辛せな子
あるところにおんなのこがいました。
そのおんなのこのなまえはアンナといいます。
アンナちゃんはおとうさんとふたりでくらしていました。
たべものはおなかいっぱいたべられませんでしたが、
アンナちゃんはいつもえがおですごしていました。
あるところにもおんなのこがいました。
そのおんなのこのなまえはメアリーといいます。
メアリーちゃんはおうさまのこどもでしたが、
びょうきのせいでそとでほかのこどもといっしょにあそべませんでした。
だからメアリーちゃんにはげんきがありませんでした。
おうさまはメアリーちゃんをげんきにしてあげたいので、
おはなしするのともだちをとおいむらからつれてくることにしました。
おうさまがむらをあるいていると、アンナちゃんにあいました。
「おうさまさん、なにをしているの?」
おうさまはげんきなアンナちゃんをみて、
このこならメアリーちゃんをげんきにさせられるだろうとおもいました。
「しろにきてわたしのこどものともだちになってくれないか?」
おうさまはいいましたがアンナちゃんは、
おとうさんをひとりにするのはいやです。
「なら、おとうさんのせいかつをらくにしてあげよう。」
アンナちゃんはおとうさんのせいかつがくるしいのをしっていたので、
しろにいくことにしました。
おとうさんはアンナちゃんがいなくなってすこしさびしかったですが、
じぶんでえらんだことなので、じゆうにさせてあげることにしました。
アンナちゃんとメアリーちゃんはすぐになかよくなりました。
メアリーちゃんはわらうようになりました。
アンナちゃんもあたらしいともだちができてごはんがおいしいので、
いままでよりもげんきになりました。
でも、おとうさんがいないのがすこしさびしかったです。
なんにちかたつとメアリーちゃんはおうさまにもへいたいさんにも、
わらってなにかをはなすようになりました。
アンナちゃんは、ますますおとうさんにあいたくなりました。
しかし、へいたいさんがしろからだしてくれないのです。
アンナちゃんはがまんすることにしました。
なんかげつかたつと、メアリーちゃんはびょうきがなおって
そとであそべるようになりました。
まいにちとてもたのしくあそびました。
しかし、アンナちゃんはどうしてもおとうさんにあいたくなりました。
なんどもしろのそとにでようとしたら、
おうさまにおこられてしまいました。
ねるときにおとうさんのことをおもいだすと、
つらくなってないてしまうようになりました。
なんねんかたつとアンナちゃんもメアリーちゃんも、
おおきくなりました。
がっこうにいくようになって、
そこでもふたりはいつもなかよくしていました。
アンナちゃんは、かなしいことはわすれてしまうようにしました。
そうすればいつでもわらっていられるからです。
それからなんねんかたって、メアリーちゃんはまたびょうきにかかって
そとであそべないようになりました。
でもいつもえがおのアンナちゃんにげんきをもらうのです。
「あなたのおかげでしあわせにいきられたわ。アンナ。」
つぎのひ、びょうきのせいでメアリーちゃんはしんでしまいました。
アンナちゃんははじめてメアリーちゃんのまえでなきました。
ねるまでずっと、なきつづけました。
つぎのひ、アンナちゃんはかなしいかおはしていませんでした。
「きみのおかげで、メアリーはしあわせなじんせいをまっとう
することができた。ありがとう。もうこのしろにいるぎむもないから
おとうさんにあいにいくといい。」
むずかしいことばをつかうので、
アンナちゃんはいっていることがよくわかりませんでしたが、
おうさまにつれられて、むらにかえりました。
アンナちゃんのおとうさんのいえがあったところには、
じゅうじかがたててありました。
アンナちゃんはなにをすればいいのかよくわからなくなったので、
崖から飛び降りました。