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五月の雪は斯くて渡る 作者:饗庭璃奈子

第四章 アーチェリー事件

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「桐島、」
 明くる朝、忍と晴と連れ立って教室に入ると、既に教室にいた茅崎が待ち構えていたかのように声をかけてきた。茅崎はいつも楽しげな団欒の中心にいるような少年だったから、苺火が教室の敷居を跨ぐなり気がついて声をかけてくるなんて、珍しいことだった。
「茅崎君。おはよう」
 入学してからというもの、さんざ気を揉んできた星野との関係がようやく落着し、花魚子とも改めて知り合うことができた。その日の空と同じように晴れやかな気持ちで朝を迎えた苺火は、彼にしては珍しく、上機嫌だった。駆け寄ってきた茅崎は、一点の翳りも曇りもない笑顔で苺火に挨拶されると、途端に罰の悪そうな表情になり、
「──はよ、」
 と歯切れの悪い返事をした。あれっ、と苺火は思った。いつも明るくおどけた、茅崎らしくない。不思議に思っていると、
「あっ、あのさ。大丈夫か? その……体調とか」
 などと言う。
 言われてようやく、苺火は思い出した。自分でもうまく説明のつかない、しかも人にはあまり見られたくないところを、昨日茅崎には見られてしまったのだ。
「うん。もう何ともないよ」
 それは本当のことで、昨日の悪心がうそのように、今朝の苺火は気分がいいのだった。星野と二人で分かち合って、肩の重荷が少しだけ、軽くなったからかもしれない。もっともまだ、何一つとして解決の兆しが見えたわけではなかったけれど。星野と協力関係を結びはしたものの、誤解を解くという名目の下、そのまま花魚子の部屋に直行してしまったため、小鳥の少女のことも結局まだ話し合うことはできていない。
 ──単に馬鹿兄に、可愛い妹自慢をされただけのような気もするが。
「そっか」
 茅崎の方も、言葉通りもうどこも悪そうには見えない苺火に救われたような顔をして、ほっと安堵の色を浮かべた。
「あのさ、桐島。昨日はごめんな。俺、変なこと言っちゃって。あの後もずっと気になってたんだ。俺、何か桐島の気に障るようなこと言っちゃったかなって。俺、ホントにお前も一緒にドッヂやんねえかなって思っただけだったんだけど、確かにあんまり気持ちのいい誘い方じゃなかったよな。俺、鈍感だから、なかなかそういうところに気ィ回んなくて。ホント、ごめんな」
 いるだけで自然と周りを巻き込んでしまうような、底抜けの明るさが取り柄のような茅崎だったから、そうしてしおらしくしているところを見るのは新鮮だった。よほど昨日の苺火の様子が気にかかっていたのだろう。実際のところ、苺火は昨日の茅崎の発言などもうほとんど忘れかけていたほどだったので、
「ううん、茅崎君のせいじゃないよ。昨日は本当に体調が悪くてさ。僕の方こそ、びっくりさせちゃってごめんね」
 とのんびり茅崎のフォローに回ったくらいだった。
「なんだ? 茅崎、お前、桐島に何か言ったのか?」
 苺火としてはこれですっかり茅崎との一件は片付いた気でいたのだが、そう簡単に見逃してくれなさそうなのは、意外なことに忍だった。先程から苺火と茅崎の会話を黙って聴いていた忍は、唐突に二人のあいだに割り込んできたかと思うと、じろりと茅崎を睨み下ろした。いかんせん背丈があるので、そうして凄むと迫力がある。見かけの迫力だけならば星野にも勝るのではないかと、口には出さずに苺火はこっそりと思った。
「べ、別に犬童には関係ないだろ!」
 茅崎はびくりとして、既にその場のやり取りに飽きて黒板の隅っこにへんてこな落書きをしはじめている晴をとっ捕まえると──茅崎の一番手近にいたのが、たまたま晴だったのだ──背後に隠れようと試みた。無論、小柄な晴の後ろに平均以上の背丈はある茅崎が身を隠すことなどできるはずもなく、
「……とっと! 俺を盾にするなよなッ、茅崎!」
 ぞんざいに扱われて、晴は場の空気も読まずに手足をばたつかせ、文句を垂れはじめた。
