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引き抜き

本日3話目なのです!

「そういえばウェインも連れていけば?あいつ姉ちゃんに惚れてるんだ…あとあの凄い強い弓を餌にしたらついて来ると思うぜ?姉ちゃんも満更でもないみたいだしな…オレもウェインも馬に乗るのが上手いし若いから魔獣探索とかやらされたけど基本的にオレ達は騎士団の中でも簡単に替えが効くからな…。」


何!?ディナさんゲットでオマケに親父さんとウェインがついてくるだと!なんてお買い得なんだ!


「じゃあ、ウェインもついてにっと…ザーグは来ないのか?」


「オレは…この街に婚約者がいるから行けないな。」


何だと!?ウェインといい…このリア充め爆発しろ!


「えっと…推薦状にザーグと婚約者っと…メモメモ…。」


「止めろ!相手の親父さんに殺されるわ!」


「………リア充なんて死ねば良いのに…(ぼそっ)。」


冗談はこの辺りにしてザーグとディナさんの証言を元に売れない職人をリストアップしていく。…本当に冗談ですよ?


鍛治職人→6名

革細工職人→2名

大工→8名

服飾職人→14名

料理人→4名


意外と売れない職人は多く2人の知っている限りだけでもかなりの数になってしまった。


「多くね?どんだけ仕事ないんだよ…。」


「いや、仕事はあるんだ…それが一部に集中しててよ…なんて言うか…親父みたいな?変な職人が多くてよ…何か少し調べただけで店たたみそうなところが何件も見付かったんだよ。」


「服飾の職人なんてそんなに要らないのに希望者が多くて仕事に溢れてる人がたくさんいたしね。大工さんところは2つのところから人を減らすって言って来月から仕事がなくなる人達よ。」


なかなかのボロ経済ぶりである。これは色々とテコ入れが要るかもな…。


「取り敢えず王の書状と金に物を言わせて手っ取り早く人材の回収に行きますか…あと、ディナさんも一緒に行って最初に借金片付けてしまおう。女性が1人で運ぶような金額じゃないし、相手がゴネたら面倒だからな…あと倉庫の解約も要るかな…余計に経費かかるしな。」


「何から何まですいません…先に父さん回収もお願い出来ますか?余計な事をする前に事情を説明して必要な事をさせないと…。」


既に石と工兵の店の周りの商品はアイテムボックスに回収されているし、倉庫の商品も回収が必要なので願ったり叶ったりだ。


「じゃあ、親父さんと商品の回収をして借金の返済と勧誘といこうか…面倒事が起きないといいのにね。」


「…親父…頼むから大人しくしといてくれ…。」


倉庫にいくと結局親父さんはおらず、商品の回収を済ませてから探しにいくと酒場でツケで大いに酒を楽しんでいたのを発見し、ディナの頬への強烈な張り手により撃沈されザーグに担がれて運ばれるという事態になっている。少し目を離した隙に借金増やしてどうする親父さんよ…。


…コンコン…コンコンコンコン…コンコンコンコンコンコン…


「うるさいぞ!何回ノックする気だ!…ってあんたは石と工兵のとこのお嬢さんか…なんだ?家を返して欲しいとか言いに来たんじゃねぇだろな?もうあの家は解体するように決まったんだ、さっさと帰んな。」


「いえ、借金の返済に来たんですが…帰りましょうか?」


「なんだお前は?ディナの嬢ちゃんの見受けでもしたか?」


ニヤニヤとゲスい笑いを浮かべる金貸しの男…ドブネズミの様な面して息が臭いので早く帰りたいんです…つまらないやり取りさせないで下さい。


「えっと、この中に返済金額は全部入ってます。ご確認下さい。」


つまらない奴だとか何とか言いながら舌打ちをして手下を呼び金を数え始める。証文の写しも確認したし、スマホで計算したので金貨に間違いがあるはずがない。


「ほぅ?なるほど…ちょっと前まではこの金額で良かったんだけ…」


ダンッ!ガチャガチャガチャ………パラパラ……。


マサルの拳が金を数えていた机を殴り付け金を跳ね上げ元机だった木片が巻き散る。


「足りただろ?」


「えっ?…は、はい。」


「じゃあ、帰るか!次の用事もあるしな!じゃあ、世話になったな。」


そう言い残し皆を引き連れて金貸しの店を出ていく。


「次は倉庫の解約だっけ?………1…23456…1234…。」


「そうだけど何を数え…ってマサル…お前悪魔だな。」


マサルが数えていたのは机を殴った瞬間にアイテムボックスにしまった硬化の数で銀貨が6枚と金貨が4枚あった。金貨1枚は20歳の男性の平均収入の倍くらいの値打ちがある。


「定められた金貸しのやり方してないみたいだしアレの事はアクシオンに報告して調べさせるわ…多分、次はどこぞの貴族とつるんで俺を訴えるぞ?楽しみだなぁ〜♪」


「本気で悪魔だ…なんかあの金貸しが優しく見えてきたわ…。」


「どうせ訴えを起こす貴族もろとも私財差し押さえで潰されるんだから一緒だよ。この国の法律もちゃんと調べたしな〜♪この小銭は微々たる誤差だよ誤差。」


「金貨が小銭…何か金銭感覚狂ってるぞ?」


それは不正解である。そもそもあんまり理解してないのだ。日本みたいに金があれば欲しいものが欲しい様に買える訳ではないのだから金なんかより物にしたり人になる方がこの世界では価値があると思っているだけなのだ。



そして倉庫の解約…。


「確かに規約通りの金額はお支払い頂きましたが…その…言いにくいんですが…。」


嫌な予感がする…これまで丁寧に対応してくれていたし、評判もすこぶる良いこの貸し倉庫屋なのだが…。


「勝手にそちら様が倉庫の中を改造しておりまして、直すのにお金がかかるのですが…。」


「…何をしてました?」


「壁に梯子をかけて二階らしき物を作ってベッドがありました。」


「今日中に直しておきます。ご迷惑おかけしてすいません…。」


という具合に終わった。勿論直ぐにロフトもどきとベッドは回収した。


「何か忙しくない?なんなのコレ…今日のトラブルの種の親父さんは酔って殴られてずっと寝てるし…もう今日は止めない?旨い飯でも食いに行こうぜ…俺がおごるからさ…。」


こうして予定の消化は一部されず、ゆっくりした後に謎の亀らしき生物の鍋で楽しい夕食を過ごしたのだった。途中で目覚めた親父さんはディナさんに夕食はお預けをくらい見ているだけとなったのは仕方ないのである。




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― 新着の感想 ―
[一言] アイテムボックスにしまった硬化の数で→硬貨
[一言] 「なんだお前は?ディナの嬢ちゃんの見受けでもしたか?」→身請け
[一言] 「じゃあ、ウェインもついてにっと…ザーグは来ないのか?」→ついでに
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