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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

土手編

27/1813

あるある

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛ない会話を始めます。



「図書館とか本屋さんとかで本を読んでいるとき、無性にトイレに行きたくなったりはしませんか?」

「なんか分かるかもしれないけど、それがどうかした?」

「業界ではこれを『青木まりこ現象』と呼ぶそうです」

「どこの業界だよ。誰が名前つけたんだ」

「とある雑誌に青木まりこという人の体験談として載ったのが初出らしいです。こんなことでも後世に名が残せるなんて羨ましいですね」

「便意を催す現象に名前がついても嬉しくないだろ」

「私たちも何かあるあると頷けるような現象に名前をつけましょう。休みの日の前日って明日やることをたくさん考えたりしますけど、結局その十分の一もできませんよね」

「それは君がただだらしないだけだ」

「変態的な妄想をしているとき、周囲に心を読む能力の持ち主がいないか不安になります」

「ないよ。なんだそのアホみたいな危機意識」

「その人物に向かって『私の心を読むんじゃない!』と念じます」

「バカじゃないの」

「連載初期とキャラの性格が違ったり」

「行き当たりばったりで更新してるからそうなるんだよ」

「過去の会話を読み返して頭を抱えたり」

「前だけ向いて生きようね」

「一話なんてあんまりですよ。ゴロラーってなんですか」

「それは君が言い始めたんだろ確か。今度から発言には責任持とう」

「書こうと思ってた小説の資料を取り寄せた時点で満足してしまい、本文はまだ書いてないとか」

「君、小説なんて書いてるの?」

「ああ、いえ、これは誰かに聞いた話です。新しいアイデアが浮かんでしまい、今書いている小説に集中できなくなるとか」

「さっきから創作あるあるになってるぞ。あるあるかも微妙だし」

「電車やバスで異性が隣に座ってくるだけで、私のことが好きなのかと意識してしまいます」

「男子高校生か」

「未だに頭の中でJanuaryFebruaryと数えないと英語の月を答えられません」

「内容が微妙過ぎる。もっとポジティブなあるあるないの?」

「あるあるネタって自虐的なところがありますからね。では、あなたと一緒にいるとドキドキするこの現象に二人の名前をつけましょう」

「痛いカップルにしかならないからやめて」



 一人が腰を上げると、もう一人も立ち上がります。
 そうしてどちらからともなく手を繋ぎ、今日に背を向けて、去っていきました。
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