Stage 15
三千院家地下牢。ハヤテとマリアは、鉄格子の檻の中にいた。
「大変な事に為ってしまいましたね、マリアさん」
と、鉄格子を調べながら言うハヤテ。
「本当ですね・・・。所で、先刻から気に為っているのですが、何をなさっているのですか?」
「ああ、この鉄格子開かないかなぁって思って調べてるんです」
「そんな簡単に開いたら牢の意味が無いかと・・・」
「ですね・・・」
と、苦笑するハヤテ。
その頃、ナギのお部屋では、ハヤタとナギが愉快にお話しをしていた。どうやら、ハヤタがマリアを出すとか出さないとか。
「俺が出すと言ったら出す!」
「否、ダメだダメだ!絶対ダメだ!そんな事したら許さんぞ!」
否、愉快でも無さそうだ・・・。
「と言うかお前は何故マリアを出したがるんだ!?まさかお前、マリアが好きなのか!?お前にはヒナギクがいると言うのに!」
刹那、ハヤタの顔を黒い影が覆う。
「どうしたらそう解釈出来るんだ・・・?」
「そんなの簡単だ。お前が執拗に出したがっているからだ」
「だから何でそれで好きだって事に為るんだ?それ以外に理由があるんじゃないのか、とか考えないのかよ?」
「考えるのは面倒だ。兎に角、マリアを出すなど絶対ダメだからな!奴には暫く反省して貰わんと」
「もう良い!頼んだ俺がバカだった!」
ハヤタはそう言って、ナギの部屋を出て行った。
「ん?」
ナギは扉の前に一枚の紙が落ちている事に気付いた。どうやら、ハヤタが出て行く際に落としたらしい。ナギはその紙を拾い、書いてある事を読んだ。
(そう言う事か。ハヤタがマリアを執拗に出したがっていたのはそう言う事だったのか。成る程な。しかし、何故ハヤタの奴がこんな物を?)
ガタン!──と、扉が勢い良く開き、ハヤタが顔を見せた。ナギは慌てて紙を後ろに隠す。
「ナギ、此処に紙落ちて無かったか?」
「か、紙?何の事だ?私は知らんぞ」
「そうか。悪い、邪魔したな」
そう言って去って行くハヤタ。
ナギはもう一度、後ろに隠した紙を見る。それは、ハヤタの戸籍謄本だった。そこには、ハヤタの両親であろうと思われる者の名前と、マリアの名前、本人の名前が記載されていた。
(こ、これは皆には黙っておいた方が良いかもな)
そう思ったナギは、そっと懐にしまった。
一方、ハヤタは、二人が閉じ込められている檻の前で、何やらガチャガチャと鍵を弄っていた。
「マリアさん、今出すから」
ガチャン!──鍵が開き、鉄格子の扉が開く。
「開いたよ、マリアさん」
と、檻から出る様促すハヤタ。
「有り難う御座います、ハヤタくん。でもこんな事して宜しいんですか?」
「問題ない」
「それじゃあ」
と、立ち上がって檻を出るマリア。それに続いてハヤテも出ようとするが、既の所でハヤタに扉を閉められ、施錠されてしまった。
「あの、僕は・・・?」
「ハヤテは駄目だ。俺が出せるのはマリアさんだけ」
「あの、何故私だけなんでしょうか?」
「何と無く」
「何と無くで人を脱獄させても宜しいのでしょうか?」
「あ?良いの良いの。気にしないで」
ハヤタはそう言って、マリアを連れて行った。
「朝月くん・・・僕も出してよ?」
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