 険悪な雰囲気の二人とそのあいだに挟まれた晴、という図に、苺火は頭を抱えたくなった。最悪の構図だ。過去に何かあったのか、それとも苺火と星野のように単に性格上反りが合わないだけなのか、どうも忍と茅崎はいわゆる〝犬猿の仲〟であるらしかった。もっとも苺火にとっては、忍も茅崎もよきクラスメイトであることに変わりなかったので、二人とも、何の理由もなしに人を嫌うようなタイプには見えないのにな──などとぼんやり考えているあいだにも、忍と茅崎は互いに火花を散らし、無言の攻防は続いている。その緊張もそろそろ限界突破、第三者の介入が必要かと思われはじめたまさにその刹那、
「桐島君!」
 いつかの星野との口論の時と同じように、いつだって彗星のように彼女は現れる。苺火を呼ぶ真っ直ぐな声に、忍も、茅崎も、ついでに晴まで気を取られ、張り詰めていた場の空気がふっと緩むのがわかった。謀ったかのようなタイミングに、苺火は心の底から感謝した。今日はよく呼びかけられる日だな、と思いながら、苺火はまさしく救世主が現れたとばかりに、彼女の方を勢い込んで振り向いた。
「古賀さ──明日葉ちゃん!」
 双子の一人、古賀明日葉だった。双子を見分ける目印となる前髪の分け目に髪留め、それに同じクラスと来れば、それはもう古賀明日葉に他ならなかった。何より、彼女の左太腿にはあの恐ろしい鈍器を隠したホルダーがない。そして、声をかけてきたのが彼女であるということは、実際、謀られた可能性が大いにあるということだった。何しろ彼女は見かけ通りの女子中学生であると同時に、未来の警察官として幼い頃から特殊な訓練を受けてきているというのである。彼女の人並みはずれた身体能力や地獄耳は、既に苺火も身をもって思い知らされていた。
「一時間目、現代文だよ。プリント、取りにいかないと」
「あっ、そうだった」
 そして偶然にも、苺火と明日葉は同じ現代文係であるのだった。読書が好きな苺火は、本当は図書係に立候補したかったのだが、図書係はとりわけ女子人気が高く、次々と挙がる女の子たちの手を見て、苺火は止むなく挙げかけていた手をしおしおと下ろしたのだった。代わりに名乗りを挙げたのが、現代文係だったというわけだ。苺火の他に現代文係に立候補したのは、明日葉だけだった。一つの係に就けるのは二人だけと決まっていたから、苺火と明日葉が手を挙げた時点で、現代文係は即決だった。
「ちょっと行ってくるね」
 どさくさに紛れて、茅崎は既にそそくさと、他の団欒の中に逃げ込んでいる。忍はまだ何か物言いたげな顔をしていたが、苺火が無言で牽制した。当の本人がこの様子ではこれ以上口を出すわけにもいかず、忍はしぶしぶ引き下がった。
「行ってらっしゃーい」
 晴だけが呑気に手を振って、教室をあとにする苺火と明日葉を見送った。
「ありがとう、明日葉ちゃん。助かったよ」
 廊下に出て、教室の引き戸を閉めると、苺火は明日葉にお礼を言った。明日葉があのタイミングで声をかけてきたのは、忍と茅崎の応酬に途方に暮れる苺火を見兼ねてのことだったに違いないと思ったからだ。
「あら、何のことかしら?」
 明日葉は、すまし返ってくるりと苺火に背を向けると、さっさと先を歩きはじめてしまった。
 昨日、苺火と星野をあたふたさせておっとりと笑っていた花魚子といい、颯爽と現れるヒーローのような明日葉といい、つくづく女の子には適わないな、と苺火は内心舌を巻いた。未来の警察官であるだとか、ないだとか、そんなこととは無関係に、女の子という生き物はいつだってふわふわとして、捉え所のない生き物なのだ。そんなことは常日頃から蜜蜂を見ていればわかりきっていたことのはずなのに、月舘に来てからというもの、苺火は以前にも増して、女の子に振り回されてばかりのような気がするのだった。
 そんなふうに、女の子についてのいろいろなことを考えていたものだから、制服のスカートのプリーツを花開かせて、明日葉の伸びやかな足が軽やかなステップを踏んだ一瞬、その横顔に僅かに閃いた違和感のことも、すぐに忘れてしまった。
 転入してから日は浅く、現代文の授業はまだ二回目で、明日葉と二人きりになるのはこれがはじめてのことだった。助けられたり、校内鬼ごっこを繰り広げたり、星野を介して関わる機会は幾度かあったものの、いざ二人きりになるとどうにも何を話せばいいのかわからず、苺火は沈黙の穴埋めをするための話題を必死に探さなければならなかった。
