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異世界に転生したんだけど俺、天才って勘違いされてない? <旧題  転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?> 作者:にゅん

学院編1年度 前期

12/77

試験と英語

今回のお話は私の原案ではく、日暮之道吟醸さんから頂いたネタで書いております。
 ----荒川功樹 視点----

 今日は、学院での最初の試験がある。この試験の出来次第でこれから受ける講義の時間数が変わってくる。この学院では生徒の専門分野を伸ばすため特殊なカリキュラムが組まれている、毎年最初に受ける試験で点数が高い教科は学習カリキュラムから除外されることになるのだ、たとえば斉藤君なら電子工学が得意分野になるので恐らくはPC関係と数学関係は免除。アリスちゃんは薬学が得意分野なので化学と英語、ドイツ語などの語学系が免除されると思う。
 ちなみに俺は……、得意な分野などない! というか学院の授業についていけないと思うんだが。どうすっか、潔くあきらめるか? いや、せっかく友達もできたし頑張ってみるか。アリスちゃんとは最近毎日のように夜メールしているしな……、今更学院辞めるなんてことになりたくない。斉藤君もいるし……。それから俺はひたすら勉強した。土日だろうがなんだろうが、昔の教科書まで引っ張ってきて勉強した! そして迎えたテスト初日

「…………」




テストの問題すら読めねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!



 え? なんで問題すら英語で書いてあんの? そんな英語で数学の問題を問われたって何をしていいのかわかんねーよ!! バカじゃねーの、バイリンガルどころの騒ぎじゃねーぞ。国際標準語だって言ってもそんなの使う所はもっとこう……。あ、そうかココ『国際技術学院』だったわ。ですよねそりゃ基本英語ですわ。でもさ、じゃあなんで普段は英語使わないの?授業の説明とかでも英語使ってもいいじゃん。いや使われても困るけどさ……。そんな事を考えながら俺は目の前のテストを眺める。

「な、なめ?……いや、ネームか」

 多分名前を書くところを見つけたのだが本当にあっているのかわからない。いや、普段はわかるんだよ? たとえば簡単な単語をつなげて読むくらいならできるけどさ、チョット大人向けのピンクなサイトでリンク先に飛んだ時とか急に英語で書かれた場所に放り出されるじゃん! ああいう時どうしたら良いかわからなくなるよね? それ! 今の俺の状態がそれ。でも俺には慌ててブラウザバックなんて手法はできない、散々悩んだ挙句俺は



白紙で出そう……。 そう決めた。




 学食で昼飯のラーメンを啜る。目の前に居るアリスちゃんはパスタか、『もきゅ♪もきゅ♪』って擬音が聴こえてきそうだ癒されるなぁ。隣の斉藤君は飢えたケモノの様にカツ丼を貪り食っている、レディーの前だもっと上品に食え!ふと目線をもどすとアリスちゃんが

「どうかしたの?なんか考え込んでたみたいだけど」

 なんて聞いてきた。俺は正直に答えれるわけもなく適当に誤魔化すことしかできない。アリスちゃんは英語が普通に喋れるからいいだろうけど俺は無理なんだよ!! 内心、涙目でアリスちゃんを眺めている時疑問に思うことがあった、斉藤君って英語できるのだろうか?そう思い聞いてみると

「ボクの事バカにしすぎだよ! さすがに英語くらいできないと学院にはいれないよ」

 斉藤君とアリスちゃんは『何言っての』みたいな顔でコッチを眺めている。ごめん、そんな基本的なことすらできないんだよ……、俺は気が重いまま午後の試験に臨む事になった。







----担任 ロベルタ 視点----


 まただ……、テストが始まってわたくしは思いました。また荒川君は白紙のテストの前で腕を組んで難しい顔をしています。今回のテストは基礎知識を確認するもので別段、難易度が高いものではありません。それなのに名前すら書かないまま答案を放置しています。わたくしが具合が悪いのかなと思い近くに寄ると荒川はゆっくりと目を開け

