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ポータリィムとスレイ

結局寝れなくて新話を書いている私。

体調はかなり落ち着いて薬のお陰かも知れませんが熱も37℃台まで落ちました。気になって寝れないくらいなら書いてしまえって…ある意味違う病気ですかね?

「マサルじゃないか!かなり経ったのに連絡もないから心配してたんだぞ。アデリナは元気しているのか?姿は見えない様だが…。」


「司令、それより後ろの彼らは王都の騎士、兵士ですよ。ご挨拶を先に…。」


ポータリィムに着くと正体不明の300人からなる軍勢に緊急配備が敷かれており、あわや一戦交えそうな雰囲気となったが緊張感のないマサルの名乗りにランスロットとウェイド、クック小隊の面々の制止によって向かえ入れられた。


「何が『お宅のアデリナ嬢は預かった!返して欲しくばランスロットのデスクワークを要求する!』だ…もう少しで足を踏み外して物見台から落ちるところだったぞ。」


「効果は抜群だ!………ランスロットももう少し落ち着いた方が良いぞ。ちゃんとデスクワークは残して帰るからさ。」


「ちょっと待て!また机上での仕事を置いて行く気か!」


「それが貴方の仕事ですよ。それより獣人と街を造っているハズの彼がこの物々しい部隊を連れてこんな所にいるのかをお聞きした方が良いのでは?」


相変わらずの様子に何だか古巣に帰ってきた様な安心感を感じるマサル。


「そうだな、事が事だけに人数を制限して会議を開いてくれ。あ、クック小隊は強制参加で。」


「ちょっと待て!わたし達はそんな立場じゃあ…。」


「「強制参加だ。」」


クックの無駄な抵抗はマサルとランスロット言葉に封殺された。


「急いでくれ。最悪………そうだな、ランスロットとウェイド、クック小隊と大隊長くらいがいれば良いか…あとは通達にしてくれ、話が進まんと面倒だ。」


「よし、このまま会議とする。議会場を開けさせろ、他の者は通常勤務へ戻れ。」


「こっちはザーグとスレイ、ナックルが居れば良い。後は………そこの俺と決闘したアドルフ君に適当に案内して貰って休んでいてくれ。」


ランスロットとマサルの指示に全員がすぐに動き出す。因みにアドルフ君は結局、3年間の見習いへの降格処分が言い渡され雑用に追われている。






………議会場1番会議室。


「うわぁ〜懐かしいな。ランスロットはちゃんと仕事してたか?会議や検討会サボって訓練に行ったりしてなかったか?」


「オレはお前の子供か!」


「えぇ、ちゃんと仕事しておられましたよ。以前と比べると別人の様に…やる事やってないと貴方(マサル)が帰って来たら何をされるか分からんそうです。」


「ぐっ…要らん事を言うなウェイド。…で、そちらの面々は?」


明らかに話題から逃げたが追及はしないでおこう。


「こっちの2名はバゼラールカの騎士でスレイとナックル。で、こっちはさっきの部隊の指揮官のザーグだ。」


「指揮官ってマジッスか!」


驚きの声をあげたのはクック小隊のガイ。


「どうした?何か問題があるのか?」


「…オレの同期ッス。なのに王都の部隊の指揮官…かたやオレは小隊の平隊員ッス。」


「ほぅ…凄い出世だな。それほどの人材か。」


ガイが本気で凹むなか興味深そうにザーグの観察を始めた。


「いや、全部このマサルのせいです。そもそも馬鹿な事してマサル達に喧嘩売ってズタボロにされたのが出会いですから。」


「ふんっ、それは馬鹿な事したな。マサルは俺と互角以上に戦えるんだ、そこらの騎士や兵士じゃ勝負にならん。」


「因みにガイ…お前の弟は騎士を退職したから。」


「何があったッス!!?」


「そこのザーグの姉ちゃんと結婚して、俺たちの造ってる街で門番してるぞ。」


「我が家の一番の出世頭が…。」


「因みに婿入りだ。」


きっちりトドメをさしてガイは暫く放置である。机に突っ伏して動かなくなったし、別に後はガイに用事は無いし良いだろう。


「で、本題に入るとだな………バゼラールカの王都は新種の魔物によって壊滅した。」


「なっ!!?」


ポータリィムの面々は絶句する…ガイだけは反応がないが。


「それを討伐、生存者の救出をする部隊だったんだが…生存者はいない。幸いにも市民は騎士や兵士の尽力でそれなりに生き残って脱出したらしいがそこは俺の仕事じゃないしな。」