 明日葉はというと、特に狼狽えた様子もなく、平然と沈黙を貫き通している。溌剌とした印象の強い彼女だが、案外同じ年頃の他の女の子と比べると、冷めたところのある性格なのかもしれなかった。何しろあの星野と、幼馴染をやれているくらいなのだ。普通の女の子ではきっと、あんな気性の激しい奴の幼馴染など務まらないだろう。もっとも彼女の生い立ちからして、既に普通の女子中学生とは些かかけ離れているのかもしれなかったけれど。あるいは何事にも動じない毅然とした態度こそ、幼い頃から未来の警察官となるべく特殊な訓練を受けてきた彼女の、貫禄といえるものなのかもしれない。
「古賀さん──明日葉ちゃんは、確かアーチェリーをやってるって言ってたよね。どうして現代文係に立候補したの? 走るのも速かったし、運動、得意そうに見えるけど」
 それはドッペルゲンガーの一件があったあの日から、苺火が密かに疑問に思い続けていたことだった。明日葉は快活な少女で、勉強も苦手なわけではなさそうだけれど、どちらかといえば体を動かすことの方が好きそうに見えたし、読書をしているところも一度だって見かけたことはなかった。それに、これはあとから忍と晴に聞かされたことだったが、二年一組の現代文の担当である若林(わかばやし)という女性教師は生活指導の教師としても厳しいことで有名で、現代文係の不人気の理由もそのせいであると思われるとのことだった。
 むろん、転入してきた当初の苺火はそんな事情があるとは露とも知らぬまま現代文係に挙手してしまったわけだけれど、係の仕事といえば授業の前にプリントを取りにいくくらいのものだったので、別段今の係に不満を抱いてはいなかった。
「うん、そうだね。あたしは現代文なんて、ぜーんぜん得意じゃない。読書もたまにしかしないし、ついでに言っちゃうと若林先生もちょっと苦手。だって彼女、ちょっと怖いんだもの。それに、あたしには勉強よりも体を動かすことの方が、性に合ってるしね」
 苺火の指摘を素直に認めて、明日葉は笑った。
「じゃあ、どうして?」
 当たり障りのない話題を選んだつもりが、思いのほか、明日葉は真面目に考え込んでしまったようだった。
「うーん、なんていうんだろう。強いて言うなら、女の勘、ってやつかな」
「やっぱりあるの、女の勘って」
 苺火は思わず真顔になって尋ねた。
「うん、あるよ」
 秘密の共有者の顔をして、明日葉は頷いた。
「そっか。あるのかあ」
 心の底から感嘆して洩れた言葉は、酷く間延びして響いた。女の子という生き物の捉え所のなさの一端は、女の勘とやらにあるのかもしれないと、苺火は思った。
 会話はすぐに途切れてしまい、二人は互いに押し黙り、それでも何となく、付かず離れずの距離を保って歩いていた。苺火はというと、男子には到底理解不能、摩訶不思議な女の勘というものについて、ひと通り考え耽り、それが済むと今度は、現代文係に立候補することが女の勘であるとは果たしてどういうことなのか、悶々としていた。
「ねえ、桐島君」
 沈黙を破ったのは明日葉だった。何やら彼女が背筋を伸ばしてやけに改まっているのを、苺火は感じた。
「うん?」
「桐島君さ、お姉ちゃんがいるでしょう」
 言い当てられて、苺火はどきりとした。
「──それも、女の勘?」
 まじまじと、隣を歩く明日葉の横顔を見つめる。明日葉は、横目でちらりと苺火を一瞥し、いかにも意味深長に囁いた。
「これは、昨日花魚子から聞いた」
「なあんだ」
 緊張が俄かにほどけて、苺火は思わず笑った。明日葉も神妙な面持ちを取り繕いきれなくなったようで、堪えきれずに噴き出した。
 明日葉がようやく、砕けた笑顔を見せてくれたので、苺火は密かに安堵していた。二人きりになってからというもの、明日葉がずっと口数少なだったので、自分が何か彼女を怒らせるようなことをしてしまったのではないかと、ちょっと心配になってきていたところだったのだ。
「昨日、夜ね、桜子と一緒に花魚子の部屋に遊びにいったんだ。桐島君、夜鷹と仲良くなったんだって?」
 急に饒舌になって、明日葉はそんなことを喋り出した。
「別に、仲良くなったわけじゃないよ。ただ、前よりはましになったってだけ」
 苺火は苦笑した。そんなことを吹聴した花魚子に対するものでもあり、本当に〝ましになった〟だけでしかない自分たちに対するものでもあった。あんなふうに突っ撥ねた兄貴に、曲がりなりにもまともに会話を交わすことの相手が、幼馴染みや家族の他にもできたことが、花魚子にはよほど嬉しかったのだろうか。
「そっか。よかった」
