも頑張れという意味で」

「鬼か」



 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。
 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。
勝手にランキング参加中↑↑↓↓←→←→BA
小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=361022146&s
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