挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

土手編

40/1759

休日の過ごし方

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「休日って何してます?」

「え、そんなこと聞いてどうするの?」

「答えられないなんて、いったいどんな恥ずかしい趣味をお持ちで?」

「持ってないよ。勝手に決めつけるな」

「休日の過ごし方を訊かれて答えられない人間は、オタクか変態か犯罪者か、周囲に内緒で小説を書いているネクラと相場が決まっています」

「どこの相場だ。そして最後のやつに自虐を感じた」

「違うというなら、何してるんですか?」

「一般的な過ごし方だと思うけど。本読んだりテレビ見たりネットしたり……考えてみるとあんまり外へ出かけないな。特定の趣味もないし。そういう君は?」

「私はショッピングしたり、本屋に行ったり、スイーツ専門店に行ったり、スポーツセンターに行ったり、街を練り歩きます」

「え、なんか予想外にアクティブ。見栄はってない? 君って家でゴロゴロしてる系女子じゃなかったっけ?」

「連載当初から私は活発キャラ、あなたはインドアキャラだったでしょう? 起きてネットして昼食食べて昼寝してネットして夕飯食べてネットして寝る感じの」

「うーん、だいたい間違ってないから言い返せない。こうしてみると堕落を極めてるな。くそう、これが庶民とブルジョワの格差か」

「お財布のせいにしないでください。私だってお金持ちなわけじゃありません。むしろケチです」

「君が自分の短所に気づいてたなんて」

「だからショッピングも基本は見て歩くだけです。本屋もめぼしいものを探す程度」

「ああ、なるほど。それならお金もかからないか」

「スイーツも店頭のサンプルを見つめる程度」

「ひもじいよ。周りが何事かと思うだろ」

「スポーツセンターも運動器具を見て歩く程度」

「何が楽しいんだそれ」

「汗を流すナイスミドルの筋肉を見て歩く程度」

「そういう趣味なの? ごめんね、僕筋肉とかあんまりなくて」

「運動しましょうよ。一週間に一度、一時間くらいやるだけで今よりは体力つくと思います。別にスポーツセンターに行く必要はないです」

「確かに。自宅でも近くの公園でもいいしね」

「ホテルでだってできます」

「その運動は違う」



 一人が腰を上げると、もう一人も立ち上がります。
 そうしてどちらからともなく手を繋ぎ、今日に背を向けて、去っていきました。
勝手にランキング参加中↑↑↓↓←→←→BA
小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=361022146&s
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