 明日葉は、ぽつんとそう言った。どこかさみしくて、切ない匂いのする〝よかった〟だった。
 小学生の頃、級友たちと遊んでいつもよりも遅くなった帰り道、友達とのちょっとのあいだの別れの寂しさと、家路へと()く思い、晩ご飯の支度をしている民家から漂ってくる美味しそうな匂いに、なおのこと家が恋しくなって歩を速める。何故か鼻の奥がツンとする──そんな遠い日の記憶が思い起こされてくるかのような。
 警察官となるべく幼い頃から訓練に励んできた双子と、何か事情を抱え込んで昏い目をした星野、そして病弱で長いこと学校に行けていなかったという花魚子。彼らにも、そんな記憶はあるのだろうか。四人の幼少時代を、苺火はうまく想像することができなかった。
「花魚子ちゃんとも、仲いいんだね」
 彼女から感じてしまった〝さみしい〟を吹き飛ばすように、明るい声で苺火は言った。
「うん。あたしたちにとっても、花魚子は妹みたいなものだから」
「星野とは?」
「あいつとは、腐れ縁」
「ねえ、明日葉ちゃん」
「なあに」
「明日葉ちゃんが現代文係に立候補したのは、どうして?」
 それは、一見すればさっきと変わりない質問だった。しかし、明日葉がもう〝女の勘〟とは答えないことを、苺火はわかっていた。
「桐島君が立候補したから」
 明日葉は後ろ手に手を組み、心なしか俯いていた。その答えにも、苺火は別段驚きはしなかった。彼女が饒舌になりはじめた辺りから、何となく察しはついていたことだった。そして、その理由に星野の存在が深く関わっていることも。
 星野にとって双子が唯一素顔を見せられる相手であるように、双子にとってもまた、星野夜鷹と星野花魚子は特別な存在なのだ。
「僕と星野があんなことになるって、明日葉ちゃんは知ってたの」
「知ってたとも言えるし、そうでないとも言える」
「明日葉ちゃんには、未来が見えるの」
〝──僕は未来のきみなんだ〟
 ふと蘇ってくる、二階堂鶫美の謎めいた言葉。もしも明日葉には未来が見えるのだとしたら、二階堂鶫美のあの言葉の真意も、明日葉であればわかるのだろうか?
「見えないよ、未来なんて」
 明日葉は可笑しそうに、そしてやっぱりどこかさみしそうに笑った。
「じゃあ、どうして──」
「夜鷹に言われたんでしょう、桐島君は特例だって。それは、本当。私立月舘学園は本来であれば中途転入が認められていない。夜鷹はね、うそなんかつけるほど器用な奴じゃないのよ。それは幼馴染であるあたしたちが保証するわ」
 あたしたち、というのが誰のことを差すのか、言うまでもなかった。双子は本当に、ふたつでひとつの、美しい連なりを成しているのだ。
「本来なら許されないはずのことがどうして桐島君には許されたのか、それはあたしたちの知るところではない。でも、少なくとも夜鷹が何らかの形で桐島君に接触を試みようとするであろうことは、桐島君が特例であるって時点で目に見えてたの。そういう意味で、あたしたちは未来を〝知っていた〟。あいつには目的があって、あたしたちはその目的が何かも知っているからね。桐島君はこう言っちゃ何だけど、月舘の〝闖入者〟だから──でもね、桐島君。あたしたちがあなたに興味を抱いた理由は、それだけじゃないのよ」
「それは、何」
「ごめんね、今は言えないわ」
「──わかった」
 意外なほど、苺火があっさりと引き下がったので、明日葉は拍子抜けしたように目をぱちくりさせた。それから、ちょっぴり可笑しそうに笑った。
「物わかりがいいのね。夜鷹とは大違い」
「諦めが早いだけだよ」
 苺火は苦笑した。自分のそういうところを、苺火は美徳とは思っていなかった。何故ならそれは諦めがいいというよりも、必要以上に他人に近づくことへの恐れの表れでもあったから。
 そう、本当に自分は、物わかりなんかちっともよくない。
 物わかりがいい、ふりをしているだけだ。
 いつだって。誰にだって。
 ──本当に(・・・)
 果たして明日葉は、苺火の上の空に気づいていただろうか。難しい話はこれで終わり、とばかりに、うんと大きく伸びをした。
「そうね。そうかもしれない。でも、夜鷹が合言葉を教えた相手だもの。あたしたちだって、できることなら桐島君を信じたいわ。それも、本当のことなのよ」
「合言葉?」
「そう、合言葉。大事にしてね。大切なものだから」
 そう言うと、明日葉は悪戯っぽく苺火の方へ伸び上がり、そっと耳元へ言葉を落とした。
