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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 作者:香月 美夜

第五部 女神の化身

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ソランジュの救出

 供給の間で瀕死状態だったフェルディナンドのようにソランジュが倒れているのを想像しただけで、呼吸が荒くなり全身が震えてくる。

「い、急いで図書館へ行かなくては……」

 わたしが自分の護衛騎士達を振り返ると、一緒にフェルディナンドの言葉を聞いていた護衛騎士達はコクリと頷いた。突然のことにも狼狽えず、すぐさま対処してくれる側近達の姿がとても心強い。そう思ってわたしはコルネリウス兄様に向かって足を踏み出した。

「待ちなさい。誰をここに残し、誰を連れて行くのか、誰を先行させるのか、決めなければならぬことはいくつもある」

 フェルディナンドに腕をつかんで引き留められて、わたしはフェルディナンドを睨みながら振り返った。

「そのように悠長なことを言っている場合ではありません、フェルディナンド様。わたくし、今すぐに図書館へ行ってソランジュ先生の……」
「悠長なことを言っている時間がないことは私にもわかっている。だが、闇雲に突っ込む前に情報の共有と捕らえた捕虜をどうするのか考えておかねばならぬ。この離宮の鍵は誰が持っている? 我々が図書館へ向かっている間にジェルヴァージオ達が戻ってくる可能性もないわけではない」

 祠を回っているかもしれないし、図書館にいるかもしれないし、王宮で同士討ちに参加して王族を始末しようと思っているかもしれない。ジェルヴァージオがどこで何をしているのかは全て想像でしかない、とフェルディナンドは言う。

 捕虜からあちらの狙いや動きに関する情報が得られれば、前もって対応できることがあるかもしれない。ここの見張りに残した者が少なすぎれば、こちらがやられて捕虜が解放される可能性もある。押収した道具を取り返されて武装された場合、こちらは圧倒的に不利になるだろう。フェルディナンドはそう言って、色々な可能性を上げていく。

「今回楽に勝てたのは、隠蔽の神 フェアベルッケンの守りを過信して無防備に寝ている深夜に、ダンケルフェルガーを含めて圧倒的に人数で勝った状態で奇襲したからだ。きちんと武装した状態で対峙すればどうなるかわからぬ。今はダンケルフェルガーも王宮に行っていて当てにできないことを考慮しなさい」

 わたしがアウブ・アーレンスバッハとして寮へ入るために必要なブローチの作成ができていないため、捕虜や道具を安全な場所に移動させることもできないらしい。

「入館するにも、地下書庫へ向かう扉を開けるにも、司書であるソランジュ先生は必要だ。だからこそ、連絡がつかないのであって殺されたわけではないのであろう。少しでいい。指示を終えるまで待ちなさい」
「でも、待っていて手遅れになったらどうするのですか!? ほんの少しの時間差で取り返しのつかない事態になることは多々あります。ソランジュ先生の危険に可能な限り早く対処したいと思うのは当然ではありませんか。わたくしだけでも行かせてくださいませ」

 腕をつかんだまま放してくれないフェルディナンドに必死で訴える。冷静な顔で全ての采配が終わるまで待っているなんて、とてもできない。フェルディナンドは「その勢いで君はアーレンスバッハへ突進したのか」とわたしの護衛騎士達に同情めいた視線を向ける。

「どうしても待てないならば、君に名を捧げていない騎士を向かわせ、様子見をさせなさい。君だけは敵の有無が確認できるまで決して図書館へ近付いてはならぬ」
「何故ですか!?」

 行かなければならないと強く思っているのはわたしなのに、どうしてわたしだけは近付いてはならないのか。わたしが食ってかかると、フェルディナンドは静かにわたしを見ながら「興奮しすぎだ。落ち着きなさい」と頬をつねる。

「君だけが近付いてはならない理由は一つ。図書館の魔術具が主である君の接近を感じ取るからだ。君の魔力の影響を受ける名捧げ済みの者はどうなるのかよくわからぬが、避けておいた方が無難だと思われる」

