ドラスティックガールズ
ループします。よろしくお願いします。
「ねぇミランダ」
「なぁにアメリア」
「私の顔にこんな大きなほくろあったかしら?」
「あら!突然生えてきたんじゃない?素敵よ!」
「……じゃあこっちにある赤いお花は何?」
「ほくろが植えたんだよ」
「どうやってほくろが植えるの?」
「最近のほくろは花を植えたりするのよ」
「あんたの鼻の隣のほくろは時代遅れなのね」
「誰が時代遅れですって?」
「あんたのことよ。っていうか右手に持ってるサインペン私のでしょ」
「サインペンは確かにそうね。テーブルに置いてあったから
使ったのよ。謝るわ、でも私に言った時代遅れ
は取り消してちょうだい」
「事実でしょうが。大体何よその変な色のガウチョパンツ。
今時そんなの着るのはあんた以外にエマくらいよ」
「そばかすエマと一緒にしないでくれる!?それは私に対する
最大級の冒涜よ!このデカボクロ!」
「落書きしたのアンタでしょ!」
「違うわよ!このデカボクロ!」
「「ぐぬぬ……!」」
ピンポーン
「一旦休戦ね」
「ええ。見てくるわ」
「はい」
「やぁミラーー」
「おまたせ」
「誰だったの?えらく早いわね」
「怪しいセールスよ。ピーナッツバター二千年分ですって」
「それはまた規模が大きいわね。エミリーなら食べきれるかしら」
ピンポーン
「今日は来客が多いわね」
「普段来ないのにどうしてかしら?」
「はい」
「やぁミラーー」
「……何よ。その手ひしゃげるわよ」
「こ、この前のことは謝るよ。頼むから閉めないでくれ。
手がトマトになるのはもうゴメンだ」
「用件はそれだけ?本当に潰すわよ」
「ま、まだある。プレゼントだ」
「ワオ!素敵ね!」
「……死ぬかと思ったよ」
「あら、アーロンじゃないの」
「やぁアメリア。今日は凄いサプライズがあるよ」
「遺産かしら?」
「君に相続する権限はないよ。ヒントはフワフワしたものだ」
「はーい!わかった!フワフワした遺産!」
「君にも相続するつもりはないよ。白いんだ」
「綿あめね」
「うーん惜しいなぁ」
「あんまり焦らすとひしゃげるわよ?」
「君は何でいちいち発言が物騒なんだ」
「答えは何なの?」
「じゃん」
…………………………………………………………………
「うーん」
「どこよここ?アメリア、シリアル入れてちょうだい」
「気付いたかい二人とも?」
「なによここ……真っ黒じゃない」
「ていうか私たち浮いてない?」
「わ! ホントだ! 浮いてる繋がりで聞きたいんだけど
さっきから浮いてるあれは何?」
「火星人だよ。アイツは近づいたら液化されるから気をつけるんだよ」
「「えぇっ!?」」
「……そういえばあの青いのはもしかして地球……?」
「そうだよ。僕たちは宇宙に来ているんだ」
「ねぇアメリア凄い! 宇宙よ!宇宙にもウォ〇マートはあるのかしら!」
「宇宙にはないでしょ……」
「でもあの浮いてる店ってそうじゃない?」
「うわっ! ホントだ!世界……宇宙は広いのね」
「君たちに一つ忠告がある」
「何?」
「絶対に頬をつねったり、頭をぶつけたりしないように」
「どうしてなの?」
「いくらなんでも鈍すぎないかい? 夢だからだよ」
「そうなんだぁ」
「もうちょっと驚いてくれても良いんだけどな……
このユメスペースを作ったのはアドルフなんだけど、あいつ
が見ると悲しむぞ」
「だってあいつ嫌いだし。ベスとつるんでるし」
「あたしも嫌いかな。感じ悪いよね暗いし」
「……とにかく過度な痛覚を感じなければ良いんだ。
好きなとこに行けば良いさ。まぁ遠すぎるけどね」
「はーい! あ、これで、この前のことをチャラにできると思ったら
大間違いよ?」
「……これで十分じゃないか」
「何か言った?」
「い、いや……」
「ねぇあの火星人にサインしてもらわない?これ売ったら
高く売れるかもしれないわよ! あ、サインペンないや」
「持って帰れないでしょ……第一あの目線見なさいよ。
私たちを親の仇みたいに見てるじゃない。 ミランダって直情すぎよ」
「……うーん宇宙って意外と暇だねぇ」
「まぁ移動手段とかないから限られるよね。 うわ、あの火星人
スマートフォンいじりだしたよ」
「もうあそこ行こうかー? 何か地球のとは
別のもの売ってるかもしれないし」
「そうね。 結局やることは地球と変わらないんだね」
「仕方ないよ」
「け、結構遠いね……」
「以外動くの大変……」
「えーっと、どうやって入れば良いんだろう?」
「自動ドアじゃないの? 手で開けるところないし」
「でもどこを踏めば良いのかわかんないよ。
押せるところもないし」
「うーん指紋認証とかなのかなぁ」
「あーこのでこぼこね。 私も思ったんだけど、火星人の
あの触手を入れるんじゃない?」
「……そもそも人間が入るって前提がおかしいんだろうな」
「うーん……結局この赤いボタンかなぁ」
「うむ。 気になってたけどやっぱりそこのボタンか」
「ドアのちょうど真ん中にあるからやっぱりこれだよね……」
「一緒に押そうか?」
「うん」
「行くよ?」
「待って! 靴紐が」
「靴なんて履いてないでしょ……」
「「せーの」」
((えっ……このドアって前に飛び出てくるの!?))
((よけきれな……へぶっ