「〝ユニコーンの心臓〟」
 胸の底にずしんと、鉛玉を投下されたような気がした。

 何となく浮ついた気分のまま、昼休み前最後の授業を迎えようとしていた。
 授業中も気がつけば、斜め前方に見える古賀明日葉の後ろ頭に自然と目が行ってしまい、我に返っては慌てて目を逸らす、というようなことを、苺火はこの日、幾度となく繰り返していた。ぼんやりと明日葉に見蕩れているのを他の誰かに見つかって、妙な勘違いをされても事だ。幸か不幸か、現代文係の仕事が終わってしまうと、もう教室で明日葉と目が合うことは一度もなかった。
 昼休み前の最後の授業は体育だった。運動が苦手な苺火にとって、体育の授業がある日というのは、それだけでもちょっと憂鬱なものだ。今日の時間割に体育の授業があることを思い出すと、朝のすがしい気分もみるみるうちに萎れていった。
「三組のまっつんに聞いたんだけどさー、どうも体育は暫くアーチェリーやるらしいぜ」
 あちこちの部活やクラスを飛び回っているおかげで顔の広い晴は、人一倍情報も早い。〝三組のまっつん〟というのが誰なのか、苺火にはちっともわからなかったけれど、いつも気がつけば教室から姿を消してどこかへ行ってしまう晴のおかげで、そうした情報は自然と真っ先に耳に入ってきた。星野と協力関係を結んで月舘の内情を探る上で、晴と親しくなれたことはそうした意味でも有益なことであったかもしれないと、苺火は密かに考えていた。彼の人脈や情報網が役立つ日が、いずれやってくるかもしれない。
「へえ、アーチェリーか。俺もやるのははじめてだ。楽しみだな」
 見かけ通りにスポーツ少年の忍は、やはり野球以外も、運動全般得意なようだった。
「え? 弓道じゃなくて、アーチェリーなの?」
 苺火は目を丸くした。弓道ならまだしも、授業でアーチェリーをやる中学校なんて、他に聞いたことがなかったからだ。もっとも、苺火には弓道とアーチェリーの違いも、実をいえばよくはわかっていなかった。
「ああ、月舘の体育の授業はな、その年の教師の気分で何をやるか決まるんだ。去年の秋なんか、近所の畑で芋掘りをやらされたんだぜ。小学校の遠足かっつうの」
 当時のことを思い出したのか、忍はそう言って、懐かしそうに笑った。なんだかんだで芋掘りは、結構楽しかった思い出らしい。
「い、芋掘り……?」
 それはもう、体育の授業と呼べるのだろうか、と苺火は驚き、呆れ返った。話に聞く〝自由奔放な校風〟〝強烈な教師陣〟というのは、やはりだてではないようだ。
「今年の宮地(みやじ)先生はアーチェリー部の顧問だしねー。今までにもアーチェリーをやらせたことはあったみたいだし、まあ、何となく予想はついたよね」
 棒つきキャンディーを頬張りながら、晴が言う。食堂横の購買で売っている紙包みの棒つきキャンディーは、晴のお気に入りだ。もっとも晴の場合、最後まで舐めきる前に歯を立てて噛み砕いてしまうので、授業と授業の合間の短い休憩時間でも、容易に一個を消費することができる。しかしそのあと、舐め終わったあとの棒をいつまでも口に咥えているので、授業中に飴を舐めていると勘違いされてはしょっちゅう教師に怒られている、という有り様だった。
「アーチェリーなんてほとんどみんな初心者だし、何とかなるさ。な、桐島」
 見るからにげんなりと肩を落とす苺火に、見兼ねた忍が励ましの言葉をかけてくれた。それもそのはずで、アーチェリーという単語を最初に聞いたその瞬間から、苺火は矢を一本も、的に当てられる気がしないでいるのだった。みんなの前で醜態を晒す自分の姿を、苺火は早くもありありと想像することができた。
 気乗りしない苺火の気持ちなど置いてけぼりのまま、体育の授業は滞りなく開始する。グラウンドでは生徒たちが、やはりあまり馴染みのないアーチェリーという競技に、ある者は戸惑い、ある者は期待し、或いは苺火と同じく気乗りしなさそうな顔をした生徒もいる。
 そして、そんな苺火の憂いを映し込んだかのように、朝はあんなに晴れていた空も、俄かにその雲行きを崩しはじめていた。赤錆のこびりついたような鈍色の雲と、淡い晴れ間の入り乱れた空は、奇妙な明るさと相まってなおのこと不気味だった。今にも嵐がやってきそうに強い風が古い校舎に吹きつけ、立てつけの悪い戸口や窓をガタガタと鳴らした。
