救援
バゼラールカの王都が瓦礫となって27日が過ぎた頃だった。そこには既に王都があった形跡は殆どなく、まばらに煉瓦の破片が転がっていたり井戸の跡地があるくらいとなっていた。
「なぁ…あそこでうろうろしてるのグレイタス王国の兵士じゃねぇの?」
「………何をしてるんだ???」
「キョロキョロしてるし、誰か探してるんじゃないか?ちょっと見てくるからスレイとナックルはここにいてくれ。」
…………バゼラールカ王都を探していました。
「なぁ、マサルよ…いくら何でもやりすぎじゃね?完全に更地だぞ?何をやらかしたんだ。」
派兵されてきたのはザーグと騎士、兵士の精鋭の混合部隊300名でかなり早い到着と言える。ただこの2日くらい前に部隊は近くに到着していたのだが目印になっていた岩山がなかったり、誰が見ても簡単に見つかるハズの王都が見られないという不測の事態に陥っていた。
それは目印となる岩山を建材として解体したり、王都も崩壊させて解体していたりしたせいなのだがそんな事は誰だって想像しない。
「いや…王都はちょっとした事故で崩壊して…。」
「ちょっとした事故?あれが?」
割って入ったのはスレイだ。当然、その顔には不満が隠せないでいる。
「で、生存者は?」
「いない。」
「王都は?」
「彼が一瞬で消した。」
「………いつ?」
「来てすぐに。君がグレイタス王国に戻った日から10日せずに王都は瓦礫だ。」
やっぱりスレイは怒ってらっしゃるみたいだ。
「で、何をすれば良いんだ?」
「………帰還の準備?」
「本気で言って………るんだな。」
「残念ながらな…他にやる事がないのは事実だ。」
これはマサルに何を言っても仕方ないことだ。
「それで?例の魔物について何か分かったのか?」
「えっ?あぁ…彼女たちに任せてそれっきりだけど…。」
言われるまで気持ち悪いゲジの魔物の事など忘れ去っていた。
「ちょっ…聞いてみてもないのか?」
「どうやって?」
「どうやってって…どうやるんだ?いつも連絡してるんだろ?」
「たまに向こうから連絡くれるくらいだけど…もしかして見てるかな?見てたら連絡欲しいんだけど…。」
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【新着メッセージがあります】
あの魔物についてはまだ報告がきてないわ。だいたいの予想はつくけど確定するまで話せないの。もう少し時間を頂戴。あと、バゼラールカ王都周辺は一時封印する事が決まったから急がないけどそこから離れて。〜ビクティニアス
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「………………スレイ、ナックルと一緒にここを出る準備を。ザーグは部隊をまとめて移動の準備をする様にして欲しい。」
「何を聞いた!何が起きているんだ!」
「この周辺は神によって一時的に封印される事が決まった。バゼラールカ王都周辺は立ち入り禁止とする。」
「………詳しく説明して貰えるんだろうな?」
「俺も知らん。聞くな。どうせ出来る事なんかないんだからさっさと移動してしまうぞ!目標地点は沿岸都市ポータリィムだ。」
体調不良が続いております。
読み返してみても何もかもよく分からないくらい体調悪いので後日書き直しするかも知れません。