「平次ぃ〜!ちょっと、何処行くん?」
「帰るんや!い・え・に・な!」
学校帰り、平次はかばんを肩にかけながら、不機嫌そうな顔でスタスタと歩いていく
そんな平次を、和葉は必死に追いかける
「ちょ、ちょっと平次!何怒ってるん?あたし、平次を怒らせるようなことしてへんで?」
「しとったわ!!!」
和葉は、首をかしげた
それは、数時間前のこと
四時間目の授業が終わり、お昼タイムとなる
「和葉、屋上に食べに行かへんか?」
平次は和葉の机に歩みよる
「あっ!ゴメン、平次………今日はもう先約がいるんよ!!せやから、明日な♪」
そう言うと、和葉はお弁当を持って教室から出て行った
「だ、誰なん?先約って………」
平次は、ムッとした顔をする
(先約が誰か、確かめたろ……)
平次は和葉の後を、気付かれないように追っていった
すると和葉は、外にあるベンチに座った
それから、キョロキョロとあたりを見渡す
平次は、近くの木の後ろからひょこっと顔をのぞかせる
(誰や?誰を待ってるんや?!)
それからずっと見ていると、和葉の近くに一人の男が寄っていった
「ゴメンな、和葉ちゃん!遅れてしもうて……」
「ううん、全然ええよ♪あんまり待ってへんし」
その男は、和葉の隣に座る
和葉の隣に座った男は、和葉と同じ部活動の先輩 橋口真吾
(なんや、なんや、なんやぁ!?も、もしかして……あの男と和葉は………)
平次はクルッと体の向きを変えて、走って校舎の中へと戻っていった
平次が校舎に戻ってお弁当を食べているころ、外のベンチでは会話がはずんでいた
「ほんで、もうすぐ試合が行われる時期やろ?せやから、選ばれるか不安で不安で………」
「和葉ちゃんなら、大丈夫!!絶対選ばれるって♪」
もうすぐ、合気道の試合が行われるのだ
橋口は、合気道部のキャプテン
合気道の試合のことで、和葉は相談していてたのだ
「ほ、ほんま?」
「ほ・ん・ま♪」
和葉は、ニッコリ笑った
「やっぱり、先輩にそう言われると安心するわぁ〜」
「そう言ってくれて、嬉しいで♪」
橋口もにこっと笑う
お弁当を食べ終え、二人は別々に校舎に戻っていった
そして今、学校帰り、こんな状況になっている
「なぁ、平次!!」
和葉はやっと平次に追いつき、隣についた
「………やかましいわ、アホ!!」
「平次が言うてくれないからやろぉ!!」
和葉は口をとんがらせた
「……と食べてたやろ」
「え?」
「橋口先輩と食べてたやろぉ!?おーひーる!」
和葉はそれを聞いて、クスッと笑った
「平次、もしかして勘違いしとるん?橋口先輩は、合気道部のキャプテンやで?ほんで、今度の試合が心配やったから相談してたんよ?」
「……ほ、ほんまかぁ……?」
平次の声が、だんだんと小さくなっていく
逆に、和葉の声はどんどん大きくなっていく
「あぁー!もしかして平次、やきもち焼いてたん?」
「………………」
「そうなんやな!その無言が示してるでぇ〜♪やきもちかぁ、平次もやきもち焼くんね」
和葉はめいいっぱいの笑顔で、平次をからかった
「そ、そんなんちゃう」
平次は顔を赤くした
「アハハ♪顔、赤くなっとるでぇ!!そんなにうちのこと好きなん?」
「………………好きや」
「え?」
和葉は耳を疑った
「へ、平次………今なんて」
「………………」
平次は何も言わない、ただ早足でスタスタと歩いていく
和葉は立ち止まった
「あたしも………あたしも好きやで!!平次」
和葉は、平次の背中に笑顔を向けた
和葉からは見えないが、平次の顔には今までにない笑顔が浮かんでいた
「待ってや、平次♪」
二人は歩いていく
お互いの腕と腕をからめて
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