 シュバルツ達が「ひめさま、きた」と出迎え準備をすることで、図書館に敵がいれば相手に接近を気付かれて、待ち伏せをされたり、ソランジュを人質に取られたりする可能性が高いと言われて、わたしは目を瞬いた。

「ソランジュ先生を人質に取られたら、こちらが身動きできなくなる。救いたいと願っている君がソランジュ先生を窮地に陥れることになりかねない。騎士達を遣わして内側を探るのが先だ。地下書庫へ入れるのは上級貴族以上で、更に奥へ入れるのは王族と領主候補生のみ。君が行かなければならない時は必ず来るので、少し待ちなさい」

 理路整然と諭されると、わたしは受け入れるしかなかった。

「ローゼマイン様、マティアスとラウレンツは名捧げをしているので、私とアンゲリカが何人かの騎士を連れて図書館の様子を見てこようと思います」
「お願いします、コルネリウス」

 アルステーデを連れ出していたマティアスとラウレンツが戻ってくると、入れ替わるようにコルネリウス兄様がアンゲリカと一緒に出ていった。レオノーレではなくアンゲリカを連れて行くのは、素早さとシュティンルークの存在を考慮したためだそうだ。

 わたしが二人を見送っている間もフェルディナンドは次々と指示を出して動き回っていた。魔力登録のできる扉に魔力を登録し、ハイスヒッツェ達にランツェナーヴェの道具を入れていくように命じる。

「一目で何かわからぬ道具が多い。何度も即死の毒を食らっては堪らぬし、初見の道具や武器は危険だ。銀の武器や防具も全て封じておけ」
「この備えを見ると、寝込みを圧倒的多数で襲って正解でしたね。ランツェナーヴェの者達が活動している時間であれば、道具を使って反撃されてダンケルフェルガーには決して少なくはない被害が出たでしょう」

 ハイスヒッツェが道具の山を隠し部屋に放り込みながらそう言った。銀の武器や防具がたくさん運び込まれていることからも敵の本気が伝わってくる。

「フェルディナンド様、わたくしに何かできることはございませんか? じっとしているのが辛いのですけれど……」
「王族と傍系王族の違いについて調べてくれないか? 傍系王族に戻ったジェルヴァージオに何ができて、何ができないのか把握しておきたいと思っている。私の知らないことも君のグルトリスハイトには載っているであろう」

 さらっと課題を与えられたわたしは、グルトリスハイトを出して傍系王族について調べていく。傍系王族に登録された時点で、司書による登録がなくても図書館の出入りは可能になること、けれど、王族ではないので地下書庫の更に奥へはわたしと同じように行けないことがわかった。

「ならば、ジェルヴァージオがすでにグルトリスハイトを手に入れているということはなさそうだな」

 少し肩の力を抜いたフェルディナンドがユストクスとハルトムートに聴取の状況を問うオルドナンツが飛び、捕虜の見張りと図書館へ向かう者に分けられていく。



 コルネリウス兄様からオルドナンツが飛んできた。わたしではなく、フェルディナンドに宛てて白い鳥が図書館の様子を語る。

「この時間ですから、図書館は完全に施錠されて誰も立ち入れないようになっています。潜入の跡がないかと考えて建物の外を回ったところ、潜入の跡はありませんでしたが、執務室の窓にうっすらと明かりが見えました」

 そろそろ一の鐘が鳴るくらいの時間だ。いくら起きるのが早い人でも、側仕えがまだ起きていない時間に自室ならまだしも執務室にいるというのは考えにくい。

「窓を破って潜入することも可能ですが、敵の人数が把握できないことを考えると援軍なしには危険の方が大きいと思われます。」
「今から援軍と共に向かう。潜入跡がないならば其方等は潜入してはならぬ。図書館の魔術具に問答無用で排除されるぞ。図書館の魔術具の主であるローゼマインの到着を待て」

