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僕は姉を生き埋めにします

作者:Karl
夏休みに入って二日目

世間は海外旅行や映画、海などで騒いでいる季節に僕はホームセンターに来ていた。


「お客様何かお探しで?」
ホームセンターの店員さんが話しかけてきた。

その店員さんは夏なのに長袖で汗臭かった。


クールビズが許されていない会社なのだろうか


ま、そんな事はどうだってよい


「五メートルは掘れるスコップってありますか」

僕は汗臭かった店員にそう聞いた


「五メートルですか、、、何をなさるんですか?」

店員は僕に聞いてきた



「姉を生き埋めにするんです」
僕は笑顔でそう言った


「なぜお姉さんを生き埋めに?」

店員のくせに、刑事みたいな事を聞いてきた



「ないならもういいです」
僕は、このホームセンターは使えないと思ったのでこの店を出ることにした

次の店にやって来た


やはり、夏休みなので人は少ない。


「お客様何かお探しですか」

今度の店員は半袖の爽やかな店員だった。



「スコップを探しているのですが」

僕がそう言うと


「家庭菜園用ですか?」

店員は笑顔でそう聞いてきた


「いえ、姉を生き埋めにする用です」

僕が店員の目を見てそう言うと


「冗談にしては面白くないですよ」


店員が先程までの態度とは違い
声のトーンを下げて言ってきた


冗談じゃないのに、、、


僕はそう言いたかったが言うのはやめておく

店員は僕にスコップ売り場に案内してくれた


「ここがスコップ売り場です」


店員はそう言うと元の場所に戻って行った

「ありがとうございます」
僕はそう言ってから
スコップを選び始めた


その時店員が僕のもとに戻ってきて助言をしてくれた



「本当にお姉さんを埋めるならスコップよりシャベルがいいですよ」


店員は小声でそう言うと
違う場合に消えていった


ここのホームセンターは良い店員さんがいるな。


僕はそう確信した


そしてピンクのシャベルを買って家に帰った

僕の家は、姉と僕の二人暮らしだ。


父親と母親は国指定の難病で亡くなった。



姉は運が悪いことに
その難病をプレゼントされた


「ただいま」
僕がそう言ってドアを開けると


「今日は、遅かったね」


げっそりと痩せた姉がベッドから話しかけてきた

「夜ご飯作ろうか」
姉は、必死にベッドから起き上がろうとしていた


「姉さん見てたら食欲失せたし、いいや」

僕は姉と目を合わせなかった


姉は起き上がるのも難しくなったのか、、、


僕は姉の余命が残り少ないと実感した。


なぜ実感できたのかというと


僕と姉は両親の看病を死ぬ直前までしていたからだ

最初の頃は二人とも元気で歩けていたが

病気が悪化していくと
立てなくなった。


そして寝たきりになった


その時の両親の親の顔に姉が似てきた


目はどこを向いているのか分からなくなってきた



「姉さん最近あの悪夢は見なくなった?」


僕は姉に聞いた



「それがね、あの時より近づいて来てるの」

姉は小声で言った

「やっぱり親と同じだね」
僕は何気なくそう言った



「あんなに苦しんで死ぬのかな」

姉は目に涙を浮かべながら言った



僕は姉の顔を見ると何も言えなくなった



少し沈黙が続いた


「ねぇ、今日は何してたの?」

姉が気まずくなった雰囲気を無くすために聞いてきた

「シャベルを買ってきた」
僕はそれだけを言って部屋に戻ろうとした


「何か埋めるの?」
姉は咳き込みながら聞いてきた


「ヒマワリかな」

僕は嘘をついてしまった


店員には本当の事を言えたのに

僕は自分の性格を恨んだ

「じゃあ種買っておこうか?」
姉は笑顔で言ってくれた


「いいよ自分で買うから。それより薬は?」
僕がヒマワリの話を途中で終わらせて聞いた

「薬は切れた」

姉は申し訳なさそうに言った


「じゃあ明日病院行こうか」
僕はそう言って部屋に戻った

翌朝

姉の部屋に行くと血で部屋が汚れていた


「また吐いたの?」
僕が心配して聞くと


「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」


姉は顔をかきむしりながら叫んでいた



「もう末期だな」

僕は心の中で穴を掘り始める覚悟を決めた




姉は顔を血だらけにした後
意識が戻った


「痛っ、、、」
姉は血だらけの手を見て泣き出した


「死にたくないよぉ」

姉は泣き続けた


今日は病院には行けない。
そう思った

姉が発病してから丁度3ヶ月が経った


「そろそろ足は切断した方がいいかもしれません」

医師がそう言った

「でも手術費が、、、」
僕は下を見ながら言った


「それは大丈夫ですよ。国指定の難病なので医療費は出ますよ」
医師は笑顔で言ってくれた


「ありがとうございます」
僕は医師に感謝をして
待合室に戻った


「私の病状どうだって?」
姉は疲れた顔で言った


姉は、今回の検査で3本の注射と点滴をした

五時間の検査が終わった今、疲れているのは当然だろう

「足を切断する」
僕は勇気を出してそう言った


「え?」

姉はそれ以上の言葉が出てこなかったみたいだ。


「嫌だ、なんで足なんか。なんで私の足なのよぉ」
姉は待合室で叫びだした


その叫び声を聞いた医師や看護師が精神安定剤を持って姉を押さえつけた

「あれ、いつの間に家に帰って来たの?」
姉が意識が戻った所は自宅のベッドだった。


「痛っ」
姉が頭をかかえていた時


庭から穴を掘る音がした


「ヒマワリの種埋めてるの?」
姉は頭痛を抑えながら聞いた



「いや、姉さんを埋めるための穴だよ」

僕は勇気を出して言った

「今なんて?」
姉は驚きを隠せない様子だった



「姉さんも分かってんだろ?先が短いってこと」

僕がそう聞くと


姉は黙った


「そんなに長生きしたいのか?そんなに苦しんでまで生きたいのか」
僕は、自分でも酷いことを言っていると分かっていたが我慢が出来なかった



「もういいよ」
姉は放心状態だった

僕がシャベルで穴を掘っている間、家は騒がしかった

多分姉が暴れているんだろう




四時間が経った



なんとか掘り続け三メートル掘ることに成功した



汗と泥で汚れた体を洗うために
家に戻った


家は静かだった


僕は不安に思い


姉の部屋に向かった


姉は首を切って自殺していた


僕は、あんなに死にたくないと叫んでいた姉が最後は自分自身の手で死んだのだ。



「お疲れ様」
僕は一言姉に言って

姉を穴に投げ捨てた



僕が姉を眺めていると電話がなった

僕は急いで電話に出た


「お姉さんはいらっしゃいますか?」

医師の八木が電話をかけてきた



「今、寝ていますけど」

僕がそう言うと


「じゃあ起きたら電話を下さい」


「分かりました。起きたら電話をさせますね」

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