「……」

ふぇ!? 鋭い眼光で睨まれてしまいました。まるでその目は



俺に近寄るな



 そう言って居るようで、わたくしは怖くてテスト時間中ずっと荒川君を見れませんでした。終了後、わたくしは取りあえず学院長にこの事を報告しました、すると学院長は慌ててどこかに電話しています。そしてこちらを向いて

「私が荒川君と話をするわ、この件はすべて任せて頂戴」

 そう言われてしまいました。一応彼の担任なのに……。ますます自信がなくなりそうです。





----荒川功樹 視点----


 午後のテストの間、言い訳の方法を考えていたが浮かばなかった……。しかも途中、ロベルタ先生が俺の様子を見に来た、回答を書かないで黙っていたせいだと思うが俺の顔をみた瞬間、困ったように涙目になって戻っていった。そうだよなーテストなのに回答書かないで腕組んでる生徒なんて扱いに困るわ。学院を辞めるのはいい、そもそも俺には不相応な学校だ。だが俺に期待して入学させてくれた母さんに申し訳ない。そんな事を考えながらふらふら学院内を徘徊しているといつの間にか教職員塔まで来てしまっていた。帰ろう……、帰って母さんに正直に話そう。そう思いながら戻ろうとした時

「1-S、荒川功樹君。至急、学院長室まで」

という放送が入った。ここまでか、俺は諦めにも似た心境ですぐ目の前にある学院長室をノックした。部屋に入ると、幾分驚いたような表情をしていた学院長だったが直ぐに

「其処に座って」

と椅子を勧めてきた。俺は対面に座る学院長を見ながらどう話を切り出そうか迷っていたが結局、言葉を飾るのやめ素直にこう言った

「僕は学院を辞めようと思います。この学院は僕に相応しくないです」

そう言った時、学園長の表情がはっきりと歪んだ……。それはそうだろういくら世界に名立たる天才の息子とはいえ、明らかに才能も能力もない俺を学院に入れる事になったのだ。学院の汚点とまではいかないがそれなりに品位を傷つけただろう。謝ってすむ問題ではないが取りあえず頭を下げて退出しよう。そう思った時学院長が

「ごめんなさい、荒川君! 私がきちんと高等部の責任者に説明しておかなかった事が原因なの」

急に頭を下げてきた。俺がびっくりして固まっていると続けざまに説明してくる

「そもそも、本当は貴方はテストを受ける必要がなかったのよ。それが手違いで連絡が行かなかったの、責任者はすぐに解雇処分にするからどうか今回の事は無かった事にして欲しいの」

俺がテストを受ける必要がないってどういうことだ?というか処分ってなんだよ。

「必要が無いっていうのは誤解をさせる言い方だったわね。特待生である貴方は好きな授業を受けて構わないの、ただ倫理の授業だけは必ずでて欲しい。学院から望むのはそれだけよ」

 なるほど、そうか。俺がこの学院に入れたのは成績番号に関係ない特待生扱いだったからか!そうだよな、いくらなんでも母さんの一言で『国際技術学院』に入学できる訳がない。落ち着いて考えればわかる事だったのになんでこんな簡単な理由を思いつかなかったのだ。
 倫理の授業は恐らく、『皆で悪いことはやめましょう』とかやる為に参加しないといけないんだと思う。あー安心した。これで母さんにも心配かけなくてすむし、アリスちゃんにも毎日会える。斉藤君は……うん、まぁいいや。そうだ、責任者の処分とかそんなものいらない!誰にだってミスはあるし、次は気をつけてくれればいい。そういうと学院長は安心した顔で

「ありがとう」

と最高の笑顔を見せてくれた。





----学院長 山本香 視点----


 荒川君の担任であるロベルタ先生からテストの話を聞いて私は卒倒しそうになった。あの『荒川功樹』に学院の試験を受けさせたのだ!私が散々必要ないと言っておいたにも関わらずきちんと情報が伝わらなかったようだ……。しかもロベルタ先生曰く、彼は白紙の答案のままで腕を組んで不機嫌そうにしていたようだ。本人は睨まれた事がよほど怖かったらしくそれ以上なにもできなかったと言っている。内線で責任者に文句を言った後、私はロベルタ先生を下がらせて荒川君が入学してから準備された学院専用の秘密回線を使い連絡する。

