議会場にて3
「…という訳で衛生状態を損なうという事は病気の原因において重大な問題となるという事です。先ほど説明した通り糞尿には虫などがわき、虫を食べる為にネズミや鳥などがきて、そのネズミや鳥などに病気の元が付いたりして周囲に広がる訳です。また病気にかかった動物を他の生き物が食べ、それを食べる事によっても感染する場合があります。再度言いますが、水は煮沸して飲み、肉には火を通す事が高い効果を発揮しますがこまめな清掃や洗濯も大切な処置となるでしょう。それではこれで本日の講義を終わりにしますが何か質問はあるでしょうか?………はい、ありませんね。終わります、お疲れ様でした。」
途中で起きて騒ぎ出したアドルフ君も含め、ぐったりとした様子で1時間半程の日本人の小中学生向けの衛生についての講義を終える。
「何の資料もなく急な話でこれだけの…やっぱり騎士団に来ないか?実に惜しい。」
「お断りします。後は任せた!とか言って自分たちは身体を動かしに行きそうな上司など要りませんので。」
殆どの騎士達が目を反らし、司令付きの文官はクスクスと笑っている。この人も苦労してそうだなぁ。
「じゃあ、わたしは他の計画書を作りますので皆様は忘れないうちに先ほどの内容の確認と検討をしてみて下さい。終わったら予算案も含め街中の清掃や汚物の処理についての草案を作ってみて下さい。汚物は1ヶ所に集める様にしますので森側に穴を掘る場所を決めてみて下さいね。明日の朝確認しますので今日中にお願いします。」
「ちょっと待て!まだやるのか!今日はもう…。」
「では、また明日に。ちゃんと内容の確認は個々にどこに注目したのかを確認しあってから人によって見方が変わる事も勉強してみて下さいね。司令は鍛冶場の手配も宜しくお願いします。あと、アドルフ君にも説明を忘れてはなりませんよ。では失礼。」
弱音を吐く騎士団司令に一息で追加で指示を置き部屋を出る。「彼が騎士団に入ったらもしかしてずっとコレが続くんじゃね?」と誰かの呟きに一同戦慄したとか、しなかったとか。
今回は少し短めですね。
衛生に関しては日本人にとっては常識でも発展途上の国等を始めに関してはまだまだ追い付いてない国や地区も多く存在しています。日本でさえ衛生管理が行き届いておらず食中毒等が起きるんですもの仕方ないですよね。
しかし1人1人のちょっとした心遣いで変わるのも本当の事で難しい問題ではありますよね。