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ノームの集落へ

「オールスパイス、グリーンペッパー、山椒、華北山椒、胡椒、バニラ、にんにくに生姜に唐辛子、玉葱まで香辛料に分類されるのか…。」


「また何を1人で言ってるの?」


「あぁ、アデリナおはよう。今は神託ってのを見てたんだ。香辛料について調べて欲しいって言ったらこの辺りに採れるものだけでもかなりの種類の香辛料が採れるみたいなんだ…何か俺の知っているものとは形や性質が少し違うものも多いみたいなんだけど少しはマシな食事が出来るかなって思ってね。」


「何で神様を便利に調べものに使ってるの…罰が当たるわよ?…って、何で全身ずぶ濡れな訳?もう雨やんでるんですけど…一体何してたのよ?」


実は雨が降らないと蟹が見付けにくい事に思い当たったマサルは一晩中うろうろしながら蟹を捕獲していたのだ。そのお陰もあって蟹はアイテムボックスの中に10匹も蓄えられ、毒蛙も2匹獲れていてレベルも少しだが上がっていた。



******

鳴海 優(20)

職業《冒険者》

所属《冒険者ギルド》

称号《虫の天敵》《開発者》《開拓者》《無類の生産好き》《スキル収集家》《賭けの景品》《転移者》

レベル 24→25

生命力 242→247

魔力 298→302

力 136→137

体力 110→111

精神 94→96

素早さ 105

運 45


スキル《剣術3》《体術3》《治癒魔法2》《鑑定4》《探索》←NEW《解体4》《採掘4》《伐採3》《農業4》《鍛冶4》《石工5》《木工5》《革細工4》《調合4》《土木5》《建築3》《算術4》《美術4》《歌唱3》《言語翻訳》《収納空間》《地図》

******



密かにスキルも増えたりしているのだが完徹で蟹探しに熱中し睡眠不足なマサルは気付いていない。勿論、蟹の事は今はライムと2人だけの秘密なのでアデリナには「ちょっと夜の森を探検してた」と適当に誤魔化したのだが眠そうなマサルの姿にため息をつかれてしまった。


「で、今日は予定通りにノームの集落目指せば良いのね?」


「そうだね、ノーム達が無事なら良いけど…あんだけ大きいと食べ物も沢山いるだろうし、行動範囲もかなり広いと考えるべきだよな…。」


「私たちよく食べられなかったよね…。」


「そうだな…きっと俺が不味そうなお陰だな!」


「言ってて悲しくない?」


「ちょっと………。」


定例のミニコントもそこそこに獣人たちと共にノームの集落へと移動を始める一行だった。




そしてノームの集落へ…。




「出ていけここは獣人とは関わりのない土地だ!お前たちをこの集落に入れる訳にはいかん!」


何故か集落の手間では、こんな時にコミュ(りょく)の0なゴロちゃんが交渉にあたり、ノームの男性と揉めている…キバ君は何をしているんだ!?


「おい、ゴロお座りっ!」


「オレは犬じゃねぇ!猫人族だ!」


「はいはい、良いから下がれって意味だ。交渉人(ネゴシエーター)交代の時間だ。」


後ろ襟を掴んで後方の獣人たちの方へと連れていき交渉へと出向く。まだ「オレを犬扱いしやがって」とか騒いでいるが「静かにしなさい!この馬鹿!」と獣人のおばちゃん達の声と何だか打撃音が聞こえたが知らないふりをする。


「わたくし人族のマサルと申します。先日、こちらのボッツさんにお世話になりました。宜しければボッツさんとお取り次ぎをお願い出来ませんか?」


「お前みたいな怪しい奴に誰が取り次ぎなどするものか!」


これは面倒なタイプの人だな。こうなれば…脅すか…。


「では、先日にボッツさんと取り引きのお約束をしているのを貴方の勝手な思い込みで断るという事で宜しいのでしょうか?」


「…取り引きだと?」


「塩などの生活に必要な物をこちらに運ばせて頂くというお話だったのですが…彼を信用して先に多少の塩や干物を贈らせて頂いたのですが、ノームはそうやって信用を裏切るのですね。分かりました、今回は勉強だと思い引き下がらせて貰いましょう。」


マサルの声は少しずつ大きくなっていて、多くの獣人たちが集落の入り口に押し寄せているせいもあって他のノームたちも何人も集まってきていた。さっき1人のノームが何処かに走って行ったしボッツ爺か集落の代表へと話が通るであろう。アデリナなんか口元を押さえて笑っている。


「じゃあ皆!悪いけど少し休んだら出発しよう!男たちは女性や子供が休める様に準備してやってくれ。あんまり長く休んでいると迷惑になるだろうから長い時間は休めないけどな。」


大声で叫んでやったぜ!既に話をしていたノームの目は明らかに動揺していて落ち着きがなく、他のノームたちも罪悪感に顔色を変えている。


「あっ、ここに来たのは黒い4本腕の大きな熊が近くにいるから危険を報せに来たんだ。一応報告はしとくから頑張って対処してくれ。」


「ちょっと待ってくれ!それは本当の話か?」


「本当だよ?でも俺も少し休まないと移動に困るから休ませて貰うわ…。おい、ゴロこっちに来い!」


ゴロは引き下がるという言葉に明らかに不満そうにして、今にも何か余計な事を言いそうなので少し釘を刺しておかねば…。


「…なんでオレ達が引き…って痛いじゃねぇか!」


大声で文句を良い始めたゴロの足を思い切り踏んでやった。


「うるさい説明してやるから黙れ。…そうだキバ!キバもこっちに来い!」


では、説教タイムの始まりなのです。こっちの石の上に正座ですかね?正座が体罰?言って分からないない子には多少の苦痛や痛みが要るのですよ?最近は叱ると怒るの違いが分からない大人が増えてきて体罰だのなんだのと声をあげているけど、痛みを教えるのも大人の義務なんだと思う。叩けば叩いた手も痛いし、痛みを知らない子は加減を知らない…こういう事を教えない大人の方が酷いんじゃないだろうか?本当の意味で叱るという事は物凄く体力も気力も必要なのだ、愛情がなくてそんな事が出来る訳がないではないだろうか?


