プロローグ:作戦会議
「自分は反対です!」
と、クリスチアーノ大佐こと栗栖知亜乃は、テーブルを叩いて言った。
「落ち着きなさい、大佐?理由をいいたまえ」
と、栗栖平八郎准将は大佐を問いただした。
大佐はショートヘアの髪をかきあげて、「明日は自分は帰還が遅いので、作戦に参加できません。作戦を数日見送ることはできませんか?」
「なるほど…。数日か」
と言って、准将は腕を組むと、上官の指示を仰いだ。
「中将。どうされますか?」
部屋の明かりは消されているが、テーブルの上にある電気スタンドには明かりがついており、人々の顔を照らしていた。電気スタンドの明かりが届かない暗闇で、時計の音が規則的に時を刻んでいた。
栗栖麻紀中将は数秒の沈黙の後、「…軍曹は3日後、定期試験10日前になります。軍曹は、試験の10日前から試験対策を行うことは皆さんご存知のとおり。ですから、出撃は明後日にすれば問題ないでしょう」
「明後日ならば参加できます」
と、大佐が安堵の表情で言った。
准将は、大佐の言葉に頷いて、「では中将。作戦決行は明後日に決定でよろしいですな?」
中将は両肘をテーブルにつき、組んだ指の上に顎をのせて、「では明後日。我々は当モンブラン基地から『夜桜』に出撃。総員、全力で作戦を遂行せよ。以上」
「Yes、sir!」
准将と大佐は敬礼をして言った。
「…よし。じゃあ、電気つけていい?目悪くなっちゃうから」
と、麻紀は立ち上がりながら言った。
部屋の明かりがつけられて、『会議室』は『リビング』に姿を変えた。
「じゃあ、智奈とトーファも呼んでくるから」
と、知亜乃も立ち上がりながら、「お父さん、今度から智奈達も参加させたら?」
「しかしなぁ、下士官がいないほうが雰囲気が出るから」
そう言いながら、栗栖は電気スタンドを消して、「麻紀ちゃんもそう思うだろう?」
麻紀はテレビのリモコンを手にして、「参加してもいいんじゃない?平ちゃん。外食の場所くらい、みんなで決めましょうよ」
と、呆れ顔で言った。
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