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異世界に転生したんだけど俺、天才って勘違いされてない? <旧題  転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?> 作者:にゅん

序章

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入学準備

 欝だ……。先日、母さんから突如として俺の進路変更が告げられた。なんで俺が技術学院なんかにいかんといけねーんだよ! 中等学校の先生には俺でも余裕で入れるようなランクの学校を紹介してもらって適当にそこに行こうと思っていたのだ、適当に学校にいって家に帰ってきてネットとテレビ。至福の高等学校生活の楽しみにしてたのに、なんで日本だけじゃなくて世界中の天才が集まってくるような学校に行かないといけないんだよ! というか無理だろ、どうやったら俺がそんな所に入学できるんだよって母さんに言ったら

「もう、こうちゃんを入学させることは決まってるのよ?」

 なんて返されてしまった。え?俺試験も受けてないし、そもそも俺の学力じゃ無理なんだけど……。多少、外国語が話せるだけであってソレですらせいぜい特別高等学校1年くらいの能力だぞ? もしかして、母さん自分の名前を出してごり押しで入学させたのか。
まずい、まずいぞ。学院からは反感を受けそうだし俺に期待をかけているのならブッチギリでそんな期待を裏切るぞ……。しかもなんだよ

「今までこうちゃんはいろんな事を我慢してきたものね、これからは我慢なんてしないで好きな事をやっていいのよ」

 そんな意味深な事言われても俺はどうしようもねーよ! むしろ我慢しなくていいのなら学院なんていきたくねーよ。マッチョからは

「お前の好きな事ができる学校に行けて良かったな。父さんは応援してるぞ」

 なんてメールが来た。いやもう死ねよマッチョ、なに『俺は理解しているぞ』みたいな雰囲気醸し出してんだよ。お前はなにも理解してねーよ、ゴリラに格下げするぞ! しかも挙句になんだよ学院紹介パンフレットに書いてある必要な物リストの内容は! 容量280TB以上の個人用端末ならまだ理解する。いやこれですら80万以上する代物なのだが問題は次、個人用パワースーツ。ばかじゃねーのか? パワースーツなんて一台400万以上すんだぞ……。子供に買い与えるようなもんじゃねーだろ、いくら普及してるって言ってもあくまで車と同じ扱いなんだぞ。母さんに用意は全部任せたけど大丈夫なのか……。あの人は微妙にずれている所があるから変なもん買って来ないよな?…………。いや、やっぱ確認しておこう。

「うん、こうちゃんの入学に必要なもの? 全部もう届いているわよ、みる?」

 どうやら母さんはもう用意してあるようだ。一緒に倉庫に確認しにいくとそこには少しどころではなく盛大にずれた価値観の持ち主の選んだものが並んでいた。

「まずはコレ! ルイン社製の新型個人端末よ」

 あー、うん。知ってる。ソレ今月発表されたばっかのやつでしょ? 容量500TB以上の『量子演算タイプ』の個人端末、しかも発売じゃなくて発表された代物。民間に流れてくるのは5年後くらいじゃねーの?新しい物は好きだから嬉しいけどさ……。

「次はコレ! カルテット重工業社のパワースーツよ」

 パワースーツの製作を行なっている会社の中でもトップのシェアを誇るカルテット社、品質はまさに世界一の評価を受けている。いいか?世界一と言われているんだしかも今目の前にあるのは、恐らく民間用最高レベルのパワースーツ。いくらするんだろ……。
怖くて聞けない。多分、というか絶対に億は超えていると思う。顔が引きつって苦笑いしかできない。

「か、母さん、ありがとう! そろそろご飯にしない?僕お腹へった」


結論、とりあえず現実逃避することにした。







 夕食後、適当に端末を操作しているときに、たまたま学院についての記事を見つけた。これから通うことになる、なるべくなら行きたくない学院の記事。少しでも内部の事情がわかればと思い読んでみる事にした、読み進んでいるとある一文に目が留まる。


『イケメン・美少女の多い学校NO.1』『恒例の学院祭、美少女コンテスト!』




 ……。どうしても母さんが行けっていうし、学校の先生にいまさら別の学校を無理いって探してもらうわけにもいかないしな。あきらめて学院に行こう。しょうがないな! 本当にしょうがない! 学院に行こう!