「山本です、非常事態が起きました。そちらの準備は大丈夫ですか?」

 会話の相手は自衛軍参謀本部のオペレーターである。

「現在、即応体制にある3部隊が即時出撃可能です。この回線の使用と同時に命令が発令されており、先遣隊が到着するまで8分です」

 完全武装の兵士が約200人……、決して安心できるような数ではないがどうにかなると信じるしかない

「そちらにお任せします。どうかよろしくお願いします」

 私はそう言って通信を切った。後は荒川君をどうにかなだめる方法を……

「1-S、荒川功樹君。至急、学院長室まで」

 ちょっとはやい!まだ私のところに呼ばなくていいって。心の準備が



コン、コン



 荒川君もなんでそんなに来るの早いの!?冷静に、冷静に対応するのよ。彼だって無闇になにかの発射ボタンを押したりしないはず。話合いで解決することが重要だ。

「其処に座って」

彼に椅子を勧めると大人しく席についてくれた。どうしようか?私が切り出せずにいると彼のほうから話かけてきた

「僕は学院を辞めようと思います。この学院は僕に相応しくないです」

 その表情はまるで、私を射殺すかのように厳しい表情だった。彼は『こんなレベルの低い所にいられるか』そんな事を考えているのだろう。だがそれは違うのだ。幼い時から数々の新発見や技術開発を行ってきた荒川君が異常なだけであって、あくまであのテストは一般向けだっただけなのだ。私はそれを叫びたいが、もしそんな事いったら私は間違いなく死ぬ……。それどころか学院自体が吹き飛ばれるかもしれない。
 そんな事を考えていると絶望で顔が歪むのを止められなかった。その時、私のコンタクト型ディスプレイに文字情報が流れてくる。


『先遣隊到着、生徒の避難……完了。なお生徒には避難訓練と通知』


 これでやっと本格的な交渉に入れる!私はそう思いながら荒川君に話し始めた

「ごめんなさい、荒川君!私がきちんと高等部の責任者に説明しておかなかった事が原因なの」

 彼はどうやら聴く耳を持ってくれるようだ。私は続けざまに、テストを受ける必要がない事。責任者を処分する事。そして今回の事を無かった事にして欲しいとお願いした。彼はしばらく考えたのち、納得したように全て了解してくれた。そして最後にはなんと責任者の処分まで必要ないと言ってくれたのだ。この件に関しては純粋に彼に感謝した、なぜなら責任者は長年にわたってこの学院の教職についてきたベテランだ。そういう人材は惜しい……、私は心の底から彼に



「ありがとう」

とお礼を述べることができた。




----荒川功樹 視点----

 学院長室から出ると抜き打ちの避難訓練が実施されていた、これじゃ今日はもうアリスちゃんや斉藤君は帰ったな。俺も帰ろうかと思い、いつものように迎えの車に乗ると

「お帰り、功樹君」

 いつぞやのスキンヘッドの人がいた……。車から降りようとするがすでに両脇にダブルスキンヘッドが座っていた。というかスキンヘッド増えてるし! なに? 自己増殖でもすんのかよ。最近は女の人ばっかりだったから油断してたわ。しかも、昨日は個人端末のお気に入りファイルを見ようとしたらいつの間にか変なデータ増えてたし……ホラーかよ! でもなんかあの水着の女の人どこかで見たことあるような。俺はそんな現実逃避をしながら再び震えつつ家に帰るのだった。

 活動報告のほうにも書きましたが、隔日投稿がものすごい不評なので今までのように投稿していきます。ですが2話投稿して1日休んだり、長いお話をどんって投稿したりするのでその辺はご容赦ください。
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