「なんでボクまで座らされてるんでしょうか?」


不満というより困惑した表情で見上げてくるキバ。隣でおばちゃん達に頭を拳でグリグリされながら座らされているゴロ。


「まずはキバ!お前は集落に着いた時にゴロが交渉?を始めた時に何処で何をしていた?」


「えっ?後ろの方にいましたけど…。」


「お前はこの獣人たちのリーダーだって言ってたな?なんでお前が先頭に立って挨拶して交渉しない?」


「…それはマサルさんもいるし、ゴロさんが先に行ったから…。」


「お前な…ノームの集落は話し合いで事前に簡単に受け入れて貰えなそうという情報があっただろ?なぁ、ライムそう言ってたよな?なのに何でよりにもよってゴロを交渉に出す?明らかに交渉には最悪の手札(カード)だろ!それにこういう時は代表者が挨拶に行くのが筋じゃないのか?」


ゴロは不満の声を上げようとしたが全員から黙っていろと睨まれ静かになり、キバは落ち込み泣きそうな顔をしている。


「前回の会議だって本当ならアデリナじゃなくお前が議長になり皆を引っ張っていかないといけなかったんだぞ?」


ますます落ち込んでいくキバだが問題があったのは本当はこっちではない。


「周りの奴らも他人事みたいに聞いてるけどな、本当ならお前たちがキバに言わないといけないんだぞ!キバはまだ若い、リーダーは勝手に育たないんだぞ!ちゃんと周りの大人が自分たちの知識や技能を叩き込まなくてどうするんだ!責任だけキバに取らせる気か?俺たち獣人は仲間を大切にする?ふざせんな!都合の良い時だけそんな言葉使ってんじゃねぇ!」


周りは既にお通夜の様に沈み込んでいる。


「それにゴロ!何でお前が先に立って行くんだ?お前じゃ無理だろう………協力を求めに行くのは分かってたんだろ?なんで最初から上から交渉に入るんだ?」


「最初に嘗められたら駄目だと思って…。」


「喧嘩してんじゃねぇんだぞ?分かってんのか?お互いの印象ってのはな、最初の最初でほぼ決まるんだぞ?自分のプライドじゃなく仲間の利益を優先して何で動けない?プライドは何の為にあるんだ?ちょっと考えてみろや。」


ゴロも流石に悪いと思ったのか反省しだす。


「マサル…そのへんで止めるニャ…ノームの人が来たニャ。」


ん?意外と早く反応があったな。ノームの集落の方へと振り返ると偉そうな貫禄あるノームとボッツ爺、それにさっき話をしたノームが落ち込んだ表情で立っていた。


「すみません、ちょっと立て込んでいまして気付くのが遅れました。…ほら、キバ立って挨拶だ。」


足が痺れてふらふらしながら立ったキバは一度自分で気合いを入れ直し背筋を伸ばしてノーム達の前に立った。


「ボ…ボクはこの皆のリーダーを任されていますキバです。先程は挨拶が出来なくてごめんなさいっ!」


緊張しながら自分なりにリーダーとしての役割を果たそうとしている姿に皆親になった様な表情で見守っている。


「こちらこそ若いのが失礼な対応をしたようで面目ない。儂がこの集落の長をしておるゴレイヌじゃ。改めてお話を聞かせて頂きたいので皆様を集落へと招待させて貰っても良いかの?」


「勿論です。宜しくお願いします。」


ちょっと言葉が固すぎるし何だか短いが初めて責任を自覚して前に立ったにしては上出来である。


「では、皆様中へ入りお身体を休めて下さい。全員とはいきませぬが家を空けましょう。滞在の間はそこを自由にお使い下さい。」


どうすれば良いか分からずオロオロするキバ。集団の責任を持って行動しようとすると不慣れと気負い過ぎで普段出来る事も出来なくなったりする。これも勉強だ。


「…家は子供と女性優先だ。我々は外でいい。」


ぼそりと呟いた犬人族のおっちゃんの一言で何をしたら良いかにたどり着き全員に指示を出し始める。


「と、あっちは置いといて…この度は皆を受け入れて頂きありがとうございました。わたくし人族のマサルと申します。彼らとは別の獣人たちと一緒に街を作っている者です、そちらのボッツさんには先日もお世話になり可能であるならば皆様とも共に発展していけたらと思っております。」


「君がボッツの言っておった人族か…先日は大量に塩を頂いた様で一同本当に感謝しておる。今後も共に在ることを我も望んでおる。固い挨拶は終わりにして、何やら災厄がおると聞いたのだがそちらを聞かせて貰おう。場合によっては我らも覚悟をせねばならぬのでな。」


こうしてマサルとアデリナは4つ腕の魔熊に会った話をし、ノーム達も共に対策をとる事に決まったのだった。

今日は書くのに苦労しました。

なんせ文章が全然出てこない…しかし締め切りは偉大です!毎日更新を目標として0時から0時迄にという締め切りを自分に課しているせいかギリギリになってなんとか出てきました。

明日からも頑張っていきますので皆様も宜しくお願いします。

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[気になる点] 「周りの奴らも他人事みたいに聞いてるけどな、本当ならお前たちがキバに言わないといけないんだぞ!キバはまだ若い、リーダーは勝手に育たないんだぞ!ちゃんと周りの大人が自分たちの知識や技能を…
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