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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

土手編

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ハロウィン

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「今日はハロウィンということで、仮装してみました。ジャコランタンです」

「頭重くない?」

「発泡スチロール製なので大丈夫です。そんなことよりトリックオアトリート」

「いや、お菓子なんて持ってないよ。まさか仮装してくるなんて思わないしさ」

「ではイタズラさせてもらいましょう」

「初めからそれが狙いだったろ。何するの? 顔に落書きとか?」

「私がイタズラと言ったら性的なイタズラに決まってます」

「決めるな。そういうの以外にしなさい。既にネタとして出尽くしてる感じもするから」

「間をとって股間に落書きということで」

「最低な折衷案が生まれただけなんだけど」

「見えない場所なんですからいいでしょう別に」

「見せなきゃいけないだろ。せめて背中とかにしてよ」

「ダメです。ではあなたにも仮装してもらいましょう。ダースモールならマジックだけでなれますからね」

「さっきから理不尽すぎる」

「そもそもお菓子をくれなきゃイタズラするぞって時点で、理不尽ですよ」

「エイプリルフールと同じで、一日だけ許される系の行事なんだろうね」

「どうせならちゃんと双方が得できるウィンウィンの関係にするべきです。ハロウィンだけに」

「うまくないよ全然」

「例えば、お菓子をあげるのでイタズラさせてください、とか」

「なんか子供に声かける怪しいオッサンみたいだな」

「お金をあげるのでお菓子を下さいとか」

「世間ではそれを買い物という」

「おばけの仮装ではなくもっとサービス精神溢れる格好をしていけば」

「もはやハロウィン関係ない」

「魔女の仮装と言えば通ります」

「通ってたまるか。あ、目は気をつけて。インクとか入ったらヤバそう」

「ちゃんと両目瞑っててください。あと少しでダースモールです」

「あの顔で天下の往来を歩くのか。やだなぁ。だいたいなんで描けるんだよダースモール。全部計算ずくだとしたらちょっと怖んっ……」

「……っはい、イタズラ成功ですっ。キャー! とうとうキスしちゃいましたっ。われながら恥ずかしいのでカボチャ被って誤魔化しますねっ」

「……やっぱり、おばけなんかよりよっぽど怖い」



 一人が腰を上げると、もう一人も立ち上がります。
 そうしてどちらからともなく手を繋ぎ、今日に背を向けて、去っていきました。
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