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異世界に転生したんだけど俺、天才って勘違いされてない? <旧題  転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?> 作者:にゅん

学院編 1年度 夏期休暇~新世界編~

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生物兵器

----美紀 視点----

「美紀さん、お時間です」

 エリスさんが紅茶をテーブルの上に置きながら小声でささやいた。それに頷きながら右側の机で待機している職員に目で合図をする。目の前のスクリーンには『接続中』の文字が表示されるが、それもほんの僅かな時間だけですぐに青白い顔色をした男性が映った。

「お久しぶりです。シュムスキー大統領」

『お久しぶりです。ミズ アラカワ』

 功樹が箱根基地に帰ってきた時以来だから約1週間ぶりくらいだろうか。相変わらず顔色がすぐれないロシア連邦の大統領は疲れた声で返答してきた。

「ユリア大尉の件、そちらが極秘で保管していた潜水艦の件と色々お手数をおかけしました」

『いえ、とんでもありません。ご子息の件があったのにも関わらず、衛星ネット放送の無償配信やダイヤモンド鉱山など多大なるご助力を頂きました』

 大統領は困ったような表情をしながら礼を伝えてきた。それはそうだろう、私だって功樹がロシア側と結んだ契約を保護の失敗を理由になかった事にしようとしたのだから。だが、功樹自身がその契約を守るように言ってきたのだ。『絶対に儲かるから! 損はしないから!』と確信をもって政治部に伝えてきたという事は何らかの理由があるのだろう。今まで繰り返した来た世界で成功したのかしら……。

『ところで今日の会談の内容というのはやはり……』

「はい、新世界の本拠地である南極大陸に対する侵攻案が纏まりました」

『わかりました、我々は協力を惜しみません』

「ありがとうございます。それではこちらの資料をご覧ください」

 端末を操作してG-88世界からの援軍を紹介する。まぁ、『納得のいく』言い訳は考えてあるので問題はない筈よね?

『これは……、失礼ですがこの画像はイカですか?』

「えぇ、イカの遺伝子を利用した生物です。正式名はG-88シリーズ・タイプ-クラーケン。ノアの兵器開発部が……、いえ友好国ですから隠し事はやめましょう。息子が開発した生物兵器です」

『こ、これが兵器ですか!?』

「はい。この生物は全長185メートル、触手を含めれれば200メートルを超える大きさです。水中の移動速度は推定で480ノット、特殊な粘液で全身を覆っている為ソナー探知や熱探知は不可能です。またもう一枚の画像で分かるように非常に従順です」

 説明しながら功樹がクラーケン族、たしか『ムーさん』と呼んでいた生物と遊んでいる画像を表示させる。私もその場にいたのだが、ムーさんは非常に友好的で功樹と信吾君を触手で掴みあげて水上を高速で移動したりしていた。私はあんな速度で移動したらたぶん吐くだろう───。

「次にお見せするのはG-88シリーズ・タイプ-ドラゴン。これは恐竜とオオトカゲの遺伝子を組み合わせた生物兵器です。全長は30メートル、体内の一部を機械化してあるので口からプラズマ化した炎を放てます。ちなみに飛翔可能で最高速度はマッハ6.7、こちらも非常に従順です」

 にこりと笑いつつアリスちゃんと相川さんがリリンさんの背中に乗っている写真を表示する。白いドラゴンである彼女は従順というか奥ゆかしさが溢れる女性なのだが、異世界の生物を援軍として呼びましたなんて言えないので仕方のない事だろう。

『この生物をすべてコウキ君が創ったのですか……』

「はい。特にドラゴンは外皮が非常に硬い為、行動不能にする為には口径が200ミリ以上の電磁投射砲での一斉射撃、又は対パワースーツ用装甲貫通弾の飽和攻撃しかありません」

『まさに怪物ですね』

「ここまでが大型の生物兵器ですが、ここからは陸戦用のをご紹介します。こちらは同シリーズの陸戦用生物兵器、タイプ-アルケニー。一見してお分かりかとは思いますが、こちらは人の遺伝子とクモの遺伝子を掛け合わせた生物です。極秘ですが私の遺伝子を使用しているので人語……、日本語も多少話せます」

 人の遺伝子と聞いて大統領が絶句した。でもほかに上半身が女性のアルケニー族の皆さんを紹介する方法ないのよ……。幸いといっては失礼かもしれないが、アルケニー族の人型の部分は皆美しいので私の遺伝子といっても恥ずかしくない。本当ならクイーンアルケニー族のような完全クモタイプの種族も来てほしかったのだが寒いところは苦手なので仕方ないか。

『失礼ですが……、他にもこのような生物が?』

「えぇ、もちろんです。人の遺伝子を使用したのは3タイプ、他にヘビとムカデやカマキリとクマなど───」

『いえこれ以上は……、その資料の方で確認します。 それで我々はどうすれば……』

「国家維持部隊の半数をウラジオストックに集結させてください。集結が完了次第クラーケンが移動用のコンテナを装備して海岸に上陸します。その後は学院都市沖で待機となります」

『あれが祖国の領海に……。いえ、わかりました。完了次第またご連絡します』

「ありがとうございます。それでは───」

 通話が切れた事を確認して紅茶を飲む。後やっておくことは技術学院の校長先生に連絡しないといけないわね。功樹がだいぶ無茶をしたから倫理教育を教えている山本さんは国連から小言を言われているようだ。最悪クビになったらノアで雇うとして……、そうだ! 功樹に頼まれていたアレも作らないといけないし寝る時間あるかしら───。

学院長のストレスマッハ(´・ω・`)
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