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異世界に転生したんだけど俺、天才って勘違いされてない? <旧題  転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?> 作者:にゅん

学院編 1年度 夏期休暇~新世界編~

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連合艦隊

復活しましたよ! 活動報告にも記載しましたがPCが壊れてやっと購入しました。(´・ω・`)
----荒川修一 視点----

「時間です」

 時計の針を見つめていたルイスが静かな声で告げた。もともとの副官だったクレアは功樹の所へ、情報担当のエリスは美紀の副官を務めているので最近ではもっぱらルイスが隣に居ることが多い。そういえばコイツともずいぶん長い付き合いになる。最初に任務を共にしたのは何時だったか……。そんな取り留めも無い事をぼんやりと考えながら、艦内放送のマイクを掴む。

「現時刻をもって敵の防衛ラインに突入、各員の奮闘に期待する」

 一言だけ伝えるとマイクを戻し煙草に火を付ける。もし隣にいるのがエリスなら『それだけですか』と嫌味でも言われる所だが、ルイスは何も言わずにまっすぐ艦橋から外を見ている。その後ろ姿を見つめていると乗っている艦が急速に速力を上げたのが振動で伝わってきた。
 本来の作戦要綱では、ノア・ロシア・メルカヴァ・ウルスナからなる4カ国連合海軍の旗艦はロシア海軍が保有する『ピョートル級原子力ミサイル巡洋艦』を使用する予定だった。だが、コンの協力でメルカヴァ・ウルスナ両国の術者達がこちらの世界でも十分な魔法の行使が可能になった結果、旗艦は『改良氷山型戦艦空母・マーメイド』になった。この艦ならミサイルや技術部が敵が保有している可能性が高いと警告してきたレーザー攻撃にも十分耐えられる。それに、なによりも───。

「推進力がイカとはな……」

「隊長、また美紀さんに怒られますよ。彼らはイカじゃなくてクラーケンです。彼らの協力があるからこそ、この巨体で80ノットもでるんですよ」

「わかってる。全長700メートル近いマーメイドが最高速度150キロで猛進できるんだ、彼らには感謝してる。だがこうエンジン音もなにも聞こえないと不安にならないか?」

「まぁ、それはわかりますが。その静穏性のおかげで敵潜水艦からの魚雷は有線方式以外は無力化ができます。ありがたいです」

「その有線式にしたって接近してくるのが見つかれば、触手でキャッチされてオヤツ代わりに食われるしな……」

「えぇ、正直、敵に回したくないと心から思いましたよ」

 G-88での実弾演習の後でクラーケン族が魚雷を嗜好品として購入したいと言ってきたのは驚いた。美紀からすれば魚雷と引き換えにG-88の海底にある莫大な量のレアメタルを手に入れられたから笑いが止まらなかっただろう。

「転移ゲート搭載艦から連絡。ドラゴン族の転移を開始、転移したドラゴンは艦隊上空にて哨戒飛行を実施します」

 艦橋にいるオペレータが伝えてくるのと同時に、左舷側を進んでいる艦の上空に魔法陣が浮かび5体のドラゴンが飛び出してきた。今のところ、飛んでいる上位ドラゴンを撃墜する有効な兵器は存在していない。
 ただし例外として、遊び半分で飛行ユニットを取り付けたパワースーツでドックファイトを行いドラゴンの顔面をパイルバンカーでぶん殴って気絶させるというアホを抜かしてだが。それだって遊びだから通用しただけで、本気のドラゴンならマッハ5近い速度で飛び回りパワースーツの装甲を溶かすほどのプラズマ化した炎を撃ってくる。

「ルイス、ドラゴンってどうやって無力化するんだ?」

「この前の演習で功樹君が撃墜したのでは?」

「馬鹿、あれはただの鬼ごっこだ。本気で敵対したドラゴンの場合の話だ」

「そうですね……。いま開発してる虚数兵器を応用した対空砲なら───」

「魚雷の走行音を探知!」

 しまった、設置型の魚雷か!? 思わずルイスと顔を見合わせるとオペレータから次の情報を待つ。

「護衛のクラーケンが艦隊から離脱……、18番と3番クラーケンが魚雷に向かっています。───走行音、止まりました」

 どうやら大好物の魚雷を捕食したらしいな。しかし、なぜ2体で向かった? 本来なら魚雷の対処は1体で行う予定なんだが。ウルスナの術者にクラーケンに連絡をとってもらうか、確か18番と3番だったよな。

「潜水艦のスクリュー音を探知! 急速離脱している模様! 3番クラーケンが追跡を開始。え、うそ……でしょ」

「どうした?」

「3番クラーケンの推定移動速度が、240ノットを超えています!」

「400キロだと!?」 

 確かにグローム魚雷を鈍足というくらいだから本気ならそれくらいの速度がでてもおかしくはないが……。演習の時でも最高速度は210ノットだったはずだ。いくらなんでも240ノットは早すぎる。