「魔物は討伐したのか?」


「そこのマサルが王都ごと吹き飛ばした。今はバゼラールカの王都があった場所は瓦礫が多少落ちているだけの空き地だ。」


「「「「「「……………………。」」」」」」


また絶句されてしまった。


「ちゃ…ちゃんと植林してきたし…森とかから集めた幼木を適当に植えてきたもん。」


「もん!じゃねぇよ!何してくれてんだよ!証拠隠滅か!?王都の跡地を森にする気なのか!」


「おい、スレイ。司令殿の前だ、落ち着け。」


マサルのちょっとした小細工にキレるスレイと呆れながらもスレイを嗜めるナックル。


「それならば、何をしに来た?バゼラールカの王都は壊滅してお前がトドメをさしてきたのならココに来た意味が分からん。」


ランスロットは早く先を話せと視線で促してくる。


「これから話をする事はグレイタス王国やバゼラールカ王国はちょっと置いといて俺の個人的なお願いなんだけどさ…そういう前提で聞いてくれるかな?」


無言で頷くランスロット。


「まずはバゼラールカ王都の復興をするようなら少しでも良いから協力してやってくれ。あと、このスレイをランスロットの所で預かってくれ。」


「は?ちょっと待て!オレはバゼラールカの騎士だぞ?何で…。」


「黙れ小僧!オレとマサルが話してるんだ、邪魔をするな。」


ランスロットに威圧され萎縮して動けなくなるスレイ。


「そこの小僧はそれでも末端だが王位継承権があるらしい。しかも、王家の上の方は今回の魔物の襲撃で絶望的…バゼラールカの他の貴族やらの行動を考えると早くその小僧が一人前になって貰わないと困る。だからランスロットに肉体的にも精神的にも、この前の技術や知識を含めて叩き上げてやって欲しい。頼む。」


「王家継承権か…出来が悪いとぶん殴るぞ?それでも良いのか?」


「ちゃんと治るなら殴ろうが蹴ろうが斬ろうが構わんよ。死なない様にだけ気をつけてくれ。」


2人の合意が成されていくのをただ黙って聞いているしかないスレイ…そこに割って入ったのはナックルだった。


「先程も申し上げましたがスレイはバゼラールカの騎士であり、王家継承権があります。他国に黙って任せる訳には…。」


「ナックルと言ったか?じゃあ、お前さんはそこの小僧に死ねと言うんだな?」


「誰もそんな事はっ!」


「ナックル、お前が言ってるのはそういう事なんだよ………バゼラールカが国内の支配力を復旧させるなら旗印がいる。それが王家なら1番問題がないように見えるが権力欲に取り憑かれた馬鹿共にしてみれば王家は邪魔者以外に他ならない。なら、消そうとするのが当然じゃないか。」


「オレがその権力欲に取り憑かれた馬鹿ならさっさと暗殺しちまうな。それで自分達の都合の良い人間を推すな。」


マサルとランスロットの言葉に顔色が白くなっていくスレイとナックル。


「でも、国外で実力者のランスロットの下ならそれなりに安全に学べるって事だな。まぁ、仕方ないさ…王家継承権をずっと持ってたのはスレイの責任だ。しっかり果たせよ。今から棄てるとか言うくらいなら死ねよ?トラブルの元だ。」


「そうだな、今なら王都を滅ぼした魔物の討伐で死んだ事にしてやれるだろう。」


「…やるしかないんですね?」


「「死にたく無いならな。」」


そうやって悪い笑みで落ち込むスレイを見下ろすマサルとランスロットは何処からどう見ても悪役で、悪魔の様だと誰もが思った。


「マジで容赦無いッス…アデリナさんはマサルの所にいて大丈夫なんスかね?」


いつの間にか復活していたガイのもらした言葉に反応するランスロット。


「で、アデリナは元気にやってるのか?」


「あぁ、元気にしてるよ。今は街の代表みたいな立場で色々と仕事してくれてるよ。もしかしたらそのまま街の代表として定住してしまうかもな。」


「表に出ろや!決闘だ!マサル!」


馬鹿親ならぬ馬鹿叔父の琴線に触れてしまったらしい…もう、面倒くさいッス!!

ご心配おかけしております。

介護等で色々と休みが年間通してない私も久々にゆっくり読書しながら寝ております。

寒いし少し調子悪い時には雑炊とか欲しくなりますよね。蟹雑炊がいいか、鮭雑炊がいいか悩ましい所です…えっ?食欲はしっかりあるので無問題です。

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― 新着の感想 ―
[一言] バゼラールカの王位継承権についてですが、いくら王都の継承権持ちが全滅したとしてもいくつも都市はあるのだからそちらに数人以上はいるかと思いました。 王位継承権持ちを全員招集してパーティー中だ…
[一言] クック小隊の面々の制止によって向かえ入れられた。→迎え入れられた
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