続・トイレを作ろう
「スライムを飼うですか?それはどういう事ですか?」
驚く長と獣人族のリーダー達。
「将来的に汚物や生ゴミの処理をさせようと思っております。スライムは崖の下に住んでいて壁は登ってこないという話を聞きました。わたしの想像が正しいならばスライムという魔物は崖の下で落ちてきた魔物や虫なんかを食べて生活しているのではないでしょうか?」
「その通りだ。しかしスライムは魔物だぞ?」
「勿論、安全面については蔑ろにしようとは思っていません。例えば数年に一度飼っているスライムは火によって処分して新しくスライムを捕まえて変異したりしない様にするとかすれば安全に飼う事が出来るのではないでしょうか?実はポータリィムにいる時に様々な資料を見ていたら人を襲わない魔物や人と共生をする魔物もいるという話がありました。オオトカゲが食に向く資源と考えるなら他の魔物も何かしら資源になるかも知れないと思わないですか?」
「具体的には何か考えがあるのかね?」
「それを行えるか確かめる為のテストをしたいと思っています。まず崖の下の棲息域から石の容器にスライムを捕獲してきます。そして集落の近くで汚物や生ゴミを処理出来るかと本当に壁を登らないのかを調べてみたいと思っています。後は将来的な対処方法の確立ですね、何に弱いのか等の弱点も調べる事が出来たら良いなと思っています。」
「確かに多少のリスクがあるかも知れんが魔物も資源か…そういう風に考えた事はなかったな。それならオオトカゲも飼って増やしてみるか?」
熊人族のリーダーが真っ先に賛成の意を示すと次々にリーダー達も賛成していく。
「オオトカゲは飼うのに他の肉がいるので置いとくとして、少しずつ研究をしていきましょう。長、よろしいでしょうか?」
「えぇ、お任せします。」
「では、明日にでもスライムを試験的に飼う穴を作成しておきます。」
…結果。スライムの飼育実験は大成功した。
スライムは60cmくらいの饅頭形で薄い緑色をしていた。自分の体高より高い場所には登ったり出来ず、登れても自分の地表に接している面の2/3以上を支える足場がないと下に落ちてしまう。という鈍い生物だった。糞尿などの汚物や腐った生き物の死骸、生ゴミなどを体内に取り込み少しずつ溶かして吸収する様だ。木や草はあまり消化する事はないが全然食べないという事もなく数日したら無くなっていたので吸収は可能なのであろう。
1度何故かスライムが死んでいたという事件もあったが単なる水分不足と分かり今ではお手軽に飼えて便利なこの魔物に忌避感を抱く者はあまりいない。
弱点も火と海水に弱い事も分かり、手間も要らない事からスライムの飼育の許可が出たのだが街の下に下水道を作り放す計画を話すと一同揃って微妙な顔をしたが最後には納得してくれた。
これはラッキーな発見だったのだが汚れた水にスライムを入れておくと汚れのみを分解し、水は自分の機能維持くらいしか吸わない事も分かった。もしかするとスライムは世界の自浄機能の1つではないかと思っている。下手な汚染はスライムの体質に変異をもたらす可能性がある為、薬物や変な汚染をさせない様に気をつけなければならないと思っている。記録や話などからスライムの種類が異様に多い事から特定の環境下で生命維持する為に変異や進化を早いスパンで行い適応しているのではないかと考えたからだ。進化論とかの話はファンタジーが入ると謎も多い為、あまり考えても仕方ないのだが大まかには外れていないと思う。
「ねぇ、スラちゃんはペットで飼っちゃ駄目なの?」
…意外と愛着が湧き人気が出て来ていて飼いたがる人が多くいて逆に危険性を説くのに苦労したのはまた別の話である。
衛生管理にはやはりトイレ問題とゴミ処理問題は重要です。
下水道工事などはやはり建物を建てる前にしないと色々と問題が多いのは様々な人が経験しているでしょう。
国や自治体が下水道等の推進する事自体は良い事なのですが後付けで工事した為、道の舗装が継ぎ接ぎやボロボロになった地区も多く存在しています。その後、また個人の家で使える様にするには工事が必要になりそれなりに金銭的負担がある為、結局下水道は利用されてないという現実…。