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彼と彼女の千文字会話 作者:江見村元素

人間編

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ナンパ

 土手に座り込み、沈む夕日と川のせせらぎを見つめながら。
 一日の終わりに、二人は他愛もない会話を始めます。



「君ってさ、普段ナンパされることある?」

「ナンパ? もちろんされますよ。されない女の子は少ないんじゃないでしょうか」

「ふーん」

「このあいだなんて近所を徘徊していたおじいちゃんに道を訊かれ、交番までデートさせられてしまいました」

「それはただの心温まるエピソードだ」

「ちょっと派手めな服装でショッピングに出かけようものなら、チャラチャラした男がハエのように寄ってきます」

「汚物か」

「ごちそうと言ってください! 職場の人間にもよく連絡先をきかれますよ。そんなときは0120から始まる番号を」

「なんでフリーダイヤルなんだ。その場で嘘だとバレるだろう」

「適当にボケることで後腐れなく拒否できるんです。私の電話番号をあなたのケータイに入れてほしくありません、なんてハッキリ言ったら逆恨みされてしまいます」

「その言い方は逆恨みじゃなく純粋に恨まれる」

「それでもしつこく聞いてくる場合は父の電話番号を教えます」

「どっちにもえらく迷惑だな! ホントに仕事上電話番号が必要だったらどうするんだ」

「仕事上の重要事項は口頭ではなく記述で伝えるべきです。そうせずあえて私に訊いてくるということは、つまり私に惚れている、という」

「論理を天高く飛翔させるな。それはナンパじゃなくてただの自意識過剰じゃないか」

「ナンパと言ってもその手口はいろいろですよ。あからさまに『お茶しない?』などと正面から言われる場合はわかりやすいですが、ちょっとしたきっかけから連絡先交換や食事に上手くつなげる場合や、それとわからない仕掛けを予め用意している場合などもあります」

「もう挨拶しただけでナンパだと思われそう」

「何をおっしゃっているんですか。あなたがこの土手で私とすれ違うたびに会釈していた、あれもナンパでしょう?」

「架空の実績作りやめろって! 最初に会釈してきたのは君のほうだったろ!」

「私はあなたの熱い視線から目を逸らしたくてうつむいただけですよ。私が会釈したと誤認してしまうくらい、期待してしまったんですね。女性経験の少ない男子によくあります」

「勝手な解釈で人を勘違い野郎呼ばわりするんじゃない」

「本人が意図していなくても、無意識にナンパしているということはあります」

「言いがかりにもほどがある。仮にそうだとして、職場の人間まで警戒するのは過敏じゃない? もし緊急事態のとき上司が君に電話をかけられなかったら、どうなると思う?」

「緊急事態に私が巻き込まれずに済みます」

「クビになれ」



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