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【side story】イチャイチャじゃないんだからね!

その日のマサルはナックルを送り出した後から1人鍛治場にこもり作業をしていた。入り口にはご丁寧に『立ち入り禁止』の文字と閂がかけられている。


「ここをこうして………この辺りの曲線をもっとなめらかにしないと駄目かなぁ…。」


1人ぶつぶつと作業するマサルの前には4体の銀色の女性像が並んでいる。勿論、言うまでもなくビクティニアスとアイラセフィラで、神殿に置かれる予定のものだ。


「スキルを使って写真見ながら作れば簡単だと思ってたんだけどなぁ…似すぎると逆に怖いんだよな…。ノームの森にあった石像を思い出すな…。」


不気味の谷現象というヤツである。非人間的対象の姿を人間に似せていくと忌避感を抱くというアレである。


「やっぱり服装からちょっと出直ししていって、露出や身体のラインをローブで隠した方が神秘的に見えたりするのか?………隠した方がエロくなるみたいな…。」


「何の話よ!」


急に後ろからかけられた声に飛び上がり、脛を作業台にぶつける。


「………なんでビクティニアスが…っ痛ぇ…。」


「ちょっと!?ぶつけた所見せてみなさい、ほら!」


「いや、大丈夫。治癒魔法使えるし、ただぶつけただけだからな。」


「…そう。気をつけなさいよね。」


少し残念そうなビクティニアスにマサルは気付かない。


「で、なんで私たちの像が2つずつあるの?」


「あん?それはビクティニアスのせいだろ…アクシオンに材料出せって言ったから本当にミスリルを貰ったんだ。だから、その対価に同じように像を作って王都にも神殿を置こうって話になったんだよ。」


「へぇ…じゃあ、王都のはさっき言ってたローブのヤツで良いんじゃない?」


「まぁ、それで良いなら良いんだけど。じゃあ、こっちのうちの神殿に置くのは?」


「マサルの街の神殿に置くなら手抜きは良くないわ!もうちょっと頑張りなさい!あと、この腕のここらへんはもう少し細目で…あとは…。」


何だか変な修正の注文が入ってますよ?


「手抜きじゃないからな?そういうデザインだからな…だいたいローブ着せた方が手間も材料もかかるってのに…。あと詐欺のスタイル申告は受け付けておりません。計った訳じゃないけどこんなもんだろ?」


「むぐぅ…少しくらいサービスしなさいよ。」


「大丈夫だよ、変に直さなくても綺麗だよ。」


「なっ!?」


頬を熱くさせながらそっぽを向いてしまうビクティニアスに「だから納得してくれ」と相変わらずの鈍感力を発揮する。


「この間の青いカニで手を打つわ!次のパーティーではあのカニを使う事!良いわね?」


「ふふっ、カニじゃなくエビな。オッケー!1番美味しいところをとっておくよ。」


「わかったら良いのよ、わかったら………エビね、エビ。わたしとアイラにちゃんと良いトコよ?絶対だからね!」


自分だけじゃなく妹にもという所が更に微笑ましかった。楽しく像を作っていたのもそれが完成したのも良い事なのだが気がつけば日は暮れ深夜…。


「そろそろ寝なさい、酷い顔してるわよ?」


「おぅ…もう魔力も体力も尽きて限界だ。…もう宿舎に帰るのも面倒だし俺はここで寝るよ。ビクティニアスもお疲れ様、ゆっくり休んでくれ…うぅ…じゃあ、おやすみなさい…。」


「ってもう寝た!?風邪引くわよ!ちょっと!起きなさいよ!……………………仕方ないわね。」


ビクティニアスは、そっとマサルを何かしらの力で触れもせず持ち上げて宿舎のベッドに転移させた。


「………じゃあ、おやすみなさい。」






今日は讃美歌をアカペラで合唱したり、知人のアニソンライヴで歌ったりと忙しくて楽しい時間を過ごしました。皆さまは如何お過ごしでしたでしょうか?寒いから温かくしてお過ごし下さいね!

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