「シュウイチ様、クラーケンからの連絡でこの辺りの海は冷たくて軽いから早く泳げると」

 速度が上がっている理由を考えているとウルスナの術者が話しかけてきた。

「冷たいというのはわかりますが、軽いというのはどういう意味ですか?」

「はい。おそらく魔力濃度の事かと思います。こちらの世界では魔力がほとんどないので自身の魔力に自然界の魔力が干渉しません」

「なるほど、摩擦がないのと同じことか……」 

「敵潜水艦の破壊音を感知、予定通りにスクリューシャフトのみを破壊したようです」

 よし、これで先ずは1隻動けなくなったな。クラーケンはいい仕事をしてくれた、撃沈は簡単だが下手に撃沈するよりも通信機能をのこしたまま行動不能にするほうが、相手に何が起きているかわからない恐怖と混乱を与える事ができる。まして巨大なイカにスクリューシャフトをへし折られたなんて想像もできんだろうな。

「18番クラーケンも敵潜水艦を捕捉、スクリューシャフトを破壊した模様!」

「よし、いい調子だ! このままこの海域の潜水艦を掃討できれば───」

「対空レーダーに反応あり、高速飛翔体が艦隊に接近中。巡行ミサイルと思われる!」

「数は!?」

「30!」

「防空戦闘用意! ドラゴン族は迎撃に迎え」

 海中からの攻撃の次は空からの攻撃か。セオリー通りな攻撃方法といえばそれまでだが、美紀や功樹が天才と言うほどの相手がこんな攻撃方法をとるのか? これではまるで教本に書いてある演習だぞ。

「ドラゴン、間もなく迎撃位置に到達します」

「隊長、なにか変です。これではただの訓練ですよ」

 ルイスも俺と同じ考えのようだな。だが、だからと言ってこちらから他の手が打てるわけでもないし、作戦自体を変えるわけにもいかない。すでに箱根基地の転移ゲート前には上陸する本隊が待機しているのだ。

「巡航ミサイルが再加速! ドラゴン部隊が突破されました! さらに高度を上げています、60秒で艦隊上空に到達」

「各艦、ミサイルが射程に入り次第、射撃を開始せよ」

 2段加速式の巡行ミサイルか。まぁ、そのぶん搭載している炸薬は少ないだろうから致命的な箇所に命中でもしない限りなんら支障ない。それよりも着弾の混乱を狙った潜水艦からの攻撃を警戒するべきだな、オペレーターに伝えておくか。

「一応、各艦に敵潜水艦からの再攻撃を警戒するように指示をだしておいてくれ」

「了解」

「巡行ミサイル到達まで30秒! こ、これは……、ミサイルが分裂しました! 多数の小型物体が高高度より落下してきます。数は計測不能!」

 クラスター弾? 船舶相手に? 100年前ならともかく現行の軍用船舶にクラスター弾を浴びせた所で意味がないぞ。一体なにがしたいんだ?

「着弾まで3、2、1、今!」

オペレーターのカウントと同時に落ちてきたのはクラスター弾なのではなかった、こいつは───。

「アラム、ミロスラーフ、オニーシムから探知システムが使用不能の連絡が……、いえ、さらにカリーニンからも同じ連絡がはいっています。本艦の探知システムも麻痺しています!」

「ただのジャミング弾だ。潜水艦探知システムを聴音に切り替えろ、それと対空レーダーも再起動させろ」

 すでにこの事態は想定済みだ。EMP攻撃を想定しているんだ、この程度ならどうにもなる。それよりもだ……。

「聴音手より、潜水艦のスクリュー音を検知。……数は不明」

「シュウイチ様、クラーケンから連絡です。姿は見えませんが潜水艦の航跡を確認したそうです。数は40隻を超えていますが、すべてが艦隊から離れていくそうです。どうしますか?」

 離れていくというのは撤退しているのか? それよりも姿が見えないというのはステルス迷彩を使っているようだな。水中でステルス迷彩……、まさかこちらの作戦を読んでるのか。しかし潜入してたスパイは───。

「クラーケン族には追わないように伝えてください。とりあえず現状を維持、相手が退くならそのままで結構です。ルイス、箱根基地の美紀と連絡が取りたい」

「わかりました」

「了解」

 少なくとも艦隊に被害がでていないのなら今は問題ない。だが、相手の考えが検討もつかん。ここは美紀と功樹に助言をもらうのが正解だろうな───。
 新世界の教主、サンドラ・ツェレンスカヤ博士はこの話の世界では美紀をも上回る、本物の化け物級天才です。先読み具合にかけてはもはや未来視に近いロシア美人です(`・ω・´)

 この先の展開をお楽しみに! 

いっこ前の活動報告に更新が止まっていた言い訳を書いたので、興味がある方は覗いてやってください。(いないと思うけど
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