Stage 22
マリア奪還から数時間が経過した頃、ハヤタは脱衣所で風呂に入る準備をしていた。
(ったく、ヒナギクの奴、何であんなに怒ってたんだ?)
ハヤタは先程、自室でヒナギクに嫌と言う程お説教されていた。理由は高い所に連れて行かれた、ただそれだけの事だった。
(しかしあれだ。ヒナギクが高所恐怖症だったとは)
ハヤタはクスッと笑いながら大浴場の扉を開けた。
「うわぁっ!」
と、上がろうとしていた愛沢 咲夜が驚いて飛び退いた。
「君は確か愛沢さんだったね」
「そ、そうや」
咲夜は顔を真っ赤に染め上げた。
「じ、自分、早う閉めへんか!?」
「へ?」
ハヤタは咲夜の顔からゆっくり下の方に目線を下ろした。
「自分、何ウチの裸見てんねん!?」
ハヤタはニヤ付いた。
「なっ、何や!?そないニヤニヤして」
キュピーン!──ハヤタは両目を輝かせ、咲夜を押し倒した。
「一寸何すんねん!?」
「その体、改めさせて貰おうか!」
ハヤタの手が、咲夜の胸に迫った。
「ハーヤーターくーん!」
と、後ろから殺気を放つヒナギクの声が聞こえた。
(マジ・・・?)
ハヤタは恐る恐る振り向く。その先には、眼を赤く輝かせて全身を炎で燃え上がらせ、正宗を手にしたヒナギクが立っていた。
「ひっ、ヒナギク!?」
「私だけじゃ、物足りないって訳!?」
「否、違うんだ!これには深い訳が!」
「言ってみなさい」
「本能だよ!男としての本能が働いちまったんだ!」
「ふうん・・・・・・そんな言い訳、通じると思ったら大間違いよ!」
ヒナギクは正宗でハヤタの頭を思いっ切り叩き付けた。
「痛、何すんだヒナギク!?」
「バカ!」
ハヤタは冷や汗を掻いた。
(い、嫌な予感・・・)
「バカバカバカッ、絶対許さない!死んじゃえ!」
ヒナギクはそう言って、大○闘のホームラ○バットの如く、正宗を振るった。
カキーン!──ハヤタは斜め上へ吹っ飛び、天井に当たって跳ね、湯船にザブンと水飛沫を上げて突っ込んだ。
「か、桂はん!?」
と、目玉を丸くして驚く咲夜。
「愛沢さん、邪魔だから退いて頂戴」
咲夜は浴室を跡にした。
直後、ハヤタがヒナギクの背後に出現する。
「何でそんなに怒ってんだ?」
「五月蝿い、黙れ」
そう言って振り向き様に正宗を振るうヒナギク。
「おっと・・・」
ハヤタは飛び退いた。
「何なんだよ?俺お前に何かしたか?」
「したわよ。愛沢さん襲ってた」
「だからっ、それは男の本能が働いたんだって!」
「それが許せないのよ!」
ヒナギクは正宗を振るって真空波を放った。
避けるハヤタ。
「落ち着けヒナギク!」
「五月蝿い!」
ヒナギクは飛び掛かった。
ハヤタは妖刀・かまいたち木刀モードを召喚して攻撃を弾いた。
(やべえ・・・今のマジでヤバかった!)
「あああああ!」
体勢を立て直したヒナギクが駆け出す。
「一寸待てし!」
カッ!──双方の木刀がぶつかり、音を立てた。
「それでガードしたつもり?」
あ?──ハヤタは疑問符を浮かべた。
ヒナギクはニヤリと笑い、正宗を起点に大車輪の如くハヤタを思いっ切り蹴り飛ばした。
「うわっ!」
ハヤタは吹っ飛び、浴室と脱衣所の境の扉を破壊。更にロッカーを破砕し、廊下に飛び出して壁に激突した。
「がはっ!」
吐血するハヤタ。
(ヒナギクの奴、グリーヴァと同化してから強く為りやがってる・・・。本気で行かねえと、マジでやべえかも)
と、その時、ヒナギクが脱衣所から飛び出して来て鳩尾を突いた。
「がはっ!」
再び吐血。
「アンタの実力、そんなもんだったっけ?」
「こっ・・・これからだ・・・!」
ハヤタはそう言って、かまいたちを真剣に変化させた。
「全てを切り裂け、かまいたち!」
刹那、鎌鼬現象が発生し、ヒナギクの全身から血液が四方八方に噴き出した。
「嫌ああああ!」
ヒナギクは悲鳴を上げ、気絶した。
「お前が俺に勝とうなんて・・・100年早えんだよ・・・」
そう言い残し、ハヤタも気絶した。引き分けである。
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