ポータリィム防衛戦1
「今年もヤツ等が来た…さっき偵察部隊がいたのが確認された。総員、各自戦闘体制につき万全で事にあたって欲しい!以上、解散!」
集められた騎士団の面目が解散していく中、事態が呑み込めないザーグと王都から来た騎士団の300名はマサルと共にその場に残っていた。
「で、マサル…何が起こってるんだ?」
「さぁ?何か書類で読んだ気がするけど、知らんって事にして俺の街にみんなで移動しようか。」
「そうだな、邪魔しても悪いしな…あまり長期にわたりポータリィムに負担かけるのも悪いしな。」
「おい!マサル、そしてザーグお前等はタダで駐屯していくつもりか?」
「いや、俺は働いたぜ?それもちゃんとランスロットの次の仕事まで作ってやったんだぜ?何が文句あるんだよ。」
「まさか………。」
「おう!前回より多いし面倒な案件も多いから頑張れよ。スレイも使えば良いんだし何とかなるだろ。因みに今回は交易とそれに伴う交通整備、そして教育関連だ。詳しくは書面で。」
「鬼だな…ランスロット司令が可哀想に見えるわ…。」
「大丈夫!今回の事でザーグはランスロットとの面識も出来たし、アクシオンにはポータリィムに色々と教えて技術提供なんかをするって言ってあるから報告が要るし、今後ここに勉強しにくる文官も出てくるだろうから嫌でも関わらされるよ。」
「………ザーグお前もか…仲間だな。」
哀れに見ていた相手に逆に哀れに見られザーグの表情も固まってしまう。
「じゃあ、そういう事で俺たちは街に帰るわ。」
「待て!お前等にもポータリィムの防衛戦に協力して貰う!」
逃がしてはならないと司令としての強い口調で言うランスロット。
「防衛戦って…相手は何処の者なんですか?我々やマサルにも要請するって事はかなり面倒な相手なんですよね?それも偵察部隊がいる程の相手ですか…。」
「ザーグ…そいつ等は『者』じゃないぞ?」
「えっ?者じゃないという事は…人間ではない?」
混乱するザーグを面白そうに見るマサル。ランスロットは至極真面目な顔をしてザーグを口説いていく。
「あぁ、ザーグよ。海を見てみろ…綺麗だろ?」
「えっ?あ…はい。………え?」
そっとザーグの肩に腕をまわすランスロット…いったい何処のBLストーリーが始まるの!?
「正面に小島が見えるだろう?あの島にいるのは我々の住む沿岸都市に騎士団が必要な理由なのだ。あそこには人の顔程もある大きな殺人蜂が住んでいてな、毎年この時期になると新しい女王が産まれこちらに向かってくるのだ。」
「危険な魔物なのですね!」
「………ザーグ、素直なのは結構だけど騎士団使ってやってるのは毎年害虫駆除だからな?」
「「………………………………。」」
言ってはいけなかったみたいだ。
「………とにかく、これから危険な防衛戦が始まるのだ!協力してくれるな?」
「勿論です。ランスロット司令!」
「………島に行ったら蜂蜜とか採れないかなぁ。」
こうして防衛戦は始まる。…ハズである。
めっちゃ寒い!そして冷えて腰が痛む…もう身体はボロボロよ!……………と言いつつ本屋巡りをしてきました。わたしの自分へのクリスマスプレゼントはラノベが8冊程でした。皆さんは楽しくお過ごし出来たでしょうか?