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異世界に転生したんだけど俺、天才って勘違いされてない? <旧題  転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?> 作者:にゅん

学院編 1年度 夏期休暇~新世界編~

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転生者

64話を改訂していますので、先に64話をご覧になってください。

隔日更新といいましたが、66話妙にキリが悪くなってしますので先にこちらのお話を投稿しました。早い分には……良いですよね(´・ω・`)
----功樹 視点---

「どういうことだ?」

 大尉が鬼のような顔で俺を睨んでくる。右目が機械化されているせいで余計に怖く感じるが、今はそれどころではない。さて、どうやって説明しようか……。前世の記憶があるなんて言っても信じてもらいないだろうし、ましや今考えている事もほとんどが推測だ。
 だが、新世界とかいうやつらの規模を考えれば恐らく当たっているだろう。まぁ、今は大尉と話しながら整理していくか。

「大尉、第二次世界大戦の時にドイツが大規模な潜水艦部隊を配備していたのはご存知ですか?」

「知っている。だが、大戦は早期終結したからその殆どは使われなかった筈だ。それが一体どうしたんだ?」

「ドイツはその潜水艦部隊の基地を南極大陸に作ろうとしました。しかし、それは最初期の内に連合軍に情報が漏れ合衆国が主力となりその基地への進攻作戦が計画されました。それがハイジャンプ作戦と言われています」

 大尉はボトルから水を一口飲むと頷いて俺に話しの続きを促した。

「ですが、先程大尉が言ったように大戦自体が早期に終結したためこの作戦は実地されませんでした。また、件の潜水艦基地も建設されていなかったとう噂です。ですがそれなのに戦後に合衆国は軍を送っている……」

 冷戦がなかったこの世界では、俺が居た世界とは違い『南極での寒冷地訓練』の必要もなかった筈だ。仮に何らかの理由で行うとしても態々、金をかけてまで南極で行う必要はない。

「ヤツラがその基地を接収したと?」

「それは分かりません。接収したのか、工事途中だったのを引き継いだのか……。どちらにしても基地はあると思います。そしてそこが新世界の本拠地だと確信します」

「なぜそう言える?」

「母さん達ノアや父さんの居た国連が総力を挙げても発見できない場所……、そんな所がそうそうあると思いますか? 少なくともノア並みの人員を収容でき、偵察衛星でも感知できない大深度地下施設が建設可能、そして新世界が得意とする潜水艦による攻撃部隊を収容できるような場所が───」

「では合衆国が新世界とグルなのか?」

「それも分かりません、ですがかなり上層部に食い込んではいると思います。それにあそこには他の国の観測基地もありますから、一概に合衆国だけが裏切り者なのかも分かりません。せめて新世界の目的でもハッキリすれば考えようもあるかとは思いますがね」

 新世界の目的がわからん。俺を殺したいのなら長距離から狙撃でもすればいい。アリス達が目的でもそうだ、中途半端に誘拐をして救出させる。今だって中途半端な戦力で中途半端な攻撃をしかけてくる。
 お手上げだな───、そもそも俺程度の脳味噌でどうこう出来る問題じゃなかったのかもしれん。意地をはらんで母さんに任せればよかった気がしてきた。今までの疲れが急にでたせいか、立ちくらみを感じ近くのパイプ椅子に腰掛けると大尉が葉巻に火をつけながら聞いてきた。

「お前、先程の質問で『この世界の合衆国』と言ったな。アレはどういう意味だ?」

 ミスった……、二日も寝てないせいでそこまで頭が回っていなかった。まぁ良いか、合衆国軍を含めた新世界からの包囲されたこの状況では脱出方法は絶望的に不可能だから最期くらい俺のビックリ人生を人に話したところで問題はないだろう。

「大尉、サンドラ博士の論文を見たことはありますか?」

「む? あの『魂の転生論』とかいう眉唾な代物のことか?」

「えぇ、そうです。眉唾かどうかはおいて置くとして、あの理論は本物ですよ。証明はできませんが証拠ならありますからね」

 大尉は訝しげに俺を見つめる。だが、やがてその表情が驚愕にそまると手に持っていた葉巻がぽとりと地面に落ちた。どうやら気付いたらしいな……。

「僕───。いえ、一緒に戦っている仲間である大尉の前で自分を偽るのはもうやめます。俺は、荒川功樹はこの世界とは別の世界、すなわち異世界からの『転生者』です」

 俺の言葉に数秒間固まっていた大尉は、急に大きな声で笑い始めた。やはり信じられなかったのだろうか? 俺は本当の事をいったのだが、大尉の容姿で『ふざけているのか?』と怒鳴られながら詰め寄られたら漏らす自信がある。

「クククッ、ハハハハ!! なるほど、なるほどな。どうりでお前が化け物と言われている理由が分かったよ。『別の世界』でサンドラと同一の理論を構築し、あまつさえそれを自身で実行する。そして生れ落ちた先が『この世界』でもっとも優秀な科学者であるアラカワ・ミキの元か。ただでさえ天才だったお前が、こちらの世界で別の天才からまったく違う学術体系を学べば、そりゃ『化け物』にもなるだろうよ」

「あっ、いや大尉───」

「良いんだ、それ以上は言わなくて良い。お前の表情から察するに隠しておきたい事だったのだろう? そしてそれは両親にも伝えていない秘密だ。約束しよう、私の名誉にかけてこの事は誰にも言わないとな」

 ───どうしよう、大尉は一人で何かを勘違いしてウンウンと頷きながら納得してしまっている。今更、『いえ、もとはというか今も凡人です』なんていったらそれこそ怒鳴られそうだけど、真実を伝えたほうがいい気もする。
 内心でどうするべきが必死で考えているとガタンという音が聞こえたような気がした。大尉の方をみると笑みを消しホルスターから銃をとりだして線路内の通気口を凝視している。

「敵……、ですか?」

「分からん、下がっていろ」

ジリジリと大尉の背中に隠れるように移動して、肩越しに通気口を覗き見ると中から声が聞こえてきた。

「今から降りますから、撃たないで下さい」

 酷い英語なまりのロシア語が聞こえた。だがこの声には聞き覚えがある。ドサッという音と共にボストンバッグが先に地面に投げ下ろされ、続いて古い通気口を通ってきたせいかかなり汚れた女性が降りてきた。そして、その女性の顔を見たとき俺は思わず大声を上げてしまった。

「クレアさん!?」

「はい、そうですよ。功樹君、よくも私をおいて脱走してくれましたね。貴方のせいで、海水浴と洞窟探検をしてきたんです。さっさと帰ってシャワーを浴びさせて下さい」

 2日ぶりに会うクレアさんは、いつものような笑顔を浮かべながら、いつものスーツとは違うノアの戦闘服を着て俺の前に現れた───。
 功樹の秘密を知る人が出来ました。なぜか、ヒロインのアリスちゃんではなく大尉になってしまったのはご愛嬌でお願いいたします。

 そして、現れたクレアさんはどうやってここにたどりついたのか!? 次回をお楽しみに(`・ω・´)

 ps:編集とか投稿システムがめっさ変わってて焦った……。
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