Stage 14
とある喫茶店に、ハヤテとマリアはいた。
「マリアさん、あの156,804,000円、僕の為に持って来てくれたんですよね?」
「はい、そうです」
「そうですって、これからどうするんですか!?マリアさん、あのクソ女から多額のお金を盗んだんですよ!?」
「ナギの物は私の物です」
「そんなジャイ○ンみたいな事通用しないですよ!兎に角、このままじゃ絶対やばいですって!僕みたいに首にされるかもしれないですよ!?」
ハヤテがそう言った時、三千院家の屋敷内でナギがくしゃみをした。
(風邪か?)
と、頭を傾げるナギ。
「別に首に為っても構わないです。所でハヤテくん、これからどうします?もう追っ手も来てるみたいですけど・・・」
そう言ってマリアが窓越しに外を見ると、三千院家のSP達が懸命に二人を捜索している姿が在った。
「SPの方々ですか。此処もそろそろ危ういって訳ですね。兎に角逃げましょう」
ハヤテはそう言って、逃げる準備をした。
「いたぞ!彼処だ!」
と、外にいるSPの一人が中の二人を指差して言った。
「あらま、見付かってしまいましたね。それじゃあ逃げましょうか?ハヤテくん」
マリアはハヤテに微笑んだ。ドキッとするハヤテ。
(マリアさんが、僕と一緒に逃げる・・・?)
一緒に逃げる→駆け落ち、と妄想に浸るハヤテ。
「じゃあ裏口から出ます!一緒に来て下さい!」
ハヤテはそう言ってマリアの手を取り、喫茶店のマスターに断りを入れて裏口から脱出した。
「乗って下さい!僕がマリアさんを負ぶって逃げます!」
(わ、私がハヤテくんの背中に?どうしましょう?)
マリアは頬を赤くした。
「早く乗って下さい!」
「はっ、はい!」
マリアはハヤテの背中に乗った。
「それじゃあ行きますよ!」
ハヤテはマリアを支えて走り出した。
「あら?ハヤテくん、襟に何か付いてますわよ?」
マリアはハヤテの襟に付いている変なシールっぽいのを剥がした。それは、超が付く小型の発信機だった。
「見て下さいハヤテくん。発信機ですわ。一体誰がこんな物を・・・?」
「あのスピードで仕掛けられるとしたら、朝月くんしかいませんよ。恐らく、その発信機で僕達の居場所が解ったんじゃないでしょうか?ってな訳で、それは捨てちゃって下さい!」
そう言われ、マリアはシールっぽい発信機を投げ捨てた。
「いたぞ!」
ハヤテはSPに見つかった。
「追え!」
と、後ろから次々に追い掛けて来るSP。
「一寸、幾ら難でも人数多すぎですよ!」
その数約50人。
「これじゃあ振り切れませんって!」
「仕方ありませんね・・・。止まって下さい」
「えっ、何で?」
「止まりなさい!」
「はい!」
ハヤテは慌てて止まった。
「ついで降ろして頂けると有り難いのですが?」
ハヤテはマリアを降ろした。
「ハヤテくん、これから起こる事は絶対に見ないで下さいね?」
マリアはそう念を押すと、SPの方を向いて殺気を放ちながら歩いて行った。
(マリアさん・・・?)
と、約束を破ってマリアを見るハヤテ。
「あなた達、追跡をやめないと痛い目を見ますわよ?」
マリアはそう言って、SP達に微笑んだ。
「ですが、ハヤタ様のご命令ですので、引く訳には行きません」
「あら、私の言う事が聞けないと仰るのですか」
マリアはそう言って刑意拳を使い、50人余りのSP達を次々に倒して行く。
(凄いよマリアさん・・・。見るなって、この事だったのか)
全てが終わると、マリアは手をパンパンと叩いた。するとそこへ、
「やはりSPでは駄目だったか」
と、ハヤタがやって来た。
「マリアさん、少し眠って貰いますよ」
そう言って、ハヤタはマリアの鳩尾を狙った。
「うっ!」
と、呻き声を上げて気絶し、腹這いに倒れるマリア。
(うわー、どうしよう!?マリアさんが殺られた!)
「ハヤテ、金を返して貰おうか」
「嫌だなあ、朝月くん。僕お金なんか持って無いよ?」
「俺、マリアさんがお前に渡す所見たんだが、受け取っていない、と?」
ハヤタはそう言って、妖刀・かまいたち真剣Ver.を召喚した。
「ね、練馬駅のコインロッカーの中だよ!明日、借金取りに渡すつもりで・・・!」
「鍵をよこせ」
と、手を差し出すハヤタ。だが、ハヤテは後退るだけで鍵を出す様子は無い。
「ごめん、朝月くん!」
ハヤテは向きを変えて逃げ出した。
(折角のチャンスなんだ!こんな所で捕まってたまるか!)
「此処は通さないわよ!」
刹那、正宗を装備したヒナギクがハヤテの前に降りて来た。
ハヤテは慌てて止まり、後ろを見た。その先にはハヤタが仁王立ちしている。
「ヒナギクさん、退いて下さい!」
「嫌よ。退いて欲しければ鍵を渡す事ね」
(こうなったら仕方ありませんね・・・)
「ごめんなさい、ヒナギクさん!」
ハヤテはヒナギクに正拳突きを放った。が、彼女の体は鉄の様に硬く、ハヤテは拳を痛めた。
「いっっっってえー!」
と、赤く腫れた拳を押さえるハヤテ。
「まさかお前、牧村さんが作ったロボットか!?」
「な訳無いでしょ!私は正真正銘の桂 ヒナギクよ!」
「嘘だ!人間が鉄の様に硬い訳が無い!」
ヒナギクは頭に疑問符を浮かべた。
「ハヤテ、お前から見りゃ硬いかも知れんが、それは竜神を体内に宿しているからだ」
「竜神、って?」
「そんな事はどうでも良いから鍵をよこせ」
「よこしなさい、ハヤテくん」
ヒナギクとハヤタはハヤテに詰め寄った。
「嫌ですよ。絶対渡さないですよ」
「殴れ」
ハヤタの一言で、ヒナギクはハヤテの鳩尾を攻撃した。
「うっ!」
呻き声を上げて気を失うハヤテ。
「さて、鍵は何処にあるのかな」
ハヤタはハヤテの服を調べ、鍵を見付けて取り出した。
「ヒナギク、練馬駅へ行ってくれ」
そう言ってヒナギクに鍵を渡すハヤタ。
「解った」
と、ヒナギクは鍵を受け取って練馬駅へ向かった。
残されたハヤタは、ハヤテとマリアを連れてお屋敷に帰るのであった。
こうして、マリアに因って盗まれた156,804,000円は無事ナギの手元に戻り、マリアはナギに因ってこっぴどくお説教され、ハヤテと共に最近屋敷の地下に作られた牢屋に閉じ込められた。
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