ギルドカード
2000ユニーク突破してましたありがとうございます!
「はい、こちらの珠に手を置いて下さい…はい、次はこちらに血を一滴頂きます…はい、終わりました。では少々お待ち下さい。」
いきなり何をしてるのかって?街へと着いた俺とガイは門前に仁王立ちして待っていたエルダムに連れられて冒険者ギルドへと来た。そこで「取り敢えず身分証を作って貰う。確認も取れない相手をお偉いさんのところに連れていけない」と言われギルドカードを発行して貰いに来たという訳なのだ。
「それではカードの発行手続きが終わりました。こちらのカードは本人様と先ほど手を乗せた魔導具により魔法的な繋がりが形成されている物です。紛失の際は再手続きと再発行手数料として30000Gを頂きます。本人様の任意にて情報は秘匿する事も可能ですが名前、登録ギルド名、犯罪歴等は任意で表示を消す事は出来ません。犯罪歴は刑が確定しましたら魔導具にて身体に情報が刻まれますので、カードの再発行等をしても記録が削除される事はありません。また本人が死亡した場合、失踪等で本人の生死が確認出来ずこちらにカードがある場合のみギルド等にて本人の詳細を読み取る事があります。こちらにつきましては本人確認以外に使われる事はありませんし、本人が死亡していない場合は詳細を知る事が出来ません。以上でギルドカードの説明は終わりになりますが、質問はございますか?」
「意外としっかりした管理がされてるみたいですね。」
「ギルドカードは昔神が遣わした技術で、不正や偽造等が出来ません。また不正や偽造等は法により重罪となります。身分等に関わらず死刑になりますのであまり宜しくない考えは働かせない様お願いします。」
問答無用で死刑か…っていうか馬鹿なので犯罪や偽造してまでやらないといけない事が思い付きません。
「最後に先日盗賊に襲われたんですが、被害者で死亡した方のギルドカードを持っているのですがいかがすれば宜しいでしょうか?」
「ギルドに提出して頂く形が好ましいです。家族等に直接という方もいますがトラブルになりやすくお勧めは致しておりません。謝礼等が出た場合は間接的にギルドが預り提出者へとお渡しします。またこれらの手続き等でギルドが手数料や謝礼を取る事は一切ありません。」
「それではこちらを…護衛とみられる冒険者3名と一行の雇い主らしき商人の男性。下働きらしき人が3名。あとは御者の方ですね。計8名分確かにお渡しします。」
護衛は冒険者ギルド、商人と下働き達は商人ギルド、御者は冒険者ギルドと商人ギルドの2つに所属していた。
「確かにお預かりします。こちらの方々のご遺体は…?」
「魔物に食い荒らされたり腐って病気の元になるのは忍びないので穴を掘って火葬させていただきました。」
「ありがとうございました。アンデットなどになる事を思えば大変助かります。」
やはりいるのかアンデット…あんまりホラー展開は得意じゃないんですけど。松明と油と火起こしする道具は確実に入手しておこう…燃やせば何とかなるよね?
「では、早急に対処の方をさせて頂きます。あとは、騎士団の皆様の方から責任をもって説明して頂けるとの事なので私は下がらせて貰います。それでは、失礼致します。」
なんかめっちゃ仕事の出来るエリートOLさんって感じだったな。怒るとなんか恐そうだけど、たまにデレると破壊力ありそうだ。
「いつまでギルド職員を見ている…取り敢えずカードを出してみろ。取り敢えず今回はマサルの身元確認の意味も含めて全部表示してみろ。」
「分かりました。全部表示するって念じたら良いですかね?」
「その通りだ。ほら、ここに置いて。指で触れて念じるんだ。」
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鳴海 優(20)
職業《冒険者》
所属《冒険者ギルド》
称号《気まぐれな旅人》(4)
レベル 16
生命力 210
魔力 267
力 128
体力 99
精神 88
素早さ 101
運 42
スキル《剣術2》《体術2》《治癒魔法1》《鑑定3》《解体2》《採掘3》《伐採1》《農業3》《鍛冶2》《石工4》《木工4》《革細工3》《調合3》《土木2》《建築1》《算術3》《美術3》《歌唱2》《言語翻訳》《収納空間》《地図》
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「「ちょ…!!?」」
「んっ…あっ!ちょっとタイム!」
やべっ…普通の人はスキル1個か2個なんだっけ?明らかに異常だろこれ…。あと何か見たことない称号になってるし意味分かんねぇよ。取り敢えずスキルは4個くらいを残して後は非表示っと…。
「はい、これでどうぞ。」
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鳴海 優(20)
職業《冒険者》
所属《冒険者ギルド》
称号《気まぐれな旅人》(4)
レベル 16
生命力 210
魔力 267
力 128
体力 99
精神 88
素早さ 101
運 42
スキル《体術2》《木工4》《土木2》《建築1》
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「…何かいっぱいスキルあったッス。剣術って見えたッス。あと何か魔法ってあったッス…。」
「あそこまで見られて何もなかったですよみたいな表情はヤメロ。…気付いてないみたいだから教えてやる…称号も表示されているもの以外に4つあると出ているが基本的に称号持ちなんか一般人にはいないからな。しかも全部で5つとか聞いた事も無いからな。」
まだやらかしていたらしい。称号って普通はつかないのか。
「ステータスも何ッスかこの生命力と魔力は!?オレの3倍?他のも一線にいる戦士と魔導師の良いとこ取りみたいな数値ッスよ…運は二桁の人初めて見たッス…。どこからツッコんだら良いか誰か教えてくれッス!!」
そこまでおかしいなら見せれるところ無いじゃないか。
「よし、二人とも忘れろ!俺は取り敢えずスパイではなく、犯罪者でもなかった。それで良いじゃないか…何か聞かれたら木工と土木と建築のスキルがありましたよって答えとけ。…体術はまぁ最悪聞かれたらって事で。剣術と魔法は内緒だからな!…称号も気まぐれな旅人ってなってましたと報告するんだ!他に称号はなかった見てない。いいね?」
「クック隊長くらいならともかく他の人は誰も信じないッスよ。ステータスは物理的には大隊長クラスで魔法的には上級魔導師ですなんか頭おかしくなったと思われるッス。スキルはホントはいっぱいあるんッスなんて言ったら療養を勧められるッス。下手をすると嘘の報告をしたとクビッスよ。」
むしろ疑われて証言の真実味が薄れるならアリかもと思ったのは内緒にしておこう。
「考えても無駄だ。報告出来るように打ち合わせするぞ。マサルとガイはちゃんと設定を覚えておけ!間違えたりすると全員が疑われるぞ。」
さすがエルダム。年の功なのか時に正確な報告は要らないと良くも悪くも世の中を知っていて加減もよく分かってらっしゃる。何も自ら火中に飛び込まなくても良いのだ。話し合いの結果、ステータスは物理的なところは後々に嘗められない様にする為にも大隊長と同クラスとしてそのまま報告。魔力等は低く報告するとの事だ。称号とスキルに関しても俺の意見が採用された。
20歳だったのか若く見えるなと、日本人の鉄板ネタを言われたが後は概ね問題ないだろう。後はやることもないし、買い物等も誰か付き添いがいる時にして欲しいと言われたので用意された部屋で休む事にしたのだが埃っぽくて太陽が赤く染まる頃まで部屋の掃除をして過ごしたのだった。