Stage 6
約束の日の午後3:00、ヒナギクは指定の場所へやって来た。そこには既に、ヒナギクに瓜二つの少女が真剣を二本持って立っていた。
「1秒遅刻・・・」
瓜二つの少女はそう呟いた。
「貴方が鮫島 夏奈子さんね?私は桂 ヒナギク。果たし状、確かに受け取ったわ」
と、矢に結び付けられていた例の果たし状を出すヒナギク。
「それにしてもホントにそっくりね。まるで鏡の前に立っているみたいだわ。で?何で勝負するのかしら?」
夏奈子は真剣を一本、ヒナギクの前に投げた。
「勝負はその真剣で行うわ」
「し、真剣?巫山戯ないで頂戴。死んだらどうすんのよ?」
「そのつもりで渡したんだけど・・・・・・まさか、嫌とか言わないわよね?」
「嫌よ、真剣なんて」
ヒナギクはそう言って去ろうとしたが、
「尻尾巻いて逃げるんだ?」
(逃げる?)
ヒナギクは立ち止まり、振り返った。
「逃げる訳無いでしょ!」
ヒナギクは真剣を拾い、襲い掛かった。
キーン!──ヒナギクの真剣が弾き飛ばされた。
「あんた、真剣使った事無いの?」
「お生憎様、私は木刀しか扱った事が無いわ」
「じゃあ木刀で良いわ。私は真剣で行くけどね」
と、そこへハヤタが現れ、
「ヒナギク!」
と、妖刀・かまいたちを彼女の前に投げる。
「かまいたちじゃない!何で!?」
「良いからそれを使え!」
ヒナギクは言われるがままに、かまいたちを拾った。
「っ!?」
刹那、かまいたちが紫色の禍々しいオーラを発し、そのオーラがヒナギクをへと入った。
「フフフフ・・・」
ヒナギクは不気味に笑い、かまいたちを真剣に変化させた。
「私の名はカマイタチ。貴様の相手は私がしてやろう」
ヒナギクはそう言って、指をパチンッとスナップさせた。その瞬間、周囲に壁が出来、空が暗く成る。
「なっ、何よコレ!?」
「閉鎖空間だ。負ければ永遠にこの空間からは出られない」
「何だか解らないけど、要するに勝ちゃ良いって事よね?良いわ、掛かって来なさい!」
夏奈子はそう言って、真剣をヒナギクに向けた。
ヒナギクはニヤリと笑い、かまいたちを振るって真空波を繰り出した。
「その技は見飽きてるわ!」
と、真剣で跳ね返す夏奈子。
弾き返された真空波は目にも留まらぬスピードでヒナギクに迫る。
「何!?」
ヒナギクは慌ててかわすが、かわしきれずに左肩を負傷した。
「貴方、そんなんでハヤタを守れるの?」
シュンッ!──夏奈子はヒナギクの背後に高速移動した。
「言っておくけど、真剣で私に勝とうなんて100年早いわよ」
そう言って、ヒナギクの背中を思いっ切り斬り付ける夏奈子。ヒナギクの背中から真っ赤な血が噴き出す。
「うっ!」
ヒナギクは地面に膝を着き、腹這いに倒れる。それと同時に、空が明るく成り、周囲を囲んでいた壁が消えた。
「カマイタチ!?」
と、ハヤタが慌てて駆け寄って来た。
「誰の体だと思ってんだテメエ!」
「すまない・・・。私が不甲斐ないばかりに、ヒナギクを傷付けてしまって・・・」
ヒナギクがそう言うと、体からオーラが抜け、かまいたちへ戻って行った。
「約束だ。一緒に来て貰うぞ」
夏奈子はニッコリ笑顔で言った。
「あ・・・ああ・・・ああああ・・・」
ハヤタは全身が震えだし、悪寒が走る。
「あら、どうしたのかしら?」
と、ハヤタに近付く夏奈子。
「こ、来ないで・・・」
ハヤタは後退りした。
「何で逃げるのよ?」
「だ、だって、鮫島さん僕の事・・・」
夏奈子はハヤタの胸倉を掴み、
「私がハヤタに何したって言うのよ!?」
「さ、鮫島さん、落ち着いて下さい!」
「私は何時も冷静よ」
「じゃ、じゃあ、放してくれません?」
夏奈子はハヤタの顔にペッと唾を掛け、胸倉を放して腹を軽く蹴飛ばした。
ドカッ!──ハヤタは尻餅を着いた。
(ど、どうしよう・・・?体が・・・固まって・・・動け・・・ない・・・)
「さてハヤタ、これはどう言う事かな?」
「な、何の事ですか?」
「このヒナギクって娘よ。ハヤタ、この娘と交際してるんでしょ?ハッキリ言って、二股よ」
「えっ?」
目が点になるハヤタ。
「あんた、潮見の校庭にある桜の木の下で私に言ったでしょ?『夏奈子さん、僕は貴方が大好きです。付き合って下さい』って」
「否、あれはっ、鮫島さんが僕の事を踏んで縛って叩いて蹴って焦らして吊すから言ってしまっただけなんですよ」
夏奈子はハヤタの顔面を踏んで倒した。
「それって、私が言わせた、と解釈して良いのよね?」
「いえ、言わされたのでは無く、自分の意思で言いました!ホントです!」
夏奈子は足を退かした。
(うわ、どうしよう?思ってもいない事言ってしまった・・・)
「じゃあさ、この娘と今すぐ別れてくれる?じゃないと、許さないから」
刹那、ハヤタは白眼を剥き、髪と眉が金色に変色して逆立った。そして、身体中を金色のオーラが纏う。
「あ、成っちゃったか」
夏奈子はそう言って、溜め息を吐いた。
「はぁー・・・」
と、夏奈子は気を溜める。すると、瞳が緑色に成り、ピンク色の髪と茶色い眉が金色に変色して逆立ち、身体中を金色のオーラが纏った。
「この姿に成るのも久しぶりだ」
そう言って夏奈子は、目にも留まらぬ速度でハヤタにみぞおちを喰らわせた。
「うっ!」
ハヤタは呻き声を出し、元に戻って気絶した。
「お前はまだ、超サ○ヤ人に成りきれていない。お前のそれは理性を失っているだけに過ぎない」
夏奈子はそう言うと、ハヤタを担いで飛び去った。
|