 苺火は、時計塔の地下階段に置かれたバケツの、赤茶けたしみを思い出していた。こんな天気の日には、あの鉄格子の嵌め込まれた高い窓から見える景色も、鈍色に荒ぶだろう。灰色一色のあの部屋で、小鳥の少女は今も一人、心細い思いをしているのだろうか。そんなことばかりが脳裏を掠めては、消える。
 そうこうしているうちに、件の宮地という体育教師がグラウンドに出てきた。宮地はまだ若く、長い髪をポニーテールにし、薄化粧が見る者に好印象を与える、さっぱりとした女性だった。生徒たちの前に立つと、やはり一学期はアーチェリーをメインに授業を進めていく旨を、はきはきと快活な口調で説明した。
「そういえば、一組にはアーチェリー部の古賀さんがいたわね。せっかくだからお手本、やってみせて貰おうかしら。彼女、うちの部のエースなのよ」
 おおっ、と生徒たちのあいだからどよめきが上がった。宮地の説明を気もそぞろに聞き流していた苺火も、これにはさすがに身を乗り出さずにはいられなかった。むろん、何かと苺火を気にかけてくる明日葉の、勇姿を目の当たりにすることができるからだ。他の生徒たちも、自分と同じ生徒という立場の者が活躍することがわかると、目に見えて色めき立った。
 明日葉と、体育係の二人、それと近くにいた数人の生徒が、アーチェリーの道具一式を倉庫に取りにいくことになった。明日葉の指示に従ってそれぞれ数本ずつ弓を抱えて他の生徒たちがグラウンドに戻ってしまい、みっしりと矢の詰まった矢筒を二つ、一人で抱え上げようとしている明日葉に、苺火は背後から何気なく声をかけた。
「手伝うよ」
 その時だった。
 何かが空を切る、ヒュッと鋭い音がして、我に返った時には、アーチェリーの矢の尖った切っ先が、苺火の喉笛にピタリと淀みなく突きつけられていた。
 突然の状況と、喉笛に感じるヒヤリと冷たい感触に、苺火は混乱した。何故、明日葉が急にこんな行動に出たのか、まるで理解が及ばなかった。
「えっ、ちょ……な、に? 急にどうしたの……?」
 今、倉庫に取り残されているのは、苺火と明日葉の二人きりだ。生徒たちは既にグラウンドの中央付近に戻ってしまい、助けてくれる人など誰もいない。しかし奇妙なことに、苺火に矢を突きつけている明日葉の方が、寧ろ顔を引き攣らせ、硬直している。まるで何か得体の知れないもの──例えば始業式の日の朝、苺火を襲った、幻影の群衆のような──と、今まさに、対峙しているかのように。
「桐島……苺火君」
 その、色を失った唇が、微かに震えて苺火を呼んだ。
「な、何?」
「ねえ……きみは一体、何者だい?」
「え? 何者って……?」
 問われている意味がわからず、普段とは異なる彼女の口調に覚えた違和感を取り繕うことも叶わず、苺火は鸚鵡返しに彼女の問いを反芻することしかできなかった。
 暫しの沈黙ののち、喉笛に押し当てられていた矢は、ゆっくりと下ろされた。
「──ごめん、何でもないわ。矢筒、片方持ってくれるんだよね。ありがとう」
 明日葉はそう言い残すと、苺火に片方の矢筒を半ば強引に押しつけ、逃げるようにその場を立ち去ってしまった。苺火は暫く呆然と、その後ろ姿を見送っていた。喉笛に押し当てられた冷たい感触が、まだ肌の上に残っているような気がした。

 必要な準備が整い、明日葉が生徒たちの前に立つと、女子生徒のあいだからは俄かに黄色い声援が湧き起こった。
「明日葉ちゃん、頑張って!」
「ファイト!」
 などといった決まり文句が口々に叫ばれ、その異常な熱量からは、単に同じ女子だからだとか、アーチェリー部の生徒がクラスに明日葉一人だけしかいないからとか、そういったこととは別のところに声援の理由があることは容易に窺い知れた。
 明日葉は別段、取り立ててボーイッシュな外見をしているとか、そういうわけではない。それでも、女子の平均より高めの身長とすらりとした四肢、溌剌とした性格にいつも毅然と伸びた背筋、その上更にアーチェリー部所属というオプションまでついているのだから、女子生徒から人気があるというのも頷けた。男の自分から見ても、颯爽とした彼女の姿はかっこいいし、憧れるものな、〝未来の警察官〟という欲目もあるだろうけれど──と、何気なく目をやって、苺火はあれっ、と思った。明日葉は女子生徒たちからの声援に、曖昧に笑い、手を振って応じている。その表情が、僅かに強張っているような気がした。
 ──緊張している?
