表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/272

交渉?しませんよ?

20000ユニークも超え、皆様のおかげで頑張って書けています。

ご意見ご感想お待ちしています♪

「あぁ、ザーグ君は目が覚めたんだな…。」


遠くで何だか大声で騒ぎが起こっている。彼は勿論その言動から危険視されているので眠っている間に装備を取り上げ拘束されていた。


「ちょっと煩いから大人しくさせてくるか…。」


騒ぎの現場につくと何やら大声で喚きたてるザーグと説得しているフリードとウェインが姿があった。周りには珍妙な生物をみる為にギャラリーが集まってしまっている。


「早く拘束を解け!俺様はゴート伯爵の甥だぞ!こんな事が許されると思っているのか!」


うわぁ…なんてテンプレの馬鹿貴族…ん?本人は貴族違(ちゃ)うのか?別に良いけど…。


「おい、ザーグ君。君は少し前まで脳内出血をして死にかけてたんだ。暴れるな…再発したら死ぬよ?」


歩み寄りながら話かけるマサルに気がついたザーグは攻撃対象を変更した。


「てめぇはさっきの!この縄をほどけ!貴様の首をはねてやる!絶対にぶっ殺す!俺様がそんな脅しで騙されると思うなよ!」


「あっ、これはマサル殿。お恥ずかしいところを…ってちょっとマサル殿?」


何だかフリードが言っているけど満面の笑みでスルーです。勿論行くのはザーグ君のところ。


「…な、なんだよ…。」


さっきまで威勢よく自己主張していたのに急に大人しくなってしまう。


「まさか俺が君を脅しで死ぬよ?なんて言っていると思ってるのかい?そうかそうか…脅しっていうものの理解を相互に深めないと駄目なようだね。脅しっていうのはね……こうするんだよ?」


解体用のナイフと取り出しそのまま太腿に突き立てる!


「ッギァアャアッッッ!何しやがる!」


「大丈夫♪大丈夫♪ほらヒール♪ね?治ったでしょ。さぁ、もう一回いくよ〜♪」


もう1度同じ場所にナイフを突き立ててやる。


「あがっ!?っっっ!?ちょっと待っ…。」


「いやいや、ぶっ殺すんだったっけ?ほら、ヒールだよ〜治った治った♪次いくよ〜♪」


「ちょっと待って下され!マサル殿!それは流石にやり過ぎですぞ!」


フリードがそこで慌てて止めに入った。周りの獣人たちもドン引きで怯えているし、ウェイン君は膝を抱えてブルブルしている。


「やり過ぎ?何を言ってるの?君たち王国は2年前に彼ら獣人の住む地を侵略して戦いを起こし、一部はこの盗賊や魔物や魔獣のいる森に逃げて隠れて住むようになり、一部は奴隷として扱っていたんだよ?その彼らが住む集落に来てこうやって生かして住居を貸して貰っているのは何故だと思うんだ?彼らの善意からだよ?それを殺す?こいつが死ねばいいのに。」


その話を聞いたフリードは、はっとして周りを見渡して自分たちが何をして何を言っていたかを思い知る。


「我々は思いの外、世間知らずなうえ、恥知らずな様だ…皆さんこの恥知らずな老いぼれの頭で良ければいくらでも下げよう。この馬鹿にもちゃんと言って聞かせるので今回ばかりは見逃してやってくれまいか!」


そう言って獣人たちに向かい土下座をするフリード。それに追従するウェイン。獣人たちの中から出てきたのは兎人族の長。


「頭をお上げなさい。我々も過去の事をなかったとは出来ぬがそこの人族であるマサル殿に仲間を救って頂き、アデリナさんと一緒になって我々を導いて貰っておる。奴隷となってからも殺されたり酷い扱いを受けた者もいないと聞く、それもポータリィムにいる人族の代表からの通達があったからだと聞く。罪の意識があるというならば彼と共に共存の道を模索する事に力を貸して下され。」


「寛容なそのお心に感謝する…我々は必ず帰還後貴方たちの為に…。」


「はい、ちょっと待ってよ〜。フリード…出来ない約束はするな…もし本当に彼らの為に意見するとしても誰かが本当にそれを聞いてくれる?」


何となく良い雰囲気で纏まりそうだった話に再度火種を投げ入れる。


「聞く訳ないでしょ?自分たちが起こした戦争が実は戦争ではなく侵略でしたなんて認めるお偉いさんがいるの?自分たちのしたことが実は悪なんですって言っちゃて国が成り立つの?無理だよねぇ…それとも国のトップ全員で責任取ってみる?国崩壊じゃん!マジウケるんですけどwww」


最後の方はちょっと昔の女子高生の様に軽く馬鹿にした様に言ってやったぜ。完全に騎士も獣人たちも微妙な空気になっている。


「大丈夫、俺が何とかしてやるよ。皆の思う形にはならないだろうけど少しくらいなら面白い世界に少しくらいは近付ける様に努力してみせるさ。」


せっかく最近いろんな事を変えていく事に喜びを覚えて来たんだからな…邪魔出来ないくらいには王国は抑えさせて貰おうじゃないかね。さてさて、祭りとなるのか悪夢になるか…それとも全然違うものになるのか楽しみだなぁ〜王都。


「という事でザーグ君は暫く安静に。フリードとウェインは獲物の解体を手伝え、タダ飯貰える程にここは豊かじゃないからな。ザーグ君の飯代の分も頑張って働くんだぞ!みんなはいつもの仕事に戻ってくれ!夜にはちょっとしたサプライズを考えてあるから久しぶりに皆で騒ごうぜ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