----学院長 山元香 視点----


 欝だ……。先日、日本国首相から直々にお達しがきた。一人の少年を学院に入学させろというのだ、しかも試験無しで。どうせまたどこかの国の政治家が自分の子供を箔付けさせるために入学させようとしたんだろう。そう思い断固たる姿勢で断った。私はこのような権力でどうこうするのが一番嫌いな人間なのだ、だからこそ学院を任されていると言っても過言ではない。権力には屈しない、学院は公平な立場であると告げようとした時に首相はこう言った

「これは、日本だけの決定ではなく国連の正式決定であり、君に拒否権はない。あくまで拒否するのであれば学院長の更迭もありえる、申し訳ないが理解してくれ」

 いったいどういうことだ? 学院創設以来このような事態はなかった。せめて理由だけでも聞こうとすると

「詳細は明日、担当の者が直接書類を渡しに行く。その時に聞きたまえ」

 そういって通信は切れてしまった。このご時勢に書類? データではなく? 私のそんな疑問は翌日解消された。担当者は国連情報部と名乗った、ようはスパイの人間である何故そのような人間が来るのか渡された書類をみても疑問だった。書かれていたのは新量子学の母の息子、荒川功樹という名だった。あの天才の息子、だがそれだけで国連が動く理由がない。更に読み進めていくととんでもない事が書いてあった。




4才 母の数式の理論を構築・完成させる。

5才 新型核融合炉を設計。

6才 次世代型パワースーツの設計に成功。同時期に衛星軌道砲を改良。

7才 医療ポッドの製作に着手。同時期に新型可変翼戦闘機を開発。

10才 新型医療ポッドの製作に成功。同年6月、自宅の庭に化学兵器の散布実験を行い国連軍出動。

11才 第5世代の主力戦車を改良、準第6世代にまで引き上げる。同年3月市民プールでの細菌駆除薬品の試験投与行なう。陸上自衛軍出動。

12才 2月海岸から花火に偽装した巡航ミサイルを発射。海上自衛軍の潜水艦が迎撃を行ない成功。同年8月、改良型巡航ミサイルの発射試験を行い海上自衛軍および航空自衛軍が迎撃を行うが失敗。ミサイルは沖合い40kmで自爆。

13才 1月、7月、11月の3回にわたり夜間自宅の庭から花火に偽装したロケットを衛星軌道上に打ち上げる。11月は国連宇宙軍が総力を挙げて追跡したが目標ロスト。

14才 抗癌用医療ポッド開発。民間に少数ながら試験配備される。

15才 1月、自宅の庭で軍用第6世代パワースーツの起動試験を行う。






 これをすべて事実とするならば荒川功樹という人間は母親を隠れ蓑にしながら活動してきたことになる。担当者はこれはすべて極秘情報であり外部に漏らした場合は相応の処分を受けることになると言っている。間違いなく私は殺されるだろう。しかしこれだけの能力がある人間を教育する必要があるのか?その疑問をなげかけると

「技術的な教育は特に必要ありません。我々が求めているのは彼の倫理観の教育です、方法は学院長にお任せします」

 なるほど……。確かに情報によると興味のあることはとりあえず結果を考えずに行動するように見える。というか普通ミサイルをぶっ放したりはしない、そもそも何で12才の時に2回もミサイルを撃ったんだろう。1回目に迎撃されたのがくやしかったのだろうか?
あと13才のときは一体なにを打ち上げたんだ……。聞いてみたい。担当者を帰らせた後、私は一人彼の教育方法を思案する。だが世界の裏側を垣間見て興奮した頭ではいい案は浮かばない。


「特別クラスに入れておこう…………」





結論、とりあえず現実逃避することした。



----荒川美紀 視点----


 私の心は晴れやかだ。やっとここまできたのだ! 功樹はこれから好きな様に勉強して好きなだけ自分の作りたい物を作ってもらいたい。確かにすこしだけ倫理的に悪いことをしたが、そんなもの友達ができればすぐに理解するだろう。
 今までは私たちが学校に圧力をかけて故意に功樹に友達ができないようにした。それはこの子を誘拐や不必要な干渉から守るためだったが、どうしてもさびしい思いをさせてしまった。だがこれからはそんな思いをする必要はない、やっと自由にさせてあげられるのだ、おかげでついつい学院での必要なものをそろえる時に熱が入ってしまった。
 新型の個人端末に最高級のパワースーツ、鞄や靴までもすべて一級品のブランドでそろえたのだ。功樹は個人用端末は嬉しそうにしてくれたが、パワースーツは気に入らなかったようだ……。30億以上する特注のスーツとはいえ所詮は民間用。たぶん功樹は自分がこの前開発した第6世代の軍用スーツをきたかったのだろう、だがあれは学校で装着するものではないから我慢してもらうしかない。こういう所から少しずつ常識を学んでいってもらおう。
3月1日、編集完了
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