 苺火の感じた違和感に、他の生徒たちは気づいていないのだろうか。声援は鳴り止まぬまま、明日葉は的の一直線上に立つと、弓を構え、ゆっくりと引いた。つい今しがた、明日葉と二人きりになった時に投げかけられた、奇妙な問いかけのせいだろうか。何か、嫌な予感がした。空の色はすっかり暗澹たるものとなり、風はますます強さを増して木々を激しく揺さぶった。その上、地の唸るような雷鳴までもが、遠くで轟き始めていた。
「先生、こんな風で、本当に矢を的に当てられるんですか?」
 ちょうど苺火も同じ疑問を抱きはじめた頃、一人の女子生徒が心配そうにそう発言した。しかし、宮地は腕組みをしたまま的を見据え、特に動じた様子はなかった。それどころか、その眼差しは心なしか楽しそうなものにさえ見えた。
「アーチェリーっていうのはね、自然との戦いでもあるのよ。例え風だろうと雨だろうと、大会は決行される。風を読み、天候を読み、一本の矢で的を射る。雨の日には雨の日なりの戦い方というものがあるの。もちろん、授業でそこまでは求めないけどね。それに、グラウンドにそんなに強く風は吹いていないわ。大丈夫でしょう」
 確かに宮地の言う通り、高所の木々は風に煽られ、今にも薙ぎ倒されそうに激しくうねり、強かに幹をしならせているが、グラウンドに吹く風はそこまでのものではない。せいぜい、体操服が空気を含んで絶え間なく膨らみ、髪の毛が好き勝手な方向にぼうぼうと逆立つ程度だ。日頃から風を読み、的への一筋を見極めている者たちにとっては、この程度の風も、どうということはないのだろうか。
 最前列に座っている苺火の位置から、明日葉は右斜め前方に見える。すぐ背後に陣取ってしまっているため、表情を窺い知ることはできない。しかし、小さな喉がこくんと動き、彼女が唾を飲み込んだのだけは、見て取ることができた。
 やっぱり、変だ。いくら矢を射ることに意識を集中しているといっても、いつもと様子が違い過ぎる。
 きりきりと弦が張り詰めた。それに伴って、苺火も痛いくらいに目を見開き、彼女を凝視した。か細い手が微かに震え──矢が、放たれた。
 矢は大きく的を逸れ、風のざわめきの彼方に消えた。
 宮地の表情が翳ったような、気がした。
「どんまい、明日葉ちゃん!」
 一人の女子生徒が声高に叫んだのを皮切りに、どんまい、どんまい、と次々に明日葉をねぎらう声が上がり、どうにか生徒たちのテンションは回復の兆しを見せたものの、その場にいた全員に動揺が走ったのは明らかだった。明日葉は皆のねぎらいの声をじっと背中に受けているだけで、その表情はやはりわからなかった。
「古賀があんな凡ミスするなんて、珍しいこともあるもんだな」
 隣に座っていた忍が、ぼそっとそんなことをぼやくのが聞こえた。
「ねえ、今のってさ、やっぱり当たらない方がおかしい局面なの? 確かに射った瞬間、風はそんなに強くはなかったみたいだけど」
 忍につられて、苺火も声を潜めて囁きかけた。アーチェリーに関しては忍も初心者だが、スポーツというものに対して微塵も興味を持ったことがない苺火よりは、まだ忍の方が少しは知識があるだろうと考えたのだ。それに、あまり大きな声で話しては、明日葉にまで聞こえてしまいそうだった。それくらい、生徒たちは皆、半円を描いて明日葉をぐるりと取り囲むような形で、互いに互いを風から庇い合うように、身を寄せ合って座っていた。
 苺火の考えは実際にしてその通りだったようで、忍はアーチェリーというものについて、苺火にもわかりやすいように、簡単に説明してくれた。
「そもそもアーチェリーっていうのはさ、弓道と違って〝当たる〟ことが前提の競技なんだよ。和弓ってのは古来からの弓の形を尊重してきて、型や振る舞い、精神論まで重視、いわゆる武道の側面が強いが、洋弓は道具の改良に躊躇しなかった。そりゃあ、雨風が酷すぎる時は別だろうけど、今グラウンドに吹いている程度の風だったら、どうなんだろうな。アーチェリー部のエースが、あんなこっ酷い外し方するもんなのかな。それに、古賀はスポーツ万能タイプだよ。体育の授業とか、スポーツテストでも、いつも大活躍だしさ」
「そうなんだ……」
 やはり、苺火の感じた違和感は気のせいではなかったのだ。再び右斜め前方の明日葉を見やり、苺火は無意識に拳を固く握り締めていた。
 ──頑張って、明日葉ちゃん。
 しかし、そんな苺火の祈りも虚しく、二射目の矢も一射目と大差なく、大きく的を外す結果に終わった。
 アーチェリー部エースであるはずの明日葉の、立て続けのごく初歩的なミス、という常ならばあり得ない事態に、その場にいる全員が動揺していた。明日葉の様子が何やらいつもとは違うらしいということは、もはや誰の目にも明らかだった。
