加護を得よう【前編】
「という訳でスキルの付与をしていきましょう。まずは貴方様の現在のステータスを確認していきます。ステータスオープンと念じて下さいませ。」
ゲームみたいだなと思いながら言われた通りステータスオープン!と強く心の中で念じる。
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鳴海 優(20歳)
職業《転移者》
称号《賭けの景品》《転移者》
レベル 1
生命力 160
魔力 223
力 112
体力 86
精神 79
素早さ 91
運 41
スキル《剣術2》《体術2》《農業3》《木工4》《土木2》《建築1》《算術3》《美術3》《歌唱2》《言語翻訳》
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「なにこのステータス!?本当にこの子一般人!?」
確かスキルって1〜2個なんだよね?10個もあるんですが?
「多分、ステータス値が多少高いのは筋力とかそのままで痩せさせたりこの世界に対応するように色々したのが原因ね。あとは称号は置いといて…スキルはアレね。日本の教育舐めんなよ?って感じなんでしょうね…あと、お仕事なにやってたの?」
一般人男性の生命力と魔力は100程度。力・体力・精神・素早さは50弱くらい。冒険者で一人前になるくらいでその倍くらいだと。運は1桁が普通らしい。ゲーム的にいうなら防御力は力と体力と装備に依存し、魔法抵抗は精神に依存されるらしいがあんまり魔法の抵抗といえる程に大きく影響されないらしい。少々の抵抗値で炎や電撃はどうにもならないだろ?って事みたい。話は戻って、
「あ、ホームセンターで働いてました。お客様が購入された小屋運んで組み立てたり、田舎だったんでお年寄り多くて商品運んだ先で色々とお手伝いしたり。農業ってついてるのは実家が農家だったんで米や麦、野菜とか色々と子供の頃からやってました。それに田舎のホームセンターはお客さんに農家さん多いんですよ。」
そういえば色々と資格も取ったなぁ…ガーデニングとかはともかく、こっちじゃあ重機の免許や電気工事の資格は意味無いんだろうなぁ…。
「子供から家の手伝いしてたってくらいでスキルって開花しないはずなんだけど…。」
「それは教育のレベルが違い過ぎるせいね。植物の仕組みなんかは学校で一通り習うでしょうし、日本は情報が溢れていますから…。」
何だが理不尽なモノを見る目で見てますけど、本当に理不尽なのは賭け事でぼくをやり取りした貴方達ですからね?あ、目を反らしたな…。
「やっぱりスキル付与券3枚くらいで十分だったじゃない…。」
「「それはそれ、これはこれ!」」
ぼやく駄女神にぼくとヘラ様二人の声は上手にハモるのだった。