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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

土手編

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入れ替わり

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「ここらで日頃の運動不足解消といきましょう」

「もしかして一昨日の話題から?」

「そうです。決してネタがないわけではありません。決して」

「自白してるような。で、何するの? 土手でできる運動って?」

「やはり往復上り下りでしょうか。じゃあ張り切って二十往復ほどいってみましょう。はい、始め」

「ちょっ、わりと多くない?」

「はい、一! ……二! ……三!」

「これ、結構、キツいな。下りるとき、気をつけないと、足捻りそう」

「……十一! ……十二! ……五!」

「おい! どんな間違え方してるんだよ!」

「すみません。あれ? どこまで数えましたっけ?」

「わざとらしい」

「じゅあもう一度最初からで」

「なんでだ。だいたい君が見てるだけっていうのはおかしいよね? 一緒にやろうよ」

「一緒にやろうだなんて積極的ですね。でも残念、この運動は一人用なんです」

「つべこべ言わずにやるぞ」

「きゃっ、そんなところ引っ張らないでください」

「普通に手引っ張ってるだけだろ。ほら、数えて」

「一……二……三……」

「やる気無さげだな」

「ハァ……ハァ……これで、終わり、です」

「ゼェ……ゼェ……いきなり運動は、やっぱりキツい」

「フィ〜……。なんかこうして二人で息が上がってると、妙にエロいですよね」

「ハァ……あ、今のはため息だぞ。そんなこと考えるのは君くらいだと思う。もう今日はこの辺で帰ろう」

「疲れて立ち上がれません。手を貸してください」

「はいはい、っておい! 引っ張るな!」

「もっと密着すればもっとエロくなります。抵抗しないでください」

「やめろ! 痛々しいカップルが土手でいかがわしいことしてるように見えるだろ! 通報される! 放せ!」

「わ、そんな強く引っ張ったらっ……」

「うわっ!」



「……いたた……あれ、声がおかしい。え、なんで僕が目の前にいるんだ?」

「ベタベタな解説ありがとうございます。どうやら身体が入れ替わってしまったようですね」

「そんなばかな。何でもあり過ぎるだろ」

「困りました。登録タグに『TS』や『精神交換』を入れるべきでしょうか?」

「そんなの困ってない」

「もっと問題なのはボケとツッコミの配置が逆転してしまったことで、オチの収まりが悪くなってしまったことです」

「至極どうでもいい。それよりなんとかして戻らないと」

「いえ、しばらくこのままで。いわゆるテコ入れですから、そのうち戻ります」

「身も蓋もない」

「何かボケてください。いつもあなたのツッコミで終わってるんですから」

「なんでさっきから様式にばっかりこだわってるんだよ」

「ボケろって言ってるでしょ」



 一人が腰を上げると、もう一人も立ち上がります。
 そうしてどちらからともなく手を繋ぎ、今日に背を向けて、去っていきました。
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