「古賀さん。調子が悪いなら、無理をしなくてもいいのよ」
 宮地が気遣わしげに声をかけた。
「──いえ、大丈夫です」
 ちっとも大丈夫なんかではなさそうだ、と苺火は思った。ちらりと垣間見た明日葉の顔は血の気を失い、額には冷や汗が浮かんでいた。
 半ば、やけになっているのかもしれない。頑ななまでに弓を手放そうとしない明日葉に対して、苺火は冷静にそんな感想を抱いた。よくない傾向だ。こういう場合、むきになってしまったら大抵何かしらの大失敗をして終わるものなのだ。自分自身、人前に立つことがあまり得意ではない苺火は、容易に彼女の置かれた立場を想像することができた。
 いよいよ思いきりがついたのか、明日葉がキッと的を見据える。その手から、矢が美しい一筋の直線を描いて放たれる──。
 次の瞬間、何が起こったのか、苺火は咄嗟に理解することができなかった。
「桐島!」
「苺火君!」
 続けざまに聞こえる忍の、明日葉の声。顔面に走る、強い衝撃。
 その直前に、視界に映った激しいブレを思い出し、苺火はようやく、明日葉が矢を放った直後、彼女の体が反動に耐えきれず、大きくブレを起こして弓を取り落とし、よりにもよってその一端が苺火の顔面を強打した現状を悟った。
「ごめんっ、ごめんね苺火君……!」
 明日葉が、苺火の元に駆け寄ってくるのがわかる。大丈夫だよ、と笑顔を取り繕って答えようと顔を上げたところで、地面にぽたりと何かが滴り落ちるのが見えた。
 額がぱっくりと割れて、血が出ているのだ。それも、あとからあとから血溜まりを広げていくところを見ると、かなりの勢いで噴き出しているらしい。痛み自体は鈍く、さほどのものではないが、それなりの深さで額を傷つけてしまったようだ。明日葉の焦りようも、無理はないことだった。
「古賀さん、落ち着いて。誰か、ティッシュ持ってない?」
 ひと足遅れて駆け寄ってきた宮地が、半ばパニックに陥っている明日葉を諌め、クラスメイトたちに声をかけた。
 鈍い痛みと混乱の狭間で、苺火はどこか冷えきっていく思考を感じた。
 地面に突いた両手のあいだの、鮮やかな赤が目に沁みる。
 あの日夢に見た(くれない)の薔薇園。
 ──滴り落ちる、鮮血。
 その一瞬、何かを思い出したような気がしたが、幸い一人の女子生徒がポケットティッシュを提供してくれたおかげで、苺火の作る血溜まりはさほど面積を広げる前に事なきを得、苺火の脳裏を掠めた淡い思いつきも、すぐに露と立ち消えてしまった。
「桐島君、立てる?」
「は、はい……」
 どこまでも冷静沈着な宮地の言葉に、忍の肩を借りながらどうにか立ち上がる。一瞬脳裏を掠めかけた〝何か〟のせいで多少頭がぼうっとしたが、それを除けばさほどの問題はないように思えた。それより何より苺火を怯えさせたのは、いつの間にか苺火の周囲にできていた人だかりだった。昨日、グラウンドで味わったのと同じだ。心配そうに苺火を覗き込むクラスメイトたちが、今、まさに、苺火の目には亡霊のように映っていた。
 ぽっかりと昏い、いくつもの瞳。地下室の、小鳥の少女と同じ瞳。
 ──やめろ。そんな目で僕を見るな。
「犬童君。悪いんだけど、そのまま桐島君を保健室まで連れていってあげてくれる? 出血もあるけど、それより顔色が優れないみたい。私もあとからすぐに行くわ」
「わかりました」
 忍の真っ直ぐな声がすぐ耳元で鳴る。一人で大丈夫だよ、と言おうとしても、ぐったりとなってうまく言葉が出てこない。それが顔面を強かに打ちつけたためであるのか、苺火を取り囲む亡霊の群衆のためであるのかも、もはや定かではない。
「先生、私も……!」
 明日葉が言い募る声が聞こえる。
「古賀さんは大丈夫よ。あなたもちょっと休んだ方がいいわ。顔色はそう悪く見えないけど、体調は平気?」
「平気です!」
「じゃああなたはここにいなさい。いいわね」
「──はい」
 宮地にうまいこと言いくるめられて、明日葉は意外なほどおとなしく引き下がった。いくら気が動転しているとはいえ、あの明日葉を呆気なく言葉でやり込めてしまうなんて、宮地もなかなかのやり手だ。とにかく、明日葉に必要以上に責任を感じさせたくない苺火としては、宮地の配慮はありがたいものだった。
「歩けるか、桐島」
 傍らの忍が気遣わしげに問う。
「──大丈夫、」
「はいみんな、ちゅうもーく!」
 背後に宮地のよく通る声を聞き、忍に体を支られえながら、苺火は背中に今なお痛いくらいに突き刺さる明日葉の視線を感じていた。
 ぽつりぽつりと、雨が苺火の頬を叩きはじめていた。
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