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異質

作者:春生志乃
人間にとって異質とは何か、私は考えた。
異質とは、他と異なることを言うが、それが人間という存在の中では、何を異質と言うのか。
他人とは違う容姿、他人とは違う脳の構造、他人とは違う何か。
私にとってそれは何の異質でも無い。
ただの変化だ。
たとえ他人とは違う容姿で、他人とは違う脳の構造だったとしても、そうなった人物はそうなりたくてなった訳では無い。
それを異質と言う人間が居るのなら、天罰が下るべきだとそうは思わないだろうか。
では異質とは何か。
人間にとっての異質とは、なりたくてなった異質ではなく、なりたくてなる異質なのだ。
私は異質になろうとした。
他人とは違う何かになろうとした。
ただ普通に生きてただ普通に結婚して、ただ普通に死んでいく。
そんなただの異質では無い人間になりたくなかったのだ。
他人よりも飛び抜けて頭が良く、他人よりも美しく、他人よりも優れた人間に、なろうとしたのだ。
けれど私は気が付いてしまった。
そのような異質さえも、なりたくてなれるものでは無いのだと気付いてしまった。
それは、異質では無い、ただの同化していく他の人間と同じになるしかない、そういうことである。
自分が望んでいた、他人とは違う、異質で特別な人間になることはできないのだ。
そもそも、異質な人間など、居る筈も無かったのだ。
私はそれを解ってしまった上で何を望んで生きていけばいいのか、答えは出てしまったのに、何を、何をこれ以上求めるのか。
もうこれ以上何かを望んでも仕方ないのだ。
自分の生きている意味は、異質になることだった。
それが出来ないのならば、もう生きている意味が無いのではないのか。
本質を失った人間は、同化している人間よりも堕ち醜い存在なのだ。
私は、一体何者なのだろうか。
星空文庫にも投稿しております。

http://slib.net/69540

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