 シュバルツ達がどのように作られているのか研究しまくったフェルディナンドが不正な手段で潜入した者の末路についてオルドナンツに吹き込み始める。聞きたくないよ、と泣きたい気持ちで耳を塞いでいると、オルドナンツを飛ばし終えたフェルディナンドがわたしに手を差し伸べた。

「行くぞ、ローゼマイン」
「はい」

 暗闇の中を約六十騎の騎獣が駆けていく。ハルトムートとユストクスは捕虜の見張り側に残されたが、それ以外の側近達は一緒に図書館へ向かっている。

「ハルトムートが残念がっていましたよ。図書館はローゼマインの奇跡が詰まっている場所だから、と」

 クラリッサがそう言って指折りわたしがした祝福について挙げていく。初めての図書館に興奮して祝福を行い、シュバルツ達の主になった時の様子を神様表現たっぷりに述べられて、わたしは必死にクラリッサを止めた。忘れたことにしておきたい昔の所業をアーレンスバッハの騎士達にまで知られたくはない。アーレンスバッハを図書館都市にする以上、わたしは皆に尊敬される司書になりたいのだ。



「ひめさま、きた」
「ひめさま、ひさしぶり」

 フェルディナンドが言った通り、わたしは難なく図書館の扉を開けることができた。中に入ればシュバルツ達が出迎えてくれる。

「シュバルツ、ヴァイス。ソランジュ先生はどこにいるのかしら?」

 わたしが尋ねると、シュバルツ達はひょこひょこと執務室へ向かって動き始めた。

「ソランジュ、しつむしつ」
「ソランジュ、うごけない」

 わたしが思わず駆け出そうとした瞬間、フェルディナンドがわたしを止めた。

「君は後だ。ハイスヒッツェ!」
「はっ!」

 癒しの得意な騎士を連れたハイスヒッツェが警戒しながら執務室へ入っていく。一人の騎士が「罠等はありませんが、ソランジュ先生が倒れています」と声を出した。その瞬間、今までわたしを止めていたとは思えないような速さでフェルディナンドが歩き始めた。足が長い上に大股なので、わたしには咄嗟について行けない。

「あっ……」
「すまぬ」

 バランスを崩しかけたのを支えてもらい、無様に転ばずに済んだことに胸を撫で下ろしていると、フェルディナンドは溜息混じりに「後から来なさい」とわたしに言い置いて、スタスタと歩いて執務室へ入っていく。一人で先に行くなんてひどい。

「待ってくださいませ、フェルディナンド様」

 今のわたしにできるだけ速く歩いて追いかけようとしたら、レオノーレが軽く手を挙げてわたしを止めた。

「優雅にゆっくりと歩いて向かいましょう、ローゼマイン様」
「え?」
「これまでの気遣いを見ていればわかりますが、フェルディナンド様は恐らくローゼマイン様が到着する前にソランジュ先生の状態を確認して、必要ならば癒しを与えるおつもりだと思われます。殿方の配慮はありがたく受け取っておきましょう」

 レオノーレが藍色の瞳を優しく細めてそう言いながら、わたしに手本を示すようにゆっくりとした優雅な足取りで歩き始める。わたしがレオノーレと執務室の入り口を見比べていると、フェルディナンドがルングシュメールの癒しをかける声が聞こえ、緑の光が見えた。

「……レオノーレの言う通りでしたね」



「ソランジュ先生、大丈夫ですか?」

 騎士達に助け起こされるようにしてゆっくりと体を起こしているソランジュに声をかけると、ソランジュはわたしを見て少し首を傾げた。

「ローゼマインです、ソランジュ先生」
「まぁ、ローゼマイン様? ずいぶんと大きく成長されたのですね。一目ではわかりませんでした。喜ばしいこと」

 ニコニコと微笑むその顔には疲労の色が濃い。早く休ませてあげたいけれど、何が起こったのかは確認しておかなければならない。

「ソランジュ先生、一体何があったのですか?」
「……ラオブルート様がジェルヴァージオ様という方を連れてこちらへいらっしゃいました。皆様は御存じないと思われますが、傍系王族の方でグルトリスハイトを得ようとしていらっしゃいました。昔も今も変わっていらっしゃいません」
「ソランジュ先生はジェルヴァージオをご存じなのですか? 彼は離宮で教育を受けていて、貴族院へは行っていなかったはずです」

