挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

土手編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

37/1984

洗濯物

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「洗濯物がぜんぜん乾きません」

「寒くなってきたからね。洗濯機に乾燥機能とかついてないの?」

「そういうのを買っておけばよかったんですけど、あいにくです」

「コインランドリーとか近くにないの?」

「洗濯物わざわざ持っていくなんて面倒です」

「なんでも面倒くさがる君が何より面倒だよ」

「今の時期、休日はどこのコインランドリーもいっぱいじゃないですか。それに乾燥機は服の傷みが早まるのであまり使いたくないんです」

「除湿機の風を当てるとかは?」

「そんなものを買うお金はありません。これからは空気が乾燥する季節ですし。なのに服は乾燥しないとか詐欺ですよね」

「ドライヤーは?」

「洗濯物に向かってかけ続けるんですか? 疲れます」

「そこまで言うならいっそ濡れたまま着ればいいだろ」

「本気で言ってますか?」

「いや、さすがに冗談だ。何言っても否定されるからつい」

「濡れたまま着たらまた風邪ひいちゃいますよ。だから今日は一日ノーパンでした」

「何してんだ馬鹿。追加で買うなりなんなり対策しろよ。それこそドライヤーですぐ乾くだろ」

「縮んでティーバックになってしまいます」

「なるか馬鹿。それでも穿いてないよりマシだろ」

「縮んでティーバッグになってしまいます」

「どんだけ縮むんだ。しかも君のパンツは乾かすとお茶っ葉のつまった袋になるのか、って話を逸らすな。ホントに穿いてないの?」

「そんなにノーパンが気になるんですか?」

「気になるよ。僕の彼女が変態かそうでないかの分水嶺だぞ」

「そんなにノーパソが気になるんですか?」

「そうそう、最近動き悪くてねー。メモリ増設しても全く改善しないから、新しいやつ買っちゃおうかなーなんて……だから話を逸らすな」

「今のノリツッコミはちょっとテンポが悪かったです」

「ダメ出ししなくていいから。それより変な格好してて誰かに見られたらどうするんだ」

「大丈夫です。もしそうなっても『こ、これは彼に言われて仕方なく……』って」

「濡れ衣だ!」

「おお、洗濯物の話題に戻りましたね」

「戻ってない! 結局どっちなんだよ……」

「さあ、どちらでしょう? 実際に見てみなければわかりません。私の下半身は今、穿いている状態と穿いていない状態が重ね合わさっているのです。題してシュレーディンガーのーパン」

「シュレーディンガーに謝れ」



 一人が腰を上げると、もう一人も立ち上がります。
 そうしてどちらからともなく手を繋ぎ、今日に背を向けて、去っていきました。
勝手にランキング参加中↑↑↓↓←→←→BA
小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=361022146&s
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