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ありがとう、大好き
作:ミルクココア


桜の舞う中、幼い男の子と女の子が手をつないで走っていた。行き先は、図書館。今日は図書館で、二人の大好きな人形劇が行われるのだ。だけどその日に二人のうちの男の子、工藤新一は寝坊してしまったのだ。新一が起きたのは九時半、人形劇が始まるのは九時三十五分、新一の家から図書館までは大人が歩いて約四十分。小学生にもなっていない子供が走ったって二十分はかかる。おまけに図書館までは、上り坂がたくさんあるから二人はどんなに頑張ったって、図書館まで三十分はかかってしまう。それでも、希望をすてない二人は走り続けた。二十分も走ると女の子、毛利蘭は疲れ始めて歩きだした。新一は、歩き始めた蘭を励ました。
「蘭、頑張れ!もう少しだから!!」
蘭は、頬をふくらまして言った。
「新一が寝坊したせいなんだよ!私、もう走れないよ〜。」
すると、新一は片足を地面について蘭に“のれ”と言って蘭をおんぶした。蘭は、顔を赤らめて小さな声で
「・・・ありがとう。」
と言った。新一も、顔を赤らめて走った。





―図書館―
「着いた〜!!」
二人は声を合わせて言った。だけど、時計をみると二人はがっかりした。蘭は、今にも泣きそうな声で新一に言った。
「新一。人形劇、終わっちゃったよ〜。」
新一はものすごく申し訳なさそうに蘭に言った。
「ゴメン。俺が寝坊したから・・・・・・。」
二人が泣きそうな顔をしていると、図書館から館長さんが出てきた。館長さんは、優しく笑うと新一と蘭に問いかけた。
「おや、君たちは、いつも人形劇を見に来てくれる子だね。今日は来てなかった様だが、どうしたんだい?」
その問いかけに、新一は悔しそうに答えた。
「今日、俺が寝坊しちゃったから・・・。走ってきたんだけど、間に合わなくて。」
すると館長さんは、新一と蘭に微笑みかけて言った。
「じゃあ、いつも見に来てくれてるお礼に、今日は特別に、二人にだけもう一度人形劇をやってあげよう。」
新一と蘭は、すごく喜んで、大きな声で
「ヤッター!!」
と言った。
館長さんは早速、館内にいる二〜三人のバイトの人に声をかけて、新一と蘭のために人形劇をやってくれた。すごく楽しい人形劇で、新一と蘭は大喜びした。
人形劇が終わって図書館から出ると、蘭は新一の服の袖を引っ張った。新一が微笑みながら
「どうした?蘭。」
と聞くと、蘭は満点の笑顔で
「今日は、色々とありがとう!新一のせいって言っちゃってごめんね。新一、大好きだよ!!」
と言うと、新一の頬にキスをした。新一は、頬を真っ赤にした。蘭は笑顔で笑っていた。



それから新一は、人形劇の日は二度と寝坊しなかった。


新一と蘭の幼い頃の話です。満足いただけたでしょうか?
評価の方も、宜しくお願いします。













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