 フェルディナンドの厳しい視線と言葉に、昔を懐かしむように目を細めていたソランジュが驚いたように目を瞬いた。

「わたくしこそフェルディナンド様がご存じだとは思いませんでした。ずっと昔に遠くへ行ってしまった方ですから。わたくしが貴族院の図書館に配属されたばかりの頃によく出入りされていて……。領主会議を終えて上級司書達がいなくなる春の終わりから秋の終わりまでの間、図書館を訪れていらっしゃいました」
「昔話は結構です。それで今ジェルヴァージオはどこに?」

 フェルディナンドの言葉と騎士達の緊迫した雰囲気をゆっくりと見回して、ソランジュは首を横に振った。

「お役に立てず申し訳ございませんが、わたくしは存じません。……昨日の夕方のことです。オルタンシアが来たとシュバルツ達が言ったので、わたくしは出迎えに向かいました」

 けれど、やって来たのはオルタンシアではなく、ジェルヴァージオとラオブルート、それから、中央騎士団の者達だったそうだ。

「オルタンシアは看護の甲斐なくはるか高みに上がっていったそうです。ラオブルート様は図書館の自室を引き払うために足を運んだとおっしゃいました」

 ラオブルートはオルタンシアの魔石を持って、図書館の奥にあるオルタンシアの部屋を開けに行った。その間、ソランジュは久し振りに機会があって、故郷の地へ戻ることができたジェルヴァージオと昔話をしていたそうだ。

「オルタンシアの部屋へ行っていたラオブルート様はすぐに戻ってきました。そして、わたくしにオルタンシアと同じ姿になりたくなければ地下書庫へ向かう鍵を出すように、といいました。脅されたわたくしは上級司書が染める鍵や地下書庫へ向かう扉を開ける鍵を差し出したのです」

 昔の馴染みにひどいことはしたくない、とジェルヴァージオが言って、外と連絡が取れないようにシュタープが使えないように手枷をはめられ、縛って転がされていたそうだ。彼等は騎士団の者達に鍵を染めさせて、地下書庫へジェルヴァージオと共に向かったらしい。

「ジェルヴァージオ様がグルトリスハイトを手にしたら、わたくしの縛めを解きにくるとおっしゃいましたが、執務室へはいらっしゃらずにラオブルート様が図書館を施錠して出ていきました。あの足音から考えると、おそらく入手はできなかったのでしょうね」

 ソランジュは悲しそうに「昔馴染みと言いながら、ずいぶんとひどい扱いでしたよ」と自分を縛っていた紐や手枷を見つめた。

「では、ジェルヴァージオはどうしたのかしら?」

 地下書庫でグルトリスハイトを得られなかったのならば、今はどこにいるのだろうか。わたしはちょっとした疑問を口にしただけだった。けれど、それに答えが返ってきた。

「ジェルヴァージオ、ひめさまといっしょ」
「ジェルヴァージオ、じじさまのところへいった」

 顔を強張らせたフェルディナンドがザッと音を立てて踵を返し、執務室を大股で出ていく。側近と半数の騎士達がフェルディナンドに続く。

「ローゼマイン様、ジェルヴァージオ様は……」

 貴女の昔馴染みは外国の勢力としてユルゲンシュミットに攻めてきました。グルトリスハイトを手に入れてツェントになる事を狙っているようです。ラオブルートがトラオクヴァール王を裏切っています。図書館の司書である貴女が鍵を渡したことを責められるかもしれません。
 不安そうに尋ねるソランジュにどこまで本当のことを言っても良いのかわからない。

