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第十三話:点在
 ああ、私のいとしいホットケーキ・・・!
 打ちのめされて良いよね?
 久しぶりのスイーツ。とろりと黄金色の蜂蜜が。
 おのれ、おのれ、オウランの奴・・・!!!
 ぺろりと、口の周りをひとなめすると、鷹揚に頷いてオウランがいった。
 「チヒロのほうが美味かった。」
 「あたしの、ホットケーキいいいいいっ!」
 「今のは、オウランが悪いぞ。姫の皿の中の物を食べるなどと、マナー違反だ。」
 「兄上に言われたくない。なんなのさ、さっきの、あ〜んって!」
 そこか。突っ込むとこはそこなのか。
 しかし王様は王様だった。
 「姫の誘いに乗らずして如何する、姫に恥をかかせることにもなろう?」
 いかにも王様な微笑みでした。
 
 オカワリクダサイ。

 給仕さんに涙目で訴えたら、給仕さんが真っ赤になりました・・・なぜ。
 「ああ、姫は同じものを所望だ。」
 「・・・わたしも、姫にあ〜んとして欲しいですね・・・。」
 こらそこ。リシャールさまが頬をほんのり染めて言うからシャラ様と睨み合いになってるよ。
 っていうか、
 「すいませんでした。マナー悪かったです。ちょっと、浮かれていたといいますか、その、いつも、父と母にされてたって言うか、していたっていうか。」
 「ほほえましいですね。」
 リシャールさまがにっこり笑って頷いてくれた。
 「私の、両親の口癖が、美味しいものはみんなで食べよう、なんです。そうしたらもっともっと、美味しく感じられるからって。よくこうして、小さく切ってあ〜んって・・・。」
 「いいご家族ですね。」
 「はい。」
 くすぐったいような感じがして、ちょっと笑うと、リシャールさまは、また優しく微笑んでくれた。その後は、美味しく食事ができました。

 
 さて、これからはお勉強の時間です。
 太陽と月の巫女についてちゃんと学んで、帰るための、糧にするのです。
 万が一帰れないとしても、声ぐらい届けられるようにしなきゃ!
 それから、女性の地位向上の為に、食の改善に励むのです。。。。食の改善がなぜ女性の地位向上に繋がるかって?
 
 美味しいものは、世界を救うのよ!

 辛いだけの刺激物を食べ続ければ、精神も病むわ。この世界の歴史をちょっと学んだけど、私の世界と同じくらい、戦が多いの。だから戦える男のひとが地位高いんだ。女性は、虐げられてる。女性の意見は通らないし、そもそも、意見してはいけないって教え込まれてる。
 で、炊事洗濯子供の世話まで、全部女性の仕事って考えなのね。我が子が男なら、そこから教育すれば考えの違う子も出るだろうに、それもしない。っていうか、考え付かないみたい。
 だから私は、まず、お城の女性達・・・侍女サンや、調理場で働く女性を懐柔することにしたの。
 美味しいご飯を作る奥さんの地位は少しづつ上るはずよ。美味しいおやつを作れるお母さんは子供に尊敬されるわ。
 なにより、両親が仲良ければ、子供は自然優しくなれるわ。
 「ハチミツが取れたから、次はチョコレートよねv」
 目星はついている。あの、見た目オレンジジュース、その実、しょっぱいチョコドリンクがあれば・・・!作れるかもしれない。夢にまで見た、チョコレート。

 それにしても・・・。
 「おそいなあ、カーシャさん。」
 今日は、何を教えてくれるのかな。カーシャはとても良い先生だ。
 歴史の本と、簡単な神話。・・・姫巫女のお話はどうも神がかりすぎて、実感がわかない。まあ、風と火と友達になったけど、その他の属性はさっぱりだもん。
 「水と、木と、土かあ。」
 自然、部屋の中にある観葉植物に目が行った。
 大きな植木鉢に植えられた、三本の幹がうねうねと絡みつくような、奇妙な形の木(・・・ここじゃ普通の形状なのかな。)を見た。緑の、小判型の葉が茂っている。とことこと近づいて、葉っぱに触れてみる。
 「木は、木よね。土は土。水は、流れる水流。」
 幹に触れ、そのまましゃがみこんで、土に触れてみた。
 「木は、土が無くちゃ育たない、土だけでもだめ。水に、光に、土が持ってる力がないと。木は育たない・・・。」
 しばらく考え込んでると、ノックの音がした。
 「あ、あいてます。」
 扉が開いた・・・。





 ・・・さわさわと、気持ちの良い風が吹いていた。
 ああ、木陰にいるんだ。
 まぶたの裏からでも、木漏れ日特有の揺らぎが感じられる。
 なんだか、ピクニック日和だ。こんな日は、お母さんがお弁当作って、出かけよーって笑うんだ。
 ・・・眠い。なんだか、とても眠い。
 



 ん。
 んん?
 なに、この、ざわざわする感じ。
 優しく頬をなでる熱。
 ひとの、手?だ。ああ、でも眠いの。放っておいて。
 
 身じろぐと、耳元で音が笑った。
 声。だれの?
 「!!」
 声は、唇でふさがれていた。あやす様な口付けがねっとりと激しいものになった。
 舌の付け根まで絡め取られて首を振っても外せない。
 酸欠で、遠くなる意識を嘲笑うように、強弱つけて胸を揉みこまれた。下から掬い上げるように両の胸を揺らされ、顔に朱が走る。外したくても外せない、口付けに息を取られて、胸を喘がせる。
「んんんっ!」
 ・・・いつのまに、脱がされたんだろう、時折肌が離れて、空気がなでるのに、肌があわ立つ。

 


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