「ソランジュ先生はもうお休みくださいませ。お疲れでしょう? 図書館を脅かす者がないように、シュバルツ達に守ってもらいますから」

 わたしはレオノーレにソランジュを自室へ連れて行ってもらえるようにお願いする。ソランジュを支えるようにして送っていったレオノーレが顔をしかめて戻ってきた。

「どうしたのですか、レオノーレ?」
「ソランジュ先生の部屋が魔術具で封じられていました。側仕えが出てこられないように。……部屋から出られず、主は戻ってこず、側仕えもかなり怖い時間を過ごしていたようです」

 ……ラオブルートめっ!

「シュバルツ達を戦闘状態にしておきます」

 わたしは目を閉じるとレオノーレに頼んで、わたしの手をシュバルツ達の魔石へ誘導してもらった。シュバルツとヴァイスに魔力を補充し、衣装のボタンにも魔力を流して戦闘モードにしておく。二度とラオブルートを入れるつもりはない。

「シュバルツ、ヴァイス。図書館の司書であるソランジュ先生を守ってください。協力者として登録されておらず、図書館の鍵を持つ者が入ってきたら必ず鍵を取り返して追い出してくださいね」
「ソランジュ、まもる」
「かぎ、とりかえす」



 わたしはシュバルツ達にお願いすると、閲覧室へ行ってフェルディナンドのいる二階を見上げた。すぐにフェルディナンドが駆け下りてくる。その表情と足の速さから懸念が当たっていたようだ。ジェルヴァージオはすでに始まりの庭にいるらしい。

「ローゼマイン、君は騎士達と離宮へ戻れ」

 指示を出しながら階段を下りてくるフェルディナンドを見上げながら、わたしは首を横に振った。

「嫌です。一緒に行きましょう」
「危険だ。離宮で待っていなさい」

 わたしの前を通り過ぎてフェルディナンドは閲覧室を出ていこうとする。その背中が一瞬アーレンスバッハへ向かうフェルディナンドの姿と重なった。喉がひくっとなって、思わず手が伸びる。

「待ってください! わたくしを置いて行ったら、フェルディナンド様の秘密を皆に暴露しますからね!」
「この緊急時に何を言っているのだ、君は!?」

 顔を引きつらせたフェルディナンドが振り返る。

「待っていられるわけがありませんし、魔力は多い方が良いでしょう?」
「魔力? 何を言っている?」
「え? フェルディナンド様が昔やったこととではありませんか。大魔力をぶつけて最速で突っ込むのですよね?」

 エアヴェルミーンからお行儀が悪くて不敬だとめちゃくちゃ叱られるかもしれないけれど、最速で始まりの庭へ行くにはそれが一番だと思う。空中の魔法陣に大魔力を叩きつけて起動させて突っ込むのだ。

「何という過激なことを考えているのだ……」
「えぇ!? すでにやっちゃったフェルディナンド様だけには言われたくないですよ」

 頭を抱えていたフェルディナンドが諦めたように溜息を吐くと、大股で近付いてきて、わたしを肩に担ぎ上げた。そのまま大股で歩き始める。呆気に取られていた護衛騎士達が慌てた様子でついて来た。

「言っておくが、私は何とか魔法陣を起動させようと思っただけで、あの場に突っ込むつもりはなかった。結果がわかっていて突っ込む君と一緒にするな」
「訪問される側から見れば一緒だと思いますけれど?」

 正規ルートではないところから突っ込んできた者の思惑などエアヴェルミーンには関係ないと思う。不慮の事故でも故意でも叱られるものは叱られるはずだ。

「……それもそうだな」

 クッと笑ってフェルディナンドが図書館を出る。騎獣を出して、わたしを乗せた。

「最速で行くぞ、ローゼマイン」
「はいっ!」
図書館へ行きました。
ソランジュ先生が大変な目に遭っていました。オルタンシアも。
ジェルヴァージオを追いかけます。

次の更新